スキップしてメイン コンテンツに移動
 

震災後


 先週の土曜日で東日本大震災から6年が経った。あの地震以降、毎年3/11前後になると、年を追うごとにその量は徐々に少なくはなっているが、テレビや新聞、Webメディアなどが扱う震災関連の記事・番組・企画が掲載・放送される。この週末も例年のように報道番組を中心に震災を振り返る番組、原発事故後の現状などを伝える番組などが放送されていた。時間と共に人の記憶は徐々に薄れるので、地震の怖さや備えることの重要さ、地震によって起こった津波や原発事故で被害を受け、未だに避難生活を強いられている人が万単位でいることなどを再確認・再認識するためには、この時期にメディアが関連する情報を扱うことは望ましいとも言える。しかし個人的にはトラウマとまでは言えないが、当時東京でも起こった混乱の中で見えてしまった自分を含めた各個人の身勝手さや、現在でもまだまだ先が見えない原発事故の後処理を、オリンピック招致の為だけに「アンダーコントロール」と嘘を付いた首相のこと、さらに彼が原発再稼動に向けて舵を切ろうとしていることなどから目を背けたいという理由から、地震や津波の直接的な映像だけでなく、それを想起させる映像を見たいと思えないし、震災関連の記事を読みたいとも思えない。


 本来は、あの時に経験した人間の本性を知るような体験を基に、将来の災害時や緊急事態に同じような状況にならないように対策を考えなければならないし、原発の話にしたって目を背けてしまったら自分の意見を述べることも出来ないし、良い方向に進むとは思えないので、積極的に現在の震災に関連する情報を知る必要があると思う。しかし、当時与党だった民主党(現・民進党)も、現在の与党・自民党のどちらも震災復興への対応や原発政策は、自分から見るととても好意的に受け止めることは出来ないし、それについて意見を述べることが虚しいことのようにも思えてしまう。

 震災から6年を節目として、毎年震災発生日に行っていた首相の記者会見を今年はしないことを官房長官が発表した。それに対して賛否両論あるようだが、未だに多くの避難生活者がいて、原発事故の後処理の先も見えていないのに、震災から6年なんて中途半端な時期のどこが節目なのかと思う気持ちもあるし、「直ちに人体に影響はない」という意味のないコメントを発表する首相や、「アンダーコントロール」なんて嘘をつく首相の会見なんて、見たって何の意味もないから必要ないと思う気持ちもある。首相の会見なんてなくても、来年もこの時期には多くのメディアが特集を組むだろう。来年はそれを見たくないと思わなくて済むように、今年より少しでも明るい気分になれるようなことがある事に期待したいし、明るい気分になれるように自分も何らかの努力をしたい。

このブログの人気の投稿

話が違うじゃないか

 西麻布に Space Lab Yellow というナイトクラブがあった。 一昨日の投稿 でも触れたように、日本のダンスミュージックシーン、特にテクノやハウス界隈では、間違いなく最も重要なクラブの一つである。自分が初めて遊びに行ったクラブもこのイエローで、多分六本木/西麻布界隈に足を踏み入れたのもそれが初めてだったと思う。

マンガの中より酷い現実

 ヤングマガジンは、世界的にも人気が高く、2000年代以降確立したドリフト文化の形成に大きく寄与した頭文字Dや、湾岸ミッドナイト、シャコタンブギなど、自動車をテーマにしたマンガを多く輩出してきた。2017年からは、頭文字Dの続編とも言うべき作品・MFゴーストを連載している( MFゴースト - Wikipedia )。

インターミッション・途中休憩

  インターミッション/Intermission とは、上映時間の長い映画の途中に制作者が設ける「途中休憩」のことだ。1974年公開の「ゴッドファーザー2」も3時間20分の上映時間で、2時間を超えたあたりにインターミッションがある。  自分がインターミッションの存在を知ったのは、映画ではなく漫画でだった。通常漫画は1つの巻の中も数話に区切られているし、トイレ休憩が必要なわけでもないし、インターミッションを設定する必要はない。読んだ漫画の中でインターミッションが取り上げられていたので知った、というわけでもない。自分が初めてインターミッションを知ったのは、機動警察パトレイバーの3巻に収録されている話の、「閑話休題」と書いて「いんたーみっしょん」と読ませるタイトルだった。

馬鹿に鋏は持たせるな

 日本語には「馬鹿と鋏は使いよう」という慣用表現がある。 その意味は、  切れない鋏でも、使い方によっては切れるように、愚かな者でも、仕事の与え方によっては役に立つ( コトバンク/大辞林 ) で、言い換えれば、能力のある人は、一見利用価値がないと切り捨てた方が良さそうなものや人でも上手く使いこなす、のようなニュアンスだ。「馬鹿と鋏は使いよう」ほど流通している表現ではないが、似たような慣用表現に「 馬鹿に鋏は持たせるな 」がある。これは「気違いに刃物」( コトバンク/大辞林 :非常に危険なことのたとえ)と同義なのだが、昨今「気違い」は差別表現に当たると指摘されることが多く、それを避ける為に「馬鹿と鋏は使いよう」をもじって使われ始めたのではないか?、と個人的に想像している。あくまで個人的な推測であって、その発祥等の詳細は分からない。

テレビ!メディア!弾幕薄いぞ!

 機動戦士ガンダムはロボットアニメの金字塔である。欧米ではマジンガーZなどの方が人気があるそうだが、日本では明らかにガンダムがそのトップに君臨している。1979年に放送された最初のテレビアニメシリーズは、初回放送時は人気がなく、全52話の予定が全43話に短縮され打ち切りとなったそうだが、皮肉なことに打ち切り決定後に人気が出始めた。