スキップしてメイン コンテンツに移動
 

テレビ!メディア!弾幕薄いぞ!

 機動戦士ガンダムはロボットアニメの金字塔である。欧米ではマジンガーZなどの方が人気があるそうだが、日本では明らかにガンダムがそのトップに君臨している。1979年に放送された最初のテレビアニメシリーズは、初回放送時は人気がなく、全52話の予定が全43話に短縮され打ち切りとなったそうだが、皮肉なことに打ち切り決定後に人気が出始めた。


 そして早々に再放送が決まり、再放送、そして劇場版の頃には確固たる地位を気付いていた。再放送どころか再々放送され、そしてその後も、どの続編シリーズよりも放送されている。既に初回放送から40年が経っている最近も、独立系地方局やネット配信などで擦られ続けている。
 それだけ何度も放送・配信されるほどの人気を誇るアニメなので、名台詞とされるものが沢山ある。今日のトップ画像に用いたのは、主人公たちの宇宙戦艦の艦長・ブライト ノアの有名なセリフだ。検索すると「弾幕薄いぞ、何やってんの!」というセリフがあるかのように書かれているが、実際にはアニメでは、何やってんの! とは言っていないそうである。ちなみに、スタンバる、もブライトが最初に使った(ガンダムにおける台詞が最初だった)と言われているが、Wikipediaによれば、それ以前に既に使用された例があったそうだ。

日本語化しており、動詞として「スタンバる」(動詞化)、「スタンバっておけ」(アニメ『機動戦士ガンダム』で使われ始めたと言われていたが、それ以前の1974年9月21日放送の刑事コロンボ第24話白鳥の歌の中ですでに使われていた。)


 なぜ今日の投稿のトップ画像に「弾幕薄いぞ!」を選んだのかと言えば、今、日本のメディアがオリンピック賛美一色になっている状況が、日本におけるこれまでの最悪に迫る感染拡大、それを招いた政府の無策、組織委/JOC/IOC/都などが「安心安全」と連呼して開催を強行したことの不備を隠すための目くらましになっている感がとても強いからだ。
 検査数はピークよりも少ない状況なのに、東京都の新規感染者数は2000人に達する勢いだ。これまでで最悪だった今年の年明けに迫る勢いで、病床の余裕もなくかなり深刻が状況だ。都だけでなく隣県も似た状況である。首相の菅は、欧米に比べれば感染者は少ない、高齢者の重症者数は少ないので五輪開催は問題ないと言い張っているが、なぜそうやって自分達に都合のいい数字ばかり強調するのか。そもそも検査数が他国に比べて桁違いに少ないし、また50代以下の重症者は増えているし、そもそも重症化しなければ問題ないということでもなければ、重症者や死者が少なければ問題ないということでもない。苦しむ人がいることに変わりはないのだ。よくもまあそんな人でなしな話を、首相という立場でいけしゃあしゃあとできるものだ。

 また、一部の人達が「もう始まったんだから文句を言うな」とか「選手でもないし無観客なんだから、関係ない奴が口出すな」のようなことを言い始めている。概ね批判を文句や罵りと言い換える印象操作をやっているし、オリンピックに関係ない奴というレッテル貼りもしてくる。オリンピックには多額の税金が投入されている。だからオリンピックに無関係な日本在住者なんて存在しない。そして、感染拡大への著しい懸念があり、自分や家族の健康や生命が危険に晒されかねない、という意味でも、関係ない日本在住者など誰もいない。いや、五輪の為に来日した選手や関係者が感染した後帰国すれば、ウイルスを日本から持ち帰ることだってあり得るので、関係ない人など世界に誰もいないのだ。
 そして、もし全くの無関係な人がいたとして、関係ない人が声を上げなければ、弱者や少数派は救われない。自分はユダヤ人じゃないからユダヤ人が迫害されても関係ない、黒人じゃないから黒人が警察官に殺されても関係ない? そんなことを言っていると、いざ自分が迫害や差別の標的にされた時に、誰にも助けてもらえなくなる。日本でだって、自分がいじめられていなくても、いじめを傍観してはならない、つまり無関係を装ってはならない、と教えている。だが、一部の大人たちは、大人になってもそれが分からない。

