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国会議員の資質、政党の質


 維新の足立議員がまたしても国会で、暴言と表現しても何ら差し支えないような発言をしたようだ。産経新聞の記事によると、5日の予算委員会・質問で複数の問題とされる発言を行い、委員会終了後に川村委員長から、

足立君。あの、自由闊達に意見をおっしゃることは大いに結構でありますが、公党である他党を誹謗中傷しかねない発言については十分注意していただきたいと思います。

と注意を受けたそうだ。これに対して足立氏は、

注意しますが、事実ですので、よろしくお願いします。

と返答したそうで、要するに反省するつもりは一切ないという事のようだ。”事実”の定義を理解しない者が国会議員を務めていること、予算委員会で質問に立っている事、そんな議員を公認している党があることはとても残念でならない。


 朝日新聞の記事によると、足立氏が”事実”と主張している話の中に、事実とは異なる話が含まれていることは、彼の所属政党・日本維新の会の馬場幹事長も認めているようだ。それは立憲民心・辻本議員を指して「国交副大臣の時に(自治体に)補助金を配って(国有地購入費を実質)0円にした」という発言についてで、馬場氏は「事実関係を調べたが、事実ではないと裏取りもできている」としているようだ。
 今回の発言を重く見て、日本維新の会は足立氏を党の憲法改正調査会事務局長から外し、当面国会質問に立たせないという方針を示しているようだが、足立氏はこれまで何度も国会内外で問題発言を繰り返し、謝罪することもあったが、形式的に謝罪しただけなのが見え見えの場合も多く、党の対応が遅すぎる、そして軽すぎるという印象だ。当然ただでさえ少ない党の議席を減らしたくないのだろうから、議員辞職勧告とか離党勧告という処分は避けたいのだろう。だが、昨年の衆院選で維新は議席を減らしている。それは足立氏や、落選はしたが差別的な発言が問題視されていた元フジテレビアナウンサーの長谷川豊氏などを公認していた影響なのではないか、と懸念する。
 
 なぜ維新が足立氏のような人物を抱えているのか。個人的には、それは党の創設者を見ていれば推測できると考える。党の元代表・橋本徹氏を見ていると”暴言が許されるような党のカラー”なのだろう、という事が見える。
 2/6・夕刊フジは「橋下徹氏が『朝まで生テレビ!』を痛烈批判『朝バカに変えろ』」という記事を掲載している。2/1に放送されたAbemaTVの番組「橋本徹の即リプ!」の中で、元日放送のテレビ朝日「朝まで生テレビ」の内容、お笑い芸人のウーマンラッシュアワー・村本さんが非武装中立や改憲に対する持論を主張した際に、討論に参加していた学者らから総攻撃を受けたことについて触れ、

許せない。討論の場で”無知”って言葉を使うなんて最低。あんなのは(朝生でなく)”朝バカ”にタイトルを変えた方がいい

と述べたそうだ。
 これは「橋本徹の即リプ」にゲスト出演していた、元日の「朝まで生テレビ」で村本氏の主張に対して「自分の無知を恥じなさい!」などと批判した、東大教授・井上氏に向けた発言だ。井上氏が反論すると橋本氏は、

お前はバカか!

とも発言。橋本氏は「朝まで生テレビ」での村本さんの主張を、賛成はしないとしながらも”大人だった”として共感を示したそうだ。しかし、

無知なんて言われたら、僕だったらブチぎれてる。暴れるも何も、チンコ出すね。放送事故にして番組潰す

それに多分、あの連中(村本さんを批判した人)より、村本さんの方が稼いで納税してる。”朝バカ”の連中なんて大したことないんだから
などとも述べたそうだ。
 村本さんが、こんな暴言を吐きまくる人より確実に大人なのは、橋本氏に言われずとも誰の目にも明らかだし、個人的には、擁護される村本さんも、こんな擁護のされ方ではいい迷惑なだけではないか、と感じた。
 
 橋本氏は大阪府知事・市長の頃から度々暴言を吐いており批判を浴びることがあった。政治家を引退してから、タガが外れたようにそれまで以上に暴言を加速させている、ように自分には見える。しかし、政治家は止めたものの彼は今でも弁護士だ。にもかかわらず、立場をどう考えているのか首を傾げたくなるくらい、テレビやネット上お構いなしに暴言を続けている。
 彼のような人物が弁護士という立場にいることも、大阪府知事・市長だったことも、とても残念だし、彼が立ち上げた政党が、彼と似たような暴言を吐き続ける人物を公認し、その人物が国会議員になっているのもかなり残念だ。このような政治家が存在し続ける限り、表現の自由をはき違えて、差別・偏見を恥ずかしげもなく声高に主張するような者は、その行為の愚かさに気付くことはないのではないか、そのような政治家の暴言を根拠に差別的な発言を正当化し続けるのれはないか、と懸念する。

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