セブンイレブンとMONO消しゴムの色彩が商標と認定された。セブンイレブンと言えばオレンジ・緑・赤3色の店舗等の装飾、MONO消しゴムと言えば青・白・黒3色のパッケージが簡単に想像出来るほどイメージが定着しているのが、今回の色彩商標認定の決め手だったのかなと思う。商標として認められたということは、この色の組み合わせを商標を有する者に無断で使用することが出来なくなったということなのだと思う。この制度は一方で権利者の利益を守るが、一方では過剰な権利を与えてしまう恐れもあるのではないかと感じた。
色彩商標について詳しくないので認識に間違いがあれば申し訳ない。なぜこの色彩商標の認定にある種の危険性を感じたか、それはたった数色の組み合わせなんて、他と被ってしまうことがとても多いと感じるからだ。どの程度まで厳密に同色として認定するのかにもよるが、例えばWebで使用される基本的な色は256色だ。しかし実際に色を並べて比較しなければ微妙な違いを即座に認識することは難しい。違う色として認識できるのは赤・黄・青・緑・ピンク・紫など基本的な色なら、並べて比較せずに微妙な違いを認識できるのは敏感な人でもせいぜい各3-5段階程度だと思う。しかもデザインで相性のよい色の組み合わせというのはある程度限られる。その程度の数に限られるものに、独占的に使用できる権利を与えて良いのだろうか。今回認定されたMONO消しゴムの色の組み合わせを見て、すぐにMotoGPなどでYAMAHAのバイクチームが同じ(ような)3色のカラーリングを使っていると気が付いた。MONOとYAMAHAの色の組み合わせは(特に濃青が)厳密には全く同じ色ではないかもしれないが、ぱっと想像出来る程度には似ている。
商標とは、他者が不当に対象を模倣することによって権利者が商売上の利益を妨害されない為にあるものだと思う。しかし今回認定された色彩商標は少し一般的過ぎる組み合わせが認定されているように感じる。もちろん先にも述べたように色をどの程度厳密に区別して色彩商標を運用するのかにもよるが、場合によっては何かをデザインする際の制約が大きくなりすぎ、今後の様々な創造活動に悪影響を与える恐れもあると思う。これからどのようにこの制度が運用されていくか注意深く見守りたい。