神奈川県・大磯町の中学校で給食が大量に食べ残される事態が起こっていることが先月・9/15頃話題になり、自分もその件についての感想をこの投稿で書いた。当時はまだ単に美味しくないことが食べ残されている理由だという話でしかなかったが、その後にわかに異物混入という話が出始めた。個人的にはなぜ異物混入について当初から語られなかったのかについて不自然さを感じる。勿論そのような経緯を辿った理由は定かでなく、いくつかのパターンが想定できる。例えば元々異物混入なんて話もあったのに、最初に記事化したメディアの取材不足、若しくはその要素の軽視で取り上げられず、他のメディアも大した取材をせずにそのまま追従したとも考えられるし、又は自分が当時したような「美味しくないという理由だけで食べ残すというのも問題ではないのか」という批判を受けて、主張を正当化したい誰かが異物混入という理由を後付けしたなんてことがあったかもしれないとも思える。
読売新聞は10/3に「4日前給食に安全ピン、次は画びょう…同じ児童」という記事を掲載した。10/2に富山県のある小学校で5年生のある児童の給食に画びょうが混入していたと発表したのだが、同じ児童の給食から9/28にも安全ピンがみつかっていたそうだ。10/2に画びょうが見つかった際は9/28の安全ピンの件を受けて、担任に加えて5年生3クラスに2人の教員を給食の際に配置していたそうだ。
記事では当該の児童へのいじめに関する報告がなかったという事にも触れており、明確に書かれてはいないが、誰かがいじめやいたずらで異物を混入した恐れを懸念していることが分かる。学校や教育委員会が匂わせた懸念なのか、読売新聞の記者が主体的に示した見立てなのかはわからないが、教員による監視強化という対策を行っていることから少なからず学校側もそのような懸念を持っていることが分かる。
神奈川県の件も富山県のケースもどこで異物が混入したのかや、誰が混入させてしまったのかは全てが明らかになっているわけではない。神奈川県の件に関しては給食を提供していた工場が衛生面での指摘を受けていたという話もあるし、メディアによっては決して少ないとは言えない混入が起きていたとも伝えている。
ハッキリ言って自分には明確に断言できるだけの情報は何もなく、あくまで想像ででしか語ることが出来ないが、神奈川件の場合も全ての異物混入が業者側の責任だとは思えない。鶏が先か卵が先かというような話だが、不味くて、若しくは嫌いな食材を食べたくないと感じた生徒の誰かが髪の毛が入っていたなどと言い出したなんてことも考えられるし、異物の混入が先で給食に対する不信感が高まり「不味くて食えない」という風潮も高まったとも考えられる。もしくはこれらのハイブリッド的な話だって想像できる。いたずらやいじめ目的で生徒の誰かが異物を混入させたとか、給食納入業者に何らかの不満を持つ従業員、若しくは配送業者などが異物を意図的に混入させたことで、他の生徒らの不信が高まったなんてことだったのかもしれない。
8月に群馬県などで起きた、ある惣菜店の商品を食べた客らのO157集団感染で死者が出てしまったことなどを考えれば、衛生管理はとても重要だし決して軽視していいものではない。しかし群馬県の惣菜店についても感染源は特定されておらず、感染源が特定できないということは対策もし難いということだ。要するに問題は根本的には解決されたとは言えない。神奈川や富山の給食への異物混入に関しても混入がいつどこで起こったかに関しては特定されたという報道はない。だがこのようなことが起きると真っ先に槍玉に挙げられるのはいつも食品を提供した者だ。群馬県の件では死者が出たことにより当該の惣菜店は自主的に閉店するに至っている。こちらの件では惣菜店に重大な落ち度があったかどうかは別としても、感染者に惣菜店の商品を食べたという共通点があることから考えれば、そのような結果も仕方がないかもしれないとも思えるが、神奈川や富山の給食の異物混入に関しては、明確な結論が出るまで感情的にならずに慎重に扱うべきだと感じる。再度書くが衛生管理はとても重要だ。そして食べ物に関する話、特に給食などは問題化以降もそのまま提供されている場合も多く、不安を感じる親などが少なくないこともとてもよく理解出来る。しかし過剰な懸念を抱き怪しいというだけで業者を断じようとすることも決して許されるべきではない。
このような給食に関する問題を目にするとこの投稿でも書いたように、給食にもデメリットはあり、弁当のメリットも確実にあると再確認させられる。