昨日・麻生副総理兼財務大臣が、ASEAN関連の複数の会議に出席しているフィリピン・マニラでの記者会見において、「セクハラ罪っていう罪はない」「殺人とか強(制)わい(せつ)とは違う」という発言をした、と複数のメディアが伝えている。彼に関して、特に一連のセクハラ事案に関する認識の低さについては既に何度もこのブログで書いているので詳しくは説明しないが、彼の現状把握能力・セクハラに関する認識に著しい問題があることを再確認させるのに充分すぎる発言だ。まだこれでも与党や政権内、というか首相が彼を処分しないのであれば、それこそ与党や政権、そして首相の信頼性に大きな影響が出る事は免れないだろう。この大臣の発言以前から既に処分に相当する姿勢が滲み出ていたにも関わらず、与党も政権も首相も相応の対応をしていないし、それ以外の理由でも個人的には既に彼らの信頼性は地に落ちていると思っている。ただ、更にそれを再確認させる事態であることには間違いない。
麻生大臣を筆頭に政権与党関係者の不適切な言動はここ半年くらいだけでも枚挙に暇がない。自分の記憶を辿っただけでも、
- 菅原秀一議員の野党審議拒否に関する「自分の会社の上司が辞めないと会社に行かない?学校であの先生がいやだからと、不登校が許される?」というツイート(4/29の投稿)
- 下村博文氏のセクハラ録音して週刊誌に渡したことは「犯罪」発言(産経新聞)
- 長尾たかし氏の「セクハラとは縁遠い方々」というツイート(毎日新聞)
- 矢野財務官房長官の「(名乗り出るのが)そんなに苦痛なことなのか」という答弁(東京新聞)
- 渡辺美樹氏の「週休7日が人間にとって幸せなのか」発言(時事通信)
- 麻生太郎氏の「(TPPについて)日本の新聞には1行も載っていなかった」発言(朝日新聞)
- 赤池誠章氏・池田佳隆氏が文科省に圧力をかけ、前川 前次官が講演を行った中学校に高圧的な調査をさせた問題(日経新聞)
- 和田政宗氏の「アベノミクスを潰すために安倍晋三政権をおとしめるため、意図的に変な答弁してるのでないか」発言(産経新聞)
- 竹下渉氏の「宮中晩餐会の同性パートナー出席反対」発言(産経新聞)
- 山本幸三氏のアフリカについて「何であんな黒いの好きなのか」発言(産経新聞)
など、たった半年以内でこの件数とは一体自民党内はどうなっているのだろうか。自分が失念していることもまだまだあったかもしれない。また、直近では
- 西川京子 元自民党衆院議員の「テレビ局を中韓の局が乗っ取り」発言(朝日新聞)
という、元自民議員ではあるが、大学の学長ともあろう者がかなり酷い発言をしており、政権内外・党内外の関係者にもまだまだ似たような者が存在しているのではないか?という懸念を抱いてしまう。そして、問題のある者に適当な対処を科さないということは、問題になった大臣・議員以外も似たり寄ったりである恐れを感じさせるし、どう考えても現在のような後手後手の対応・消極的な対応でいい筈はない。
首相は「うみを出し切る」などと声高にアピールしているが、これまでも現在も対処が必要な事案について相応の対応がなされてきたとは全く思えず、うみを出し切るどころか溜めに溜めて、うみが広がり、自浄作用などもう効かない深刻な状態であるとしか思えない。「うみを出し切る」なんて言葉だけでは、結局昨年声高に叫んでいた「真摯な受け止め・丁寧な説明」と同様、実質的には何もせずに事態が更に悪化するだけという将来しか見えない。
そろそろ抜本的な対応、少なくとも麻生総理の更迭による政権・党内の引き締め、個人的には、改ざんに手を染め辞任した国税庁長官を適材適所と言い張り、記録を示されても尚記憶の曖昧な元秘書官を信用するなどと言ってのける首相自体も、膿に侵されている、というか彼が膿の源そのものだと思っているので、早期の総辞職を望みたい。