スキップしてメイン コンテンツに移動
 

熱中症対策・鈍感な人には「激しい運動」では伝わらない


 「めっちゃ暑いけど、冷えすぎるのはNGって人!サーキュレーターがオススメです」(BuzzFeed Japan)という記事が7/31に掲載されていたが、その頃にはもう、最高気温が35度を超える猛暑日になる予想の日に出される高温注意報が連日発表されるような状況(東京の過去の天気 2019年7月 - goo天気)で、冷えすぎよりも寧ろクーラーが充分に効かない心配のほうが大きかった。
 大きな商業ビルやオフィスなど、確かにクーラーが効きすぎだと思う場所もあるが、当該記事は概ね個人宅を想定した内容になっており、このバカみたいな暑さの中で「冷えすぎ」で困っている人はどの程度いるのか(誰もいないんじゃないか)?と感じた。但しそう感じるのは、自分がクーラーのない部屋に住んでおり、扇風機を付けても熱風が運ばれるだけでウンザリしている所為もあるだろう。
 因みに、当該記事の最後には「※記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がBuzzFeedに還元されることがあります。」とある。つまりタイアップ、若しくはアフィリエイト目的の側面のある記事だ。変にサーキュレーター推しな理由はその辺にもありそうだ。


 朝日新聞は「梅雨寒、20日ごろまで 気象庁「冷夏の可能性も」」という記事を7/10に掲載していた。確かに今年の梅雨の肌寒さは例年以上だったように思う(東京の過去の天気 2019年6月 - goo天気)。しかし梅雨が明けてみれば(気象庁|令和元年の梅雨入りと梅雨明け(速報値))結局、というか梅雨明け発表は後追いなのでその数日前から、連日の高温注意報である。夜も気温が下がらず、扇風機を直接身体に向けても暑さで眠れない日も多い。
 最早日中は「暑さ」でなく「熱さ」だ。 結局今年の夏もそんな気象状況で、熱中症になってしまう危険性はこの数年同様に高いと言える。BuzzFeed Japanは8/3に「全国に「高温注意情報」。熱中症にならないために、やるべきこと・やってはいけないこと」という、熱中症対策に関する記事を掲載した。記事では、環境省が指摘している熱中症を引き起こす原因が3つ紹介されおり、その中の1つ・行動の項には「激しい運動」がある。


  自分はこの記事を読んで次のように感じた。
 「激しい運動」だけではなく「甲子園・オリンピック」と具体的に書かないと、鈍感な人達には理解できない
 当該記事にも環境省にも、忖度せずに具体的な指摘を是非して欲しい。


 この記事から、昨年の夏・8/6に書いた投稿「消された「日中の運動は控える」という注意喚起」も思い出した。掻い摘んで箇条書きで説明すると、
  • NHKは高温注意報が発表された日に画面に啓蒙を表示していた(今年もしている)
  • 昨年、当初は啓蒙の中に「熱中症対策:日中の運動は控える」があった
  • 甲子園が始まった8/6以降、当該部分が「熱中症対策:涼しい服装で日傘や防止の使用」に差し替えられた
という話である。当時の投稿にはスクリーンショットやキャプチャームービーも引用して掲載してある。
 この投稿の件は、自分が感じている昨今のNHKに対する不信感の理由の一つであり、だから鮮明に記憶していた。そんなわけで、今年はどのように啓蒙表示をするのか、も気になっていた。次のムービーは2019年8/3にNHKが放送した高温注意報/熱中症対策の啓蒙で、その次の画像は、当該部分のスクリーンショットと昨年と今年の啓蒙の比較である。



 NHKも流石にバカではないようで、昨年、甲子園開幕前後であからさまに啓蒙の文言を変えたのは不自然だと考えたのだろう。今年は甲子園開幕以前から「日中の運動は控える」という文言を使用していない。用いた映像は8/3のものだが、その数日前から同じ文言が用いらてれいた。恐らく今年は最初の高温注意報発令日から、昨年の甲子園開幕後と同じ内容の啓蒙を使用したのだろう。
 そして、これは決して今年の甲子園だけを勘案した対応ではないだろう。来年の同時期には東京オリンピックが開催される。来夏も昨年・今年同様に連日高温注意報が発令されるかは定かでないが、恐らく大きく気候が変わることはないだろうから、NHKが熱中症対策の啓蒙から「日中の運動は控える」を排除した理由の一つには、来年のオリンピックへの配慮もある筈だ。

