iOS版ツイッターアプリが、3/25のアップデートされたバージョンから、17歳以上推奨の年齢制限が設定されたことが話題になっている。17歳以上推奨とした理由は、「軽度な性的表現またはヌード」「極度な成人向けまたはわいせつなテーマ」とiOSのApp Storeでは説明されている。どうやらリベンジポルノや所謂”自画撮り”の問題など、未成年が性犯罪に巻き込まれることを懸念しての制限のようだ。ちなみにこの制限は日本のみで、他の国・地域では行われていない。Appleがポルノ・暴力表現などに対して厳しい姿勢であることは有名で、理由が明確でない年齢制限をiOSアプリなどで設けるのは今回が初めてではない。今回は制限を受けたのがツイッターという超が付くほどユーザーの多いSNSの公式アプリだったことで、これほど大きな話題になっているのだろう。規制が掛かったのはiOS版アプリだけでAndroid版など他のOS向けアプリやWeb版では制限はない。iOSでもブラウザや非公式クライアントであればツイッターを使用することは可能で、iOS版の、しかも公式アプリだけに年齢制限を掛けることに意味があるのかはやや疑問だ。
今回の年齢制限は日本のiOS版アプリのみと限定的で、その理由も性犯罪関連ということのようだが、それとは別に今回の件をきっかけに”未成年とSNS”について考えたい。SNSと一口に言ってもfacebookのように実名志向のブログ的なものや、ツイッターのように匿名志向のミニブログのようなもの、Lineのようにショートメールサービスから発展したようなタイプなどそれぞれ異なる特徴がある。今回は話題になっているのがツイッターなのでそれを中心に考える。
現在のネットが生活の中にごく普通にある社会では、良いか悪いかは別として、母親が乳児の頃から子供にスマートフォンを利用させるなど、子供にとってネットを利用することはとても身近なことだと思う。そんな状況で完全にネット使わせないなど過度な制限は現実的でないし、これからの社会を生きていく子供たちの未来にとっても好ましいとは言えない。しかしネット上の有害な影響から距離をとるためには、子供のネット利用を制限することはある程度必要とも言えるだろう。子供のツイッターなどSNSの利用をどの程度認めるべきかは人によってその考えは様々で、さらに子供の性格などによっても変わってくると思う。ただ個人的にはツイッター上にヘイトスピーチをするような大人や、他人を平気で誹謗中傷するような大人も多くいるので、そういうものに感化されやすい年齢の未成年、具体的には中学生以下には自由に利用させるべきではないと感じる。調べていないのでそういうツイートにフィルターが有効に働くかはわからないが、そうでないならある程度分別のつく年齢まで利用させないことも選択肢の一つだと思う。
もちろん自由闊達な議論をすること、嫌悪感のあるような意見も含めて様々な思考をする人がいることを知ることは重要だ。しかしそれは同時に責任を伴うということでもある。自由闊達な議論をするということと、他人のことを考えず好き勝手に無責任な発言をすることの違いを理解せずに、未熟な者がその場に身を投じることは好ましいとは言えない。それを認めてしまった先にある最悪の結果は、ヤマト運輸の営業所にチェーンソーを持って恐喝まがいの行為を行った容疑者のような人になってしまうことかもしれない。
名もない匿名の愚か者の傍若無人なツイートだけならまだしも、アメリカの大統領や元大阪府知事など本来人から尊敬されるような立場の人間が、理由はどうあれ他人を罵倒するようなツイートをするような状況である。そんなツイッターを利用するのは18歳以上、18歳以上への準備期間と考えても16歳以上でよい気がする。それ以下子供に利用をさせるなら前述のように不適切なツイートをほぼ完全にフィルタリングするとか、表現の自由と絡む問題で、誰がどう判断するのかという点で不可能かもしれないが、投稿自体をさせないなどの措置も必要だろう。性犯罪から子供を守ることも重要だが、過激な思想から子供を守ることもまた重要である。