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「読売新聞を読め」は大きなショックだったのか


 7/15に朝日新聞が報じた自民党・石破氏の発言録によると、

「読売新聞を読め」っていうのは、国民にはかなりショックだったと思う。あの時から、「私にちゃんと説明してくれているのか」という不安のようなものが国民に芽生えたのではないか。

という分析をしたようだ。個人的には安倍政権への不信感は特定秘密保護法の制定の頃に生まれ、安全保障関連法制で彼らの”丁寧な説明”という言葉が信用に値しないのではないかという懸念を感じ、南スーダンの日報の有無の説明や公開についての不適切な経緯、公開しても尚、戦闘という表記に関するおかしな説明で、その懸念がほぼ確信に変わり、共謀罪についての議論、森友・加計問題での決して真摯とは言えない対応でそれを再確認させられたと思っている。なので「読売新聞を読め」という発言が石破氏の言うような決定打だったという認識はない。あの発言の頃には既に信頼感なんてものは微塵も無かった。


 勿論積極的な自民支持者以外でという条件は必要だろうが、恐らく政治にある程度の興味を持って接している人は、程度の差はあるかもしれないが、自分と同じように「読売新聞を読め」発言が不信の引き金になるような事案だったとは感じないと思う。しかし、政治にあまり興味を持たずに芸能・スポーツニュースなどと同じように接している人達の中には、あの発言が不信の引き金となったと感じる人もいるかもしれない。しかしそれでもあの発言が適切ではないことは間違いないだろうが、それだけで不信を一気に招くようなインパクトのある発言とは考え難く、背景に自分が感じていたような違和感の積み重ねが無ければ不信の引き金とまではならなかっただろう。

 石破氏も流石にあの発言だけで国民の不信感が急に高まったとは思っていないだろうが、どの程度の感覚なのかは分からないが、記者団から内閣支持率下落の要因を問われてそのような発言をしているということは、「読売新聞を読め」発言にそれなりの重要度を、自分よりは確実に感じているだろう。
 石破氏は都議選の大敗について適切な総括や反省・分析をしなければならないと強調し、党の首脳らを牽制するような姿勢を示している。そんなことは石破氏が言うまでもなく当然のことだと思う人もいるだろうが、注目するべきはそこではなく、そのことについて石破氏は「自民党の政策が支持を得られなくなったのか、そうではなく横柄な振る舞いで支持が落ちているのか考えるべき」という旨の主張をしており、個人的には彼は後者が支持下落の主たる原因だと考えているように見える。彼は共謀罪に関して議論の進め方などに関しては苦言を呈しつつも、その内容については肯定的な姿勢を示していることなども、彼がそう考えていると思わせる。

 そのようなことを考慮して冒頭の石破氏の主張を考えると、安倍政権からある程度の距離をとり、自民党内では最も政権に対して批判的な発言をしている石破氏だが、彼も適切な状況把握ができていないように感じる。当然これは自分の個人的な見解なので、そうでもないという見解もあるだろうが、もし将来的に自民党内で安倍首相の勢力が縮小し、石破氏が台頭して政権を担う立場になったとしても、安倍政権よりはマシかもしれないが、個人的には状況は安倍政権と大して変わらないのではないかと思えてしまう。野党に所謂受け皿になる勢力が無い状況では、自民党内の非安倍支持勢力に何とかして貰うのが現実的な方向性だと思うが、自民党内で非安倍支持姿勢を最も鮮明にしている人物もあまり期待できないように見えてしまい、八方塞感を強く感じる。

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