スキップしてメイン コンテンツに移動
 

森友問題・籠池氏の取り上げ方について


 6月の家宅捜索、そして7/27に森友学園問題に関連して籠池夫妻への任意での事情聴取が行われてからは更に、各メディアが籠池夫妻や捜査機関の動向に関することを取り扱う量が増えている。7/31には2度目の事情聴取が行われ、捜査を行っている大阪地検特捜部は夫妻の逮捕に踏み切った。メディア、特にテレビで大きく取り沙汰されているのは、一部には国有地払い下げ価格について、財務省が便宜を図った恐れがあるという報道もあるが、籠池夫妻の聴取前後の日常や、彼らが逮捕された容疑・補助金の不正受給がその大部分を占めている。当然それも重大な事案であり、森友学園問題に関する事実として報道するべきことであることは間違いない。しかし現時点でそればかりを強調することは、森友学園問題で最も重要な国有地払い下げがなぜ不自然な検討・決定方法で進められたのか、不自然な値引きが行われることになったのかという話から目を逸らせようとしているようにも見える。実際は意図していないとしてもそのような影響を生じさせかねないのではないだろうか。

 
 自分は森友学園問題は新設予定だった小学校の名誉校長だった安倍首相夫人・昭恵氏の立場を利用して、籠池氏らが不当な要求を財務省(近畿財務局)・大阪市などに行い、どの程度かは分からないが昭恵氏やそれらの役所がそれを分かった上で便宜を図ったのではないか、と考えている。自分はというか、細かい部分、例えば立場を利用されたのは昭恵氏だけでなく安倍首相も同様だとか、首相も立場を利用されただけでなく積極的に関与したのではないかなど、人によって見解は少しずつ異なるだろうが、多くの人がそのように感じたからあれだけ大きな波紋を呼んだのだろう。当然中には籠池氏が全てを主導し、役所や首相夫妻は巻き添えをくっただけであると考える人もいるだろう。だが、この件に関する国会での審議の中で財務官僚は、森友学園に国有地を払い下げる為の交渉記録は残っていないなどという答弁をしており、国民目線で見ればそれもまた不自然な話で、たとえ籠池氏が補助金の不正受給を意図的に行っていたとしても、籠池氏だけに他の全ての罪も被せてそれで幕引きとされたのでは決して納得出来るような話ではない。
 
 メディア、特にテレビは、ワイドショーだけでなく所謂芸能分野などを殆ど取り扱わないニュース番組も、籠池氏の強いキャラクターの所為か、国会での審議の中心が共謀罪問題や加計学園問題に移行した頃から、森友学園問題の本質である国有地問題に関してではなく、彼の動向などワイドショー的な報道の仕方するようになっていった。その流れがあったので森友学園問題の本質とはやや離れた事案で籠池氏が逮捕されても、急にトーンを下げるわけにもいかず、大々的にこれについて取り上げているのではないか。籠池氏にはそれなりの注目度もあるし、彼が犯した疑いのある補助金の不正受給も重大な事案であるのは事実だろうから、百歩譲ってそれはそれでおかしなことでもないという見解も理解出来るが、ならば国有地払い下げ問題に関してもまだ問題が解決していないことも、注釈しておくべきではないだろうか。それをしなければ、一部からテレビ各局は森友学園問題の本質から目を逸らそうという意図を持っているのではないか、政府の思いを悪い意味で忖度しているのではないかと疑われても仕方がないと思える。もしかしたら大阪地検特捜部は既に財務局に対しても水面下で捜査を進めており、それを邪魔しない為の配慮ということなのかもしれないが、それならそれで籠池氏の逮捕や補助金の不正受給疑惑についてももう少しトーンを下げるべきだと思う。それが出来ないような状況に陥ってるのは、これまで野次馬根性的に籠池氏の動向をある意味面白おかしく取り上げすぎたことがその発端で、メディア、特にテレビはもう少し後先考えて報道を行うべきなのではないだろうか。

このブログの人気の投稿

話が違うじゃないか

 西麻布に Space Lab Yellow というナイトクラブがあった。 一昨日の投稿 でも触れたように、日本のダンスミュージックシーン、特にテクノやハウス界隈では、間違いなく最も重要なクラブの一つである。自分が初めて遊びに行ったクラブもこのイエローで、多分六本木/西麻布界隈に足を踏み入れたのもそれが初めてだったと思う。

マンガの中より酷い現実

 ヤングマガジンは、世界的にも人気が高く、2000年代以降確立したドリフト文化の形成に大きく寄与した頭文字Dや、湾岸ミッドナイト、シャコタンブギなど、自動車をテーマにしたマンガを多く輩出してきた。2017年からは、頭文字Dの続編とも言うべき作品・MFゴーストを連載している( MFゴースト - Wikipedia )。

読書と朗読を聞くことの違い

 「 本の内容を音声で聞かせてくれる「オーディオブック」は読書の代わりになり得るのか? 」という記事をGigazineが掲載した。Time(アメリカ版)の記事を翻訳・要約した記事で、ペンシルベニア・ブルームスバーグ大学のベス ロゴウスキさんの研究と、バージニア大学のダニエル ウィリンガムさんの研究に関する話である。記事の冒頭でも説明されているようにアメリカでは車移動が多く、運転中に本を読むことは出来ないので、書籍を朗読した音声・オーディオブックを利用する人が多くいる。これがこの話の前提になっているようだ。  記事ではそれらの研究を前提に、いくつかの側面からオーディオブックと読書の違いについて検証しているが、「 仕事や勉強のためではなく「単なる娯楽」としてオーディオブックを利用するのであれば、単に物語を楽しむだけであれば、 」という条件付きながら、「 オーディオブックと読書の間にはわずかな違いしかない 」としている。

あんたは市長になるよ

 うんざりすることがあまりにも多い時、面白い映画は気分転換のよいきっかけになる。先週はあまりにもがっかりさせられることばかりだったので、昨日は事前に食料を買い込んで家に籠って映画に浸ることにした。マンガを全巻一気読みするように バックトゥザフューチャー3作を続けて鑑賞 した。

敵より怖いバカな大将多くして船山を上る

 1912年に氷山に衝突して沈没したタイタニックはとても有名だ。これに因んだ映画だけでもかなり多くの本数が製作されている。ドキュメンタリー番組でもしばしば取り上げられる。中でも有名なのは、やはり1997年に公開された、ジェームズ キャメロン監督・レオナルド ディカプリオ主演の映画だろう。