潔癖症にも様々な度合いがあるだろうが、バラエティ番組などで面白おかしく、肯定的にも感じられるイメージでとりあげることが最近多いのには、やや疑問を感じる。清潔感の問題などで他人を自分の部屋に入れたくないなどはまだマシ。一番滑稽に見えるのは、他人の握ったおにぎりなど、自分や家族の作った料理や既製品以外を食べたくないなどと、恥ずかしげもなく公言していることだ。
こんなことを言っている人たちは地震や台風などの災害で食べるものが容易に手に入らなくなったらどうするつもりなのだろう。「ボランティアや余裕のある隣人などが食事を作って提供してくれても私は素直に喜んで食べられません、でも餓死はしたくないから気が進まないけど食べます。」と堂々と宣言しているのと同じではないだろうか。感覚の差で他人の作った食事を食べることが好きか嫌いか分かれるのは仕方ない。否定することもできない。しかし悪びれる様子もなく公言するのはやめてほしい。同じような理由で料理コーナーなどで過剰にビニール手袋などをして料理することも好ましくないように思う。まるでそうすることが当然のマナーですと言いたいかのように見える。食品工場ではないのだから、きちんと手洗いさえすれば十分である。
綺麗好きは決して悪いことではないが、何事もバランスを欠いてしまえば相応の弊害を引き起こす。いくら綺麗好きでも他人を全て汚いもののように扱うことには共感できない。意識的にしているのではないのだろうが少し考え直してみてほしい。大人はある程度自分の感覚を持っているので、面白おかしく見ることもできるかもしれないが、青少年が偏った感覚を肯定的に受け止めてしまうかもしれない状況は好ましいと言えるだろうか。