 甲子園を中継しながら「日中の運動は控える」とは啓蒙できないのと同様に、オリンピックの各種競技を中継しながら「日中の運動は控える」とは啓蒙できないだろう。今年シーズン頭から「日中の運動は控える」の文言を使わなかった理由はその整合性の為、つまり来年への布石でもあるだろう
 このように、環境省が「激しい運動は熱中症の原因の一つ」と指摘し、昨年は当初NHKもそのように啓蒙していたにもかかわらず、甲子園を中継することとの整合性の為にその啓蒙を止め、更にはオリンピックも見据えて啓蒙をしない、啓蒙内容を変えるような組織なのだとしたら、一体誰がNHKの報道に信憑性を感じるだろうか。そんな放送局に視聴料を払いたくないと思うのは当然ではないのか。だからNHKから国民を守る党とかいう粗暴でいい加減な組織が一定の票を集めてしまうのではないか。


 甲子園・高校野球に関しては、6/27の投稿などでも書いたし、先月また再燃した球数制限の問題(「球数制限」議論が必要な高校野球の危うい未来 | 日本野球の今そこにある危機 | 東洋経済オンライン)などからも分かるように、そもそも高野連が旧態依然の体質であることは否定できず、問題の大元は高野連こそにあると考えるが、全国高等学校野球選手権大会・所謂夏の甲子園大会の主催者である朝日新聞や全国放送をするNHKも、無批判でいれば同罪なのではないか。
 高校野球は教育の一環、が聞いて呆れる



 トップ画像は猛暑/酷暑のイメージで、Gerd AltmannによるPixabayからの画像を使用した。

このブログの人気の投稿

話が違うじゃないか

 西麻布に Space Lab Yellow というナイトクラブがあった。 一昨日の投稿 でも触れたように、日本のダンスミュージックシーン、特にテクノやハウス界隈では、間違いなく最も重要なクラブの一つである。自分が初めて遊びに行ったクラブもこのイエローで、多分六本木/西麻布界隈に足を踏み入れたのもそれが初めてだったと思う。

マンガの中より酷い現実

 ヤングマガジンは、世界的にも人気が高く、2000年代以降確立したドリフト文化の形成に大きく寄与した頭文字Dや、湾岸ミッドナイト、シャコタンブギなど、自動車をテーマにしたマンガを多く輩出してきた。2017年からは、頭文字Dの続編とも言うべき作品・MFゴーストを連載している( MFゴースト - Wikipedia )。

読書と朗読を聞くことの違い

 「 本の内容を音声で聞かせてくれる「オーディオブック」は読書の代わりになり得るのか? 」という記事をGigazineが掲載した。Time(アメリカ版)の記事を翻訳・要約した記事で、ペンシルベニア・ブルームスバーグ大学のベス ロゴウスキさんの研究と、バージニア大学のダニエル ウィリンガムさんの研究に関する話である。記事の冒頭でも説明されているようにアメリカでは車移動が多く、運転中に本を読むことは出来ないので、書籍を朗読した音声・オーディオブックを利用する人が多くいる。これがこの話の前提になっているようだ。  記事ではそれらの研究を前提に、いくつかの側面からオーディオブックと読書の違いについて検証しているが、「 仕事や勉強のためではなく「単なる娯楽」としてオーディオブックを利用するのであれば、単に物語を楽しむだけであれば、 」という条件付きながら、「 オーディオブックと読書の間にはわずかな違いしかない 」としている。

あんたは市長になるよ

 うんざりすることがあまりにも多い時、面白い映画は気分転換のよいきっかけになる。先週はあまりにもがっかりさせられることばかりだったので、昨日は事前に食料を買い込んで家に籠って映画に浸ることにした。マンガを全巻一気読みするように バックトゥザフューチャー3作を続けて鑑賞 した。

敵より怖いバカな大将多くして船山を上る

 1912年に氷山に衝突して沈没したタイタニックはとても有名だ。これに因んだ映画だけでもかなり多くの本数が製作されている。ドキュメンタリー番組でもしばしば取り上げられる。中でも有名なのは、やはり1997年に公開された、ジェームズ キャメロン監督・レオナルド ディカプリオ主演の映画だろう。