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麻生・加計・日大・至学館の共通性


 獣医学部認可をめぐる疑惑、昨年、所謂総理のご意向文書が明るみになり、更に今年に入って担当者が「加計氏と安倍首相が面会し、首相が新しい獣医学部を「いいね」と言ったとする愛媛県の文書が発覚し、発言自体を認めた加計学園の理事長で総理の親友の加計孝太郎さんが、これまで全く獣医学部認可問題に関して公の場で一切言及してこなかったにもかかわらず、昨日・6/19、突如会見を開いた
 会見の一部始終を見たわけではないが、個人的に感じたのは、一言で言えば「小麻生感」だった。会見の趣旨は、愛媛県の文書で発覚した内容に関して、担当者が咄嗟についた嘘だったことを謝罪することのはずなのに、記者が質問しきらない内に発言を被せるなど「会見開いたからこれでいいだろ」感が、加計さんの態度から強く感じられた。公文書改ざん・事務次官セクハラ問題に対する麻生大臣程酷くはないが、謝罪会見のはずなのに、反省しているようには全然見えなかった。


 ハフポストが朝日新聞の記事を掲載した記事「加計孝太郎氏の緊急記者会見、地元記者限定、25分で打ち切り」によると、会見開始の2時間前に急にファックスで報道各社に知らされたそうだ。しかも参加できたのは、会見を開催した岡山の地元記者クラブの所属に限定されたそうだ。緊急会見という体裁だったのだろうが、地元記者のみ参加を限定した意図はとても不可解だ。テレビ報道番組のコメンテーターらの何人かなどは、緊急会見という体裁だったが、緊急でもなんでもなく、以前から国会期末・ワールドカップ日本代表初戦というタイミングであるこの日を狙っていたのだろうと推察してる。中には大阪の地震にぶつけてきたと言っている人もいるが、流石にそこまでは腐りきってはいないような気がする。ただ、他の話題にぶつけて出来るだけ露出を減らしたいと考えていた人にとっては、大阪の地震は棚から牡丹餅・予想外の天の恵みで、多くの人がネガティブに捉えているのに、彼らだけはポジティブに感じていたかもしれないとも思う。
 発表する側は都合の悪いことを公表する際に、他の話題にぶつけて露出を最小限に抑えようとする行為は絶対的に悪いことだとまでは言えない。事の程度にもよるが、過剰な批判を避ける為の自己防衛措置の一種でもあるだろう。しかし、あまりにもあからさまにそれをやってしまうと悪知恵感が滲み出てしまい、かえって批判に晒されることもある。程度の差はあれど、どの政権もこの種の手法を使っているだろうが、現政権、というか安倍首相がこのような手法をあからさまに使う場面をこれまで何度も見てきたので、安倍首相と加計さんは親友なんだな、と強く感じた。

 投稿の冒頭で、麻生氏の態度と加計さんの態度の共通性を指摘したが、アメフトタックル問題で会見を開いた日大の監督・コーチ・学長、レスリングパワハラ問題で会見を開いた至学館の学長とも共通性があると思う。日大の会見も、昨日の加計氏同様、謝罪会見のはずなのに、司会者の日大職員が横柄な態度だった。これは麻生氏・加計さんと日大の共通点だ。
 また、麻生・加計・日大・至学館に共通するのは、当初指摘に対して問題ないとしていたのに、結局は指摘を認めざるを得なくなり、一応指摘は認めるものの、あくまで部下・選手の責任だとして、責任逃れにしか見えない態度を恥ずかしげもなく示したことだ。

  • 国有地払い下げは正常だった>虚偽答弁>公文書改ざん>一部の職員が犯した事>改ざん理由は分からない
  • セクハラ告発>大臣「セクハラがあったか分からない」>セクハラ認定>次官処分>大臣のセカンドレイプ発言は有耶無耶
  • あれぐらい反則タックルではない>指摘の激化>当該選手の独断だった
  • パワハラ告発>学長「パワハラなどない」>パワハラ認定>栄監督解任>自身の「パワハラなどない」会見は有耶無耶

日本は、一体いつからこんなことが横行するような国になってしまったのだろう。勿論似たようなことはこれまでもあっただろうが、これほどあからさまに、そして頻発した記憶は自分のこれまでの人生経験上はない。勿論人の記憶は曖昧だから、所謂思い出補正もあるかもしれない。しかし、過去に同じようなことがあったとしても、まともな状況と思えないことには変わりない。

 何より公文書改ざんという前代未聞の事態が起こったのに、財務大臣が責任をとらないどころか、まるで「俺は悪くないのに、お前ら何言ってやがる」という態度を公然と示していてるのだから、社会全体にその影響は及んでいるだろうし、「私や妻がこの認可あるいは国有地払い下げに、もちろん事務所も含めて、一切かかわっていないということは明確にさせていただきたいと思います。もしかかわっていたのであれば、これはもう私は総理大臣をやめるということでありますから、それははっきりと申し上げたい、このように思います。」「繰り返しになりますが、私や妻が関係していたということになれば、まさにこれはもう私は、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめるということははっきりと申し上げておきたい。全く関係ないということは申し上げておきたいと思います」との答弁したにもかかわらず、妻が関わっていたという疑惑が深まり始めた途端に、関わっていたら=賄賂を受け取っていたら、ということだなんてことを閣議決定までして修正するような人が首相を務めている限りは、今後も似たような状況は続くのだろう。

 日本会議は首相の支持団体の一つで、麻生氏や首相自身も、団体を支持する国会議員連盟・日本会議国会議員懇談会の特別顧問を務めている。日本会議はしばしば「美しい国・日本」とか「日本の美しい伝統を重んじる」などという表現を用いているが、このような状況を彼らは「美しい国・日本」のあるべき姿だと思っているのだろうか。

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