麻生副総理兼財務大臣は早急に辞任願いたい。
これまでも3/14の投稿を始めとして複数回、彼を含む政府首脳や与党幹部らは、財務省の公文書改ざん問題に関する当事者意識が欠如しているのではないか?と指摘してきたが、昨日・3/29の参議院・財務金融委員会での発言はそれを裏付けるような内容で、しかも事実と異なる部分も多分に含むかなり酷いものだった。こんな人物が最終責任者を務めていたから、改ざんなんて前代未聞の大事件が起きたように自分には思える。また、彼が大臣である限り、数日前に首相がこの問題の”けじめ”として挙げた再発防止策の徹底なんて難しいだろうとも思う。何より彼が、我が国の副総理大臣というNo.2のポジションにいること自体が恥ずかしいとすら思う。
麻生氏は昨日の参議院・財務金融委員会に出席し、TPP11に関する質問への答弁の中で、
TPP11というのは日本の指導力の中で締結された
こないだ茂木大臣、0泊4日でペルーを往復しておりましたけど、日本の新聞には1行も載っていなかったですもんね。
日本の新聞のレベルっていうのはこんなもんなんだなと思って、経済部のやつにボロカス言った記憶がありますけれども、
みな、森友の方がTPP11より重大だと考えているのが日本の新聞のレベルと言って、政治部ならともかく経済部までこれかと言っておちょくり倒した記憶がありますけれども、これはもの凄く大きかった条約締結の1つだと思っております。
などと発言したようだ。
まず、昨夜のテレビ朝日・報道ステーションやTBS・NEWS23では、TPP11の署名式が行われたのは、麻生氏の言うペルーではなくチリだったことを指摘している。また、「日本の新聞には1行も載っていなかった」も事実に反しており、TPP11の署名式が行われた3/10前後の大手新聞各社が記事化していることも指摘していた。3/10は近畿財務局で森友学園との土地取引を担当していた職員の自殺が発覚し、また、佐川元理財局長がその後就任していた国税庁長官辞任が報じられた日で、3/10の朝刊は各紙それが1面を飾っていたようだが、経済面ではTPP11が最も大きく扱われていたし、前後の一部の夕刊などではTPP11署名式が1面トップで扱われていたケースもあるようだ。
更に報道ステーションでは、正確には”締結”ではなく、まだ”署名”段階であることも指摘していた。少し揚げ足取り感はがあることは否めないが、逆に言えば、麻生氏のTPP11に関する理解はその程度のレベルでしかないとも言えそうだ。よくもそんな自分を棚に上げて、日本の新聞のレベル云々などと言えたものだ。というか、「1行も載っていなかった」なんて嘘を副総理大臣が堂々と発言したこと自体に驚く。紙面を確認していた上でそんな嘘をついたならそれこそ大問題だが、紙面をよく見ずに新聞各社を批判したのだとしても、それは確実に副総理大臣・財務大臣に相応しい言動とは言えない。
というか、公文書改ざん問題以前に、この明らかな虚偽発言による新聞社に対する名誉棄損、それだけでも辞任が相応と思える事態だ。
彼はこの程度のいい加減な認識で「経済部のやつにボロカス言った」「経済部までこれかとおちょくり倒した」そうだが、それじゃまるで、優位な立場を利用して取引先を理不尽にイジメ抜くパワハラ野郎そのものだ。そんなことを記者にするくらいだから、身内である財務省や内閣の職員にも似たようなパワハラまがいの行為があるんだろうと想像してしまう。そんな人が政権の中枢にいるから、各省で政府に都合の悪い文書が隠蔽されたり、不適切に破棄されたり、いい加減なデータ収集が行われるなんてことが頻発しているのかもしれない。
3/17の投稿でも紹介したが、麻生氏は3/16の参議院予算委員会の中で、
朝日(新聞)も信用できるところありますよ。滅多に読んだこともない新聞ですから、よく分かりませんけれども、時々当たったりすることもあるんだと思っております。
と述べている。彼は、朝日新聞どころか他の新聞も概ね読んでいないことが明らかになったのが昨日の発言だ。要するに彼は、よく読まずに、そして確認もせずにメディア批判をしているに過ぎず、言い換えれば、ネット上で偏向報道!偏向報道!と騒いでいる一部の人間と大差ない人物だと言えそうだ。また、これまで何度も不適切な発言を繰り返している維新の足立議員と似たり寄ったりの人物でもあるかもしれない。
