今日・8/3は先月から予定されていたように、安倍政権が内閣改造を行い新たな体制を発表するようだ(この投稿を書いているのは発表前)。まず特に今年に入ってから続いていた一部の大臣の資質があるとは到底思えない人々が職を退き、不適な人が国の要職を務めるという状況が改善される可能性が生まれることは歓迎したい。実際に人事の刷新によって状況が改善されるかどうかは様子を見ないと分からないが、何も対策がされないよりは確実にマシだ。しかし一方で内閣の人事を刷新するという事は、単純な人事移動という捉え方も出来なくはないが、前述のようにこれまでの人選が不適切だったこと示唆しているように思う。先日内閣改造前に辞任した、というか辞任に追い込まれたと言うべきかは分からないが、稲田氏程ではないにしろ、共謀罪に関する質疑が不安定すぎた金田法務大臣や、それぞれの発言は辞任レベルではないかもしれないが複数の失言を続けた山本地方創生大臣などについては、確実に資質に欠けているから今回の内閣改造で留任とならない(ことが予定されている)としか思えない。
そのような観点で内閣改造を捉えれば、内閣改造とは単なるこれまでの大小不祥事隠し、隠すは言い過ぎだとしても、そこから注目を逸らせようという意図が強いように感じられる。彼らが”反省”とか”真摯な受け止め”なんて言葉を述べても、具体的にそれを感じさせるような言動が伴わないことばかりなので期待できないとは感じているが、政府与党がそうではないと言うのなら、振舞いに問題があり職を解かれるような人々を大臣に据えていたことについて過ちを認めるべきだ。特に稲田氏については、彼女の責任で行った特別防衛監察に関する閉会中審査に彼女を出席させることを自民党は拒否している。しかもその理由は「辞任という最も重い責任の取り方をしたのに、大臣を辞めた者を国会に呼ぶべきではない」なんて到底理解し難い理由だ。彼女が議員辞職もしたというなら百歩譲れば理解も出来るが、なぜ国会議員を国会に呼ぶことが出来ないのだろうか。それでは疑惑隠しだと言われるのも仕方がない。政府は今回の内閣改造で職から退く人々の中にも明らかに資質に欠ける人物がいたことを認めるべきだろう。それをするのであれば、安倍首相の「反省するべきは反省する、至らない点があったことを認める」というような発言にそれなりの信憑性を感じられるかもしれない。
また、昨夜各テレビ局は内閣改造人事の内定が判明する度にニュース速報として、逐一画面に表示していた。これまでの内閣改造でも同じような速報は流されており、今回の内閣改造に限った話ではないが、特に今回は果たしてわざわざ一人ずつ人事が内定する度に速報を流すほど重要なことなのかに強い違和感を感じた。勿論決して注目度の低い情報ではないことは分かるが、自然災害だとか、公共交通機関の麻痺などと並ぶような速報を流す必要性・緊急性の高い情報だとは全く感じられない。毎回これについての違和感を感じる中でも、なぜ今回特に違和感を感じたのかと言えば、今の状況で内閣改造を速報として流すことは、必要以上に内閣改造の注目度の高さを煽っているように見えたからだ。これでは昨日の投稿で書いた件と同様に、内閣改造でこれまでの不祥事から国民の注目を逸らしたいという政権の思惑に、テレビが結果的には、積極的に協力しているように見えてしまう。ワイドショーなどが人事予想などを取り扱うことはそれなりに注目度の高い事案であり取り扱い方の問題や個人の感覚で判断に差はあるかもしれないが、中には問題が解決していない森友・加計・南スーダン日報問題に関連する大臣が軒並み交代させられるという事に触れ、それに対する懸念を示している番組もあり、自分は好意的に思えないながら概ね容認できる範囲だと思う。しかしニュース速報としていちいち一人ずつ内定情報を報じる必要性がある事とまでは思えず、前述のような懸念をテレビ局が持たれてしまいかねないことを、テレビ各局は理解しているだろうか。個人的には内閣改造人事はニュース速報など流さず、ニュース番組でまとめて取り上げればよいという程度の情報という感覚だ。