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ロシア疑惑とモリカケ問題


 7/16、フィンランド・ヘルシンキで米ロ首脳会談が行われた(ロイターの記事)。冷戦時以上に関係が悪化していると言われている二大核保有大国のトップ会談にもかかわらず、なぜか日本のメディアの、特にテレビ報道の米ロ首脳会談への注目度はそれ程高いとは言えない。直近に西日本が記録的な豪雨に見舞われ、その甚大な被害の影響が今もまだ続いていることや、国会が会期末目前を迎え、与党が一方的な国会運営を強めているなど、国内の報道するべき事案が複数あることが、米ロ首脳会談に対するメディアの注目度が低く感じられる理由かもしれない。
 しかし個人的には、そんな理由を勘案しても注目度が低すぎるように感じる。もしかしたら日本のメディアは、既にトランプ氏を妄言王のように認識しており、どんな発言をしようが取るに足らないことと捉え、報道する価値が低いと評価している可能性もある。確かに言う事がコロコロ変わる、自分に都合が悪いことは根拠もなく嘘認定するような人だから、そのような側面も確実にあると自分も感じてはいるが、それでも彼はアメリカ大統領だ。彼がおかしい事を言っているならば、それを報道機関は指摘し、市民に伝える必要があるのではないだろうか。


  トランプ氏は記者会見で、ロシア疑惑について、CIA:中央情報局長官からロシアに責任があると聞いているが確信は持てないと述べたそうだ。そう考える根拠として「プーチン大統領は今日の会談で非常に力強く否定した」ことを挙げたