今年・2017年の3月に福井県で中学2年生の生徒が飛び降り自殺した案件に関して、教育委員会が設置した第三者委員会が、担任らの厳しい指導や叱責が主な原因と結論付けたということを複数のメディアが報じた。これを受けてネット上などでは担任らに対する激しい非難が起きているように自分には見える。ハフポストが朝日新聞の報道を引用する形で掲載している経緯を見ると、担任や学校側にも何かしらの問題があることには違いないと自分も思うものの、現時点では、彼らだけを一方的に非難するような風潮にはやや疑問を感じる。経緯を見れば担任らは全くの言い掛かり的な理由で厳しい指導をしていたわけでは無い様で、少なからず生徒側の落ち度もあるようだし、個人的には親がどのような接し方をしていたかにも、もしかしたら何かしらの問題点があるのかもしれないとも思う。
まず大前提として学校側や担任に全く何も責任がないとは思わない。紹介した記事や他の報道などの情報だけでは、彼らがどの程度の指導や叱責を行ったのかは定かでないが、かなり激しく怒鳴ったり、土下座させたりという行為があったのは事実だろうし、それに登校拒否という形で拒否反応を示した1人の中学生が自殺してしまったことを考えれば、行き過ぎた指導だったと言わざるを得ない。
しかしネット上で大半を占める、担任の行為や学校の対応は言語道断、一方的に10:0で責任を追及したがるような見解には全く賛同することが出来ない。生徒に忘れ物や課題の未提出などがあったのは事実のようで、どのくらいの頻度だったのかはこちらも定かでないし、それに対する指導の程度が適切だったかについては問題があったかもしれないが、生徒にも何かしらの落ち度があったように自分には思える。確かに忘れ物1つで激しく叱責されたのではたまらないだろうが、大した忘れ物でなくとも、もし頻繁に繰り返されていたのだとしたらそんな指導がなされることに繋がってしまうことも仕方がないとも思える。
ハフポストの記事によると、生徒が学校に行くのを嫌がるようになったため家族が担任らと話し合うなどしたが、その後も指導方法は変わらなかったそうだが、現時点では保護者らの見解を報じた記事を自分は見つけられていない。もしかしたら保護者が担任らの指導方法に強い懸念を学校側に示したにもかかわらず、対応が変わらなかったのかもしれないし、もしかしたら保護者がそのような懸念を強く示さなかったから学校の対応が変わらなかったのかもしれない。そして登校拒否に至る前に課題の未提出や忘れ物などについて親がどのような対応をしていたのかも不明だ。あくまでも現在の報道からの推測でしかないが、親はあまり生徒に干渉しないタイプの放任主義だった可能性もあるのではないかと想像してしまう。
生徒は自殺の1週間前に「僕だけ強く怒られる、どうしたらいいのか分からない」と吐露していたそうで、彼がそう感じていたことや、それまでの経緯を考えれば、担任らの指導は望ましくない結果を招いたのだから、適切な指導だったとは言えないのは間違いないだろう。ただ、何度も言うように個人的には、こんな結果を生んでしまった理由は他にもいくつかあるように思える為、彼らだけに責任転嫁するような風潮は、まるでスケープゴートを作ることでの一件落着を願っているようで、それもそれで危険な考え方のように思う。当事者らが感情的なってしまうのはある程度は仕方がないが、外野が感情的になってもいい影響は何もないと考える。現状報道されている情報だけで一方的な判断を下すのは時期尚早ではないだろうか。