 自分が直接見たわけではないが、テレビのニュース番組のアナウンサーや、ワイドショーに出演するタレントなどまでがそんなことを言っているそうだ。テレビはもう本当に付ける薬がない状態で、テレビの番組表を見るだけでイライラしてくるほど、オリンピックに染まっている。ハッキリ言って今伝えるべきは、深刻な感染拡大とその抑制のための情報のはずなのに、それを軽視して、拡大の原因にもなっているオリンピックによくもそんなに傾倒できるものだ。
 有権者もかなりおかしい状態で、首相や関係者が論理性に欠ける話、安心安全という嘘で強行を擁護しているにも関わらず、開会式の日に自衛隊が曲芸飛行をすれば、感染拡大を忘れて密集するような状況をつくり、開会式の頃にも競技場周辺には人だかりができる。また公道での自転車ロードレースでは、箱根駅伝同様に人垣ができている様子が報じられていた。
 ただ、それらも五輪を開催しなければできなかった密集だった。政府や都は密集するなと飲食店などに自粛を強いているのに、なぜそんなことが出来るのか

 テレビや新聞のオリンピック賛美が確実に感染拡大や、政府や五輪関係者らの杜撰な対応の目くらましになっている。ハッキリ言って最早カルト宗教みたいな状態だ。


 トップ画像は、実際のガンダムのカットではなくいくつかの画像から作ったコラージュだ。そのコラージュを更に弄ってこんなものをつくってみた。首相や官邸が犬笛を吹いて、メディアに目くらましをやらせているんだろう


このブログの人気の投稿

話が違うじゃないか

 西麻布に Space Lab Yellow というナイトクラブがあった。 一昨日の投稿 でも触れたように、日本のダンスミュージックシーン、特にテクノやハウス界隈では、間違いなく最も重要なクラブの一つである。自分が初めて遊びに行ったクラブもこのイエローで、多分六本木/西麻布界隈に足を踏み入れたのもそれが初めてだったと思う。

マンガの中より酷い現実

 ヤングマガジンは、世界的にも人気が高く、2000年代以降確立したドリフト文化の形成に大きく寄与した頭文字Dや、湾岸ミッドナイト、シャコタンブギなど、自動車をテーマにしたマンガを多く輩出してきた。2017年からは、頭文字Dの続編とも言うべき作品・MFゴーストを連載している( MFゴースト - Wikipedia )。

読書と朗読を聞くことの違い

 「 本の内容を音声で聞かせてくれる「オーディオブック」は読書の代わりになり得るのか? 」という記事をGigazineが掲載した。Time(アメリカ版)の記事を翻訳・要約した記事で、ペンシルベニア・ブルームスバーグ大学のベス ロゴウスキさんの研究と、バージニア大学のダニエル ウィリンガムさんの研究に関する話である。記事の冒頭でも説明されているようにアメリカでは車移動が多く、運転中に本を読むことは出来ないので、書籍を朗読した音声・オーディオブックを利用する人が多くいる。これがこの話の前提になっているようだ。  記事ではそれらの研究を前提に、いくつかの側面からオーディオブックと読書の違いについて検証しているが、「 仕事や勉強のためではなく「単なる娯楽」としてオーディオブックを利用するのであれば、単に物語を楽しむだけであれば、 」という条件付きながら、「 オーディオブックと読書の間にはわずかな違いしかない 」としている。

あんたは市長になるよ

 うんざりすることがあまりにも多い時、面白い映画は気分転換のよいきっかけになる。先週はあまりにもがっかりさせられることばかりだったので、昨日は事前に食料を買い込んで家に籠って映画に浸ることにした。マンガを全巻一気読みするように バックトゥザフューチャー3作を続けて鑑賞 した。

敵より怖いバカな大将多くして船山を上る

 1912年に氷山に衝突して沈没したタイタニックはとても有名だ。これに因んだ映画だけでもかなり多くの本数が製作されている。ドキュメンタリー番組でもしばしば取り上げられる。中でも有名なのは、やはり1997年に公開された、ジェームズ キャメロン監督・レオナルド ディカプリオ主演の映画だろう。