中華航空(台湾)の旅客機内で日本人の乗客が酒に酔って騒ぎを起こし、空港に引き返すという事態になったと、複数のメディアが報じている。自分が最初にこの件を知ったのはハフポストの記事で、それによると3人の日本人客が酒に酔って大声を出すなどしたり、それを注意されるとトイレで喫煙するなどした為、安全性を考慮した機長の判断で、この機が出発した桃園空港へ引き返し、日本人客3人は降ろされることになったそうだ。3人には最高で約19万円相当の過料が科されるらしい。
日本の民度もまだまだ低いという悪評が世界中に広まりかねないような話で、同じ日本人として恥ずかしく思うし、二度とこのような過ちを犯さないように、相応の罰を受けて反省して欲しいと思う。
ハフポストの記事のコメント欄も、この日本人ら3人に対して批判的なコメントが並んでいるのだが、その中には、
死刑にしてくれても良いですね。
死刑にしていいぞ
散々世話になった台湾でみっともない
バカヤロー。我が国国民としての資格なし。死ね。
死刑で問題なし
など、死刑・死ね、などと過激なものも含まれている。旅客機の中で常識外れな行動をすることは批判されるべき行為で、この件は日本人全体のイメージダウンに繋がりかねない事案だ。しかし、どう考えてもそれに対する罰が死刑だ、死ねだなどという判断も確実に不適当で、こんなコメントも、常識はずれな行動を旅客機の中でする人と同様に、「日本人は常識的な判断力がない」と思われてしまうような行為だと自分は思う。
1970年代の漫画「がきデカ」のギャグに「死刑!」というのがあったが、恐らくこれらのコメントを投稿した人たちは、そんな程度の認識で投稿しているのだろう。確かに気心知れた仲間でこの件を話題におしゃべりしているなら、死刑という言葉が冗談であることは、その場の誰もが認識出来るだろうから、何も問題はないと思う。しかし、いじめ対策などで子どもたちに「死ね」なんて気軽に言ってはいけないと教えているような社会情勢でもあるし、多くの人の目に触れる場所への投稿で死刑という言葉を用いるなら、もっと誰もが冗談と分かるように表現するべきだ。逆に言えば、それが出来ないなら死刑・死ねなどという言葉を用いるべきではない。
結局このような投稿をする人というのは、昨日の投稿で触れた、特定の女子生徒を中傷する内容を、生徒を装ってツイッターに投稿していた教員と同様に、SNSやネットの適切な利用に関する認識が足りていない人なのだろう。このような投稿をした人が成人なのか未成年なのかは分からないが、もしこれが成人なのだとしたら、更に子を持つ親だったりしたらと考えると、子どもの間でいじめがなくなるはずはないと思えてしまう。
ネット上が現実より匿名性の高い空間であることに乗じて、行き過ぎた正義感を振りかざし、必要以上に高圧的な態度を示すことで、自分のプライドを充足させよう・維持しようという人がいることは、ある程度は仕方のないことかもしれない。12/9の投稿で触れたように、以前は、このような愚か者は無視していれば、その内居なくなるという見解、所謂スルースキルが重要だという話が支配的だったが、スルーしているだけではネット上の愚か者が減らないことは明白だし、さらには、そのような愚か者が現実社会でも同じような言動に走った結果が、ヘイトスピーチや差別問題に繋がっているのだと感じる。やはり「おかしいものにはおかしい」と指摘することが重要だ。