NHK・ニュースウォッチ9などは、この件に関連して、菅官房長官の午後の会見での発言も取り上げていた(麻生氏が前述の発言をしたのは午前中)。菅氏は、
財務省の文書書き換えは行政に対する国民の信頼を揺るがす事態であり、国民の皆さんから厳しい目が向けられているという風に思っています。麻生大臣も国民の皆さんから厳しい目が向けられている、これは充分認識していると思います。
と述べていた。自分には麻生氏が状況を充分認識しているとは到底思えない。菅氏が午前中の麻生氏の発言を把握せずに会見に臨んでいた可能性もなくはないが、野党議員らが強く反発するような事態だったのに、菅氏の耳にそれが数時間経っても届いていなかったとは想像し難い。もし把握していなかったのなら、菅氏の情報収集に問題があると言えるだろう。どこか遠くの出張先での発言ではなく国会内での発言だし、菅氏が会見を開いた午後4時ごろには、既に麻生氏の問題発言を記事化していたメディアもあったのだから。
結局のところ、以前から何度か指摘しているように、麻生氏だけでなく菅氏を始めとした政府首脳、そして麻生氏を擁護するような発言をしている一部の自民党議員らは、公文書改ざんという問題を過小評価していることが再確認できる。
今日の昼のTBSニュースによると、今日の参議院・財政金融委員会の中で、昨日の発言を問題視する質問を受けて、
国にとりまして、極めて大きな記事が何でこれ程無視されたような記事になるのか、私にはちょっと正直理解が出来ませんでしたから感想を述べた次第であります。そういった意味で、そういった印象を与えたというのであれば、その点に関しましては訂正申し上げます。
と発言し「発言を訂正する」としたそうだ。しかし、結局のところ、3/10前後のTPP11署名に関する扱いは各紙小さ過ぎるという見解を訂正する気は微塵もないようだ。彼がどう感じるかは彼の自由だが、「1行も無かった」という明らかな虚偽発言をしたことに関する反省は一切感じられないというのが率直な自分の感想だ。それは、委員会前に開かれた会見にも表れている。彼はその会見で、
調印の記事が東京新聞には載ったか?載った?どれくらい?(右手の親指と人差し指で1㎝程度を示唆して)こんなもん?
あれは極めて大きな事件だったよ。国際社会の中から見れば俺にはそう見える。
他の新聞の扱いも殆ど小さかったのはへーと思ったね。その程度の扱いなのかね、というのが実感です。
などと述べていた様子も報じられた。当時の紙面で経済面で最も大きな面積が割かれていたり、夕刊などでは1面トップでTPP11署名が扱われていたのに、それが小さいとか、その程度などと言うなら、森友学園関連・財務省公文書改ざん問題の記事だって”その程度”だろう。多分彼は、号外が配られるとか、数ページに及ぶような特集扱いでなければならないというような認識なのだろう。残念だが彼の感覚は到底一般的とは言えない。
ハッキリ言って、3/21の投稿でも指摘したように、自分にとって都合の悪いことから目を背ける為、外交問題に過剰に注目しようという現実逃避、そして国民の注目をどうにか公文書改ざん問題から逸らそうという意図があるようにしか思えない。
自分は、財務省の公文書改ざん問題に限れば、総辞職が必要とは言えないと感じるが、麻生氏のこれまでの横柄な態度、当事者感覚の薄さ、そして今回の明らかに事実と異なる認識によってメディアを攻撃した発言などを考えれば、彼の下での財務省の調査は全く信用出来ないし、事実が確認できないなら当然有効性の高い再発防止など夢物語だと考える。だから彼には早急に辞めて貰いたい。寧ろ、安倍首相は更迭するべきだと思う。官房長官があからさまに擁護している様子を見ると、恐らく首相も似たようなスタンスなのだろうから、そのような意味では首相も麻生氏と同罪のような気もしてくる。
そして何より、今回の公文書改ざんに限らず、南スーダンの日報隠蔽、加計学園問題に関する所謂怪文書の隠蔽、厚生労働省の働き方改革に関して、政府に都合のよいデータが、いい加減な方法で作成されていたこと、それを根拠に政策がつくられていたこと、そして3/20の投稿でも触れた、文科省が前川前事務次官が総合学習の授業を行った中学校に対して、不適切に内容を確認、というか圧力をかけていたとさえ言えるような問題に関して、文科省の担当者が虚偽の発言で、自民党議員の関与を隠そうとしていたことなど、明らかに異常な事が頻発していることを考えれば、内閣総辞職の必要性がないとは言えないと考える。