選挙も終わり、最悪なタイミングで日本列島を直撃した台風もようやく一段落したが、昨日も今日もまだまだどのメディアも政治・選挙結果がらみの話で持ちきりだ。ただ、今回の台風はかなり大きな被害を及ぼしたにも関らず、タイミング悪く?選挙の夜に直撃してしまったので、その被害についての報道はそれ程多くなく、一部では人的被害などの懸念があったのだから、選挙より台風に関する報道を優先するべきだったという、主に投票終了後に選挙特番を各局が報道したテレビに対する批判も起きた。
今回の台風で交通機関にも大きな影響が出たが、東海道新幹線でも運転見合わせがあったようだ。これに関連して朝日新聞は「新幹線内で足止め客に賞味期限切れパン配布 JR東海」という記事を載せている。記事によると運転見合わせの影響で、車内で一夜を過ごすことになった乗客に対してJR東海が駅で備蓄していたパンを配布したようだが、そのパンは賞味期限から約2ヶ月経っていたものだったそうだ。賞味期限切れだったことは乗客の指摘で分かったことのことだ。
確かに配布前に賞味期限を確認し、配布する際に「賞味期限から少し時間が経っています」と一声かけるべきだったのかもしれないが、配布されたのは一般的な菓子パンや調理パンなどではなく、駅に備蓄された非常食だったそうで、2ヶ月程度の賞味期限オーバーで甚大な健康被害が出るとも考え難い。これが賞味期限切れの非常食のパンではなく、”消費期限切れ”の牛乳などなら大問題になる恐れもあるが、賞味期限がどのようなものなのかを説明せずに記事化するのはフェアさに欠けているように自分には思える。
前述のように賞味期限切れについては配布の際に説明がなかったようなので、この件について全く何の問題もないとは言えないと自分も思うが、昨今食品ロスを減らそうという社会的な風潮もあるし、まだまだ消費期限と賞味期限の違いについて正しい理解が広がっているとは言えない状況でもあるので、この手の記事ではそれについて少しでも触れるべきではないだろうか。リンク先の朝日新聞の記事の書き方では、正確とは言えないような印象を抱く読み手が決して少なくないのではないか、と自分は感じる。