APAホテルが南京大虐殺や慰安婦を否定する内容の、代表者の執筆本をホテル内に置いていることが話題になっている。中国のSNSである女性が「そのような本を置くのは自由だが、彼(執筆者であるAPAホテルの代表者)は、中国や韓国の宿泊客からも金をもらっている」と主張したそうだ。中国人や韓国人のおかげで儲かっているのだから配慮しろということだろうか。
金を払っているのだから客の言い分に従えというのは少し乱暴ではないだろうか。もちろん”ホテルにその本が置いてある”ことに意見し、批判することは自由である。しかしあくまで支払っているのは宿泊料金で、サービス内容(この件の場合は本が置いてあること)を考慮して泊まる泊まらないは自由である。自分はその本を実際に読んでいないので内容の度合いはわからないのだが、南京事件にしろ、慰安婦にしろ様々な主張があることは事実である。その本が置かれていることが気に入らないなら、APAホテルに泊まらなければよい話ではないだろうか。
この件に関しては、日本人の中にも「配慮が足りない」という見解の人もいる。確かにホテルというリラックスしたい場所で、誰かを嫌な気分にさせるかもしれないものを置いておくのは好ましくないのかもしれない。でもAPAホテルはこの件を受けて”撤去しない”という方針を示しており、主張を貫くという姿勢を示している。クレームに過剰に反応しすぐに迎合する企業が最近は多い中、ある意味真っ当な判断だったと思う。ただ、APAホテルに泊まった時にその本を読んでみたら、内容次第ではこの考えが180度変わる怖れもある。