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新内閣成立に伴う首相会見の感想


 昨日・11/1、解散総選挙後の特別国会が開かれ正式に政権が新たに発足することになった。8月の閣僚変更時と全く変わらない顔ぶれだったが、一応新内閣発足ということで安倍首相が会見を行っている(TBSによる会見の動画時事通信社による会見の要旨)。会見で首相が述べたことには目新しいことは何もなく、見る価値があるような内容ではなかったというのが個人的な評価だ。今朝・11/2のMXテレビ・モーニングCROSSでもこの会見について触れており、当然編集版ではあったが結構長めに会見の映像を流していた。それに対する視聴者ツイートの中に「MXはこんな中身の無い会見に時間を使うな」という旨の投稿があったが、中身が無いかどうかの判断は人それぞれだし、その判断は全てではなくとも会見を見なくては判断出来ない。
 要するに自分の意見と異なる意見に触れるなというのは確実に適切でない。

 
 しかし、前述したように自分にも、首相の会見は具体性に欠ける話ばかりで、お決まりの”真摯・謙虚・何とか革命・大胆な”などの文言を並べただけで、イメージ重視のパフォーマンスにしか見えず、内容が充実した会見だったとは少しも思えなかった。「アベノミクス3本の矢を放ち続ける」なんて表現には、いつまでアベノミクスなんて自分の名前を自画自賛するような、まるでどこかの独裁政権みたいな表現を使い続けるつもりなんだと感じたし、「3本の矢を放ち続ける」って、3種類の矢を放ち続けるならまだ分かるが、たった3本しかない矢を”放ち続ける”なんてトンチみたいな話だとも感じた。確かに3本の矢云々については揚げ足取りでしかないが、その一方で、もっと具体的な話を彼がしていれば、揚げ足を取ろうというモチベーションより、批判するにしてももっと建設的なことを考えるモチベーションの方が強くなるのかもとも思う。
 
 さらに記者による質疑では北朝鮮への対応についても聞かれ、「圧力を最大限に高め、北朝鮮から対話して欲しいと言ってくる状況をつくる」と答えていたが、自分には圧力一辺倒で北朝鮮側が対話を求めてくるなんて到底思えない。日本には北朝鮮との間に、早急に解決しなければならない拉致問題があるし、彼もそれを認識しているのに、一体圧力だけでどうやってそれを実現しようと考えているのだろう。自分には圧力をかけているだけで、北朝鮮当局が拉致被害者を帰国させるなんて言い始める可能性は限りなくゼロに等しく、場合によっては圧力を理由に拉致被害者をこれまで以上に人質的に扱い、最悪の場合はISのように危害を加えてしまう恐れだってあるように思える。
 圧力強化で対立勢力が自ら屈してくるなら、戦前の日本はアメリカなどの圧力があったのだから真珠湾攻撃を行わなかっただろうし、ナチスドイツだってベルリン陥落まで粘ることは無かっただろう。
 
 今日の投稿で書いたことは、このブログのこれまでのいくつかの投稿と被るものだと自分も思う。しかし首相は消費税の使い道変更で解散総選挙に踏み切ったにもかかわらず、今回の会見では、それについての具体的な話も特になく、一切目新しいことを言っていないのだから、持つべくしてそのような感想を持ったということとも言える。
 政権の支持者層には長期安定政権を望むという声もあるようだが、自分には長期安定ではなく長期マンネリ政権のように思える。長期政権で政策に時間も予算も割いているにもかかわらず、何とか革命、何とか革命と言う割りには、大した社会の変革があるようには感じられない。”道半ば”などという表現もしばしば用いられるが、一体どれだけ長い道を歩もうとしているのだろう。言葉は悪いが「馬鹿の考え休むに似たり」で、実は今も対してスタート地点から進んでいないんじゃないかという懸念も頭をよぎる。それは言い過ぎだとしても、それほど長い道程なのなら、歩き始める前に「目的地は相当遠いですよ」と言っておいてもらわないと、歩かされる側は騙されたと思うこともある。

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