今日も家のそばを右翼の街宣車が軍歌を大音量で流しながら走っていた。家の周りでは止まらず走っていくだけですぐ通り過ぎるので、うるさいにはうるさいと思うが、毎日でもないし竿竹売りや焼き芋屋のそれと大した差もないのでそこまで気にはならない。しかし以前働いていた会社が民主党の事務所のすぐそばだった時はかなり不快だった。ほぼ毎日のように昼過ぎにやってきて30分程度軍歌を流しながら演説を行っていた。丁度民主党政権だった時期と重なる。毎日聞いていて、彼らの目的は民主党事務所の近隣住民らに「民主党事務所があるから街宣車が来るんだ、民主党は迷惑だ」と思わせたいんだろうなと感じた。それは主義主張の表明でもなんでもなく単なる嫌がらせ行為だ。
彼らが特定の何か・誰かを批判、と言うかむしろ口撃する際に「--は日本から出て行けー!」という台詞を良く使う。この台詞は街宣でだけでなく、それに影響されているであろう個人などもネット上などでよく使っている。この台詞を聞くたびに自分は、何を根拠に日本という国家をまるで自分達だけのものかのように考えられるのか、と疑問に思う。例えば、海外から入ってきた犯罪者などに対して「日本から出て行け」と言うなら、賛同は出来ないが、まだ理解の余地もある。若しくは他国の勢力と結託し明らかに我が国に不利益を与えようとした者へなら、本来は国外追放なんて処理ではなく国内で罰を与えるべきだろうから絶対にそう思いたくはないが、一万歩くらい譲れば仕方がないかもとも少しは思えるかもしれない。しかし彼らの口撃対象は明らかに日本国籍を有する、ただ彼らと主義主張が異なるだけの人々だ。当然自分にも快く思えない主張をする、嫌悪の対象となる人はいる。でも出て行けなんて全く思わない。トランプ大統領や失言で辞任した大臣などが、気に入らない(彼らからしたら侮辱されたと思ったかもしれない)質問をした記者を会見から締め出そうとするケースがあったが、彼らの行為も街宣車の「日本から出て行けー!」とあまり変わらないようにも思える。
少なくとも日本国籍を持つ人に、日本から出て行けなんて言う事は言葉の暴力以外の何ものでもないし、外国籍の人だって犯罪や不法入国・不法滞在をしていないのなら、一方的に出て行けなんて言っていいわけがない。そんなに出て行って欲しい人がいるなら逆に自らが日本を出て、自分達が思うような新しい国をどこかで作ればいい。かなり険しい道だろうが彼らには強い信念があるようなので、いつか実現できるんじゃないだろうか。