昨日・10/22は衆院選の投票日だった。夜8時頃からはテレビ各局が選挙特番を放送、一斉に出口調査の結果が報じられた。内容は1週間前の調査と殆ど変わらないような、しいて言えば僅差で希望と立憲が逆転するかどうかぐらいの違いはあったが、順当な結果だった。要するに日本ではイギリスで起きたような番狂わせは起きず、選挙戦では紆余曲折あったものの、当初の首相の目論見通り与党勢が大勝を収め勢力を維持した格好だ。
自分は安倍首相にかなり大きな不信感を抱いている為、このような結果を好ましいとは全く思っていないが、今回の野党の混乱ぶりを見ていると、そんな勢力に今後の政治を任せられないと思う人の判断を確実に間違っているとも言えないと思えてしまう。小池都知事の希望の党代表就任やその後の彼女の振舞い、全くポリシーが感じられなかった民進党代表前原氏の対応と、それに迎合し希望の党へ合流した元民進党の人々。前原氏は「名を捨てて実を取る」などと言っていたが、結局名も実も捨ててしまったのではないだろうか。個人的には小池氏も前原氏も失敗したように見せかけて、実は自民党をアシストする為に動いていたんじゃないかとさえ思える。
こう書いていると、前原氏が民進党を維持して戦っていれば結果は違ったと私が思っていると感じる人もいるかもしれないが、こんな判断を下してしまうような前原氏を代表に選んだのは他でもない民進党員らだし、そんな人々の集まりではどちらにせよ選挙でよい成績を収めるなんてことは出来なかっただろうと思っている。寧ろ、意見の幅が広すぎてどうにもこうにもまとまりに欠けていた民進党が崩壊するべくして崩壊し、主に立憲民主と希望の党に割れたことで、言葉は悪いが民進党の膿のようなものが明確になったことは、今回の選挙の唯一の成果かもしれないとすら思う。
今回の選挙で多くの国民が自民へ投票し、彼らが勢力を維持する結果となったのだから、彼らがこれまでの路線を踏襲することはある程度は当然のことだろう。だが、一体彼らに票を投じた人のうちどれだけが、彼らの政策・姿勢を全面的に好意的だと感じているのだろうか。選挙前の調査では、多くの人が投票の決め手になる要素は経済だとしているという結果が示されており、政権に対して、少なからず10年前より改善した景気への評価がされていることは間違いない。しかしそれ以外の政策についてはどうなのだろうか。選挙前の政権の支持率は調査によって多少の差は有るものの、支持・不支持はほぼ拮抗していたし、臨時国会で確実に触れられるはずだった森友・加計問題についてだって、総理らが言うように「充分な説明がなされた」と感じる人が大半を占めているとは決して思えない。
選挙は終わり自民党ら与党の勝利・勢力維持という結果は出たが、自分には野党の自滅の結果の勝利のように思えるし、選挙に勝ったからこれまでの問題は全てチャラということではないので、今後安倍政権・安倍自民党らがどのような政策を進めるのか、これまでの問題についてどのような対応をしていくのかについてはこれまで通り注目し、場合によっては批判しなければならないことに変わりはない。