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めくら、外人


 ソフトバンクの孫正義会長が7/20の講演会で視覚障害者のことを指して「めくらの人」と表現し、その後撤回・謝罪したと、朝日新聞などが報じた。確かに一般的に差別的なイメージを感じさせる用語とされていることは間違いないから、公の発言でわざわざ使うべきではないだろう。
 ”めくら”というのが差別用語だという事は、自分も子供の頃に親などに教えられたので認識している。確かに自分が子供の頃にはめくらという表現を、差別の意識があったのか無かったかは子供だった自分には分からないが、使う人が少なからずいた。だが、差別用語だという認識が社会に広く広まった為かこの20年ぐらいは殆ど耳にすることがない言葉になっている。自分にとっては物心ついた頃にはあからさまに障害者を見下してめくらと言う人が周囲にいなかったし、それ以降目にしたり耳にしたりすることさえ殆どなかった言葉なので、実際のところ個人的には、めくらという言葉は前後の文脈と関係なくその単語だけで差別的だと感じられるような言葉という認識は薄い。

 
 ネイティブな日本語話者の殆どは、外国人と外人という表現に差を感じないだろう。実際自分もそうだし、二つの表現を明確に区別して使っているという意識は無い。しかし、外国人、特に韓国・朝鮮・中国にルーツを持つ人たちには、外人と表現されることに差別されていると感じる人もいる。恐らく外人=外側の人、部外者扱いというイメージや、外人の音が害人と同じことなどが差別的表現に感じられる理由だろう。実際に害人なんて当て字で揶揄する差別的な感覚を持つ日本人もいないわけではない。そのような認識に配慮して、メディアなどは外人という表現を極力使わないようにしている。確かにある言葉について差別的だと感じる人が少なからずいる場合には、それなりの配慮が必要になるとは思う。しかし彼らに知っておいて欲しいのは、大多数の外人という表現を使う日本人には差別的な意識は全くないということだ。
 
 言葉は生き物だという表現があるが、確かにその通りだと思う。時代と共に意味合いが変わる言葉もある。微妙にニュアンスが変わる程度なら数え切れない程だと思う。視覚障害を持つ人々がどのように感じているかは調査しないと分からないが、現代人の多くは、めくらと言う表現が差別的に使われていた時期を実際に体験していない人だろう。めくらという表現は差別的な表現だと教えられたからそうなのだと認識している人のほうが多いと思う。確かにめくらという表現から完全に差別的なイメージが消え去るにはまだまだ時間が必要なのかもしれないが、数十年前の認識とは違うことは間違いないだろうと想像させられる記事だった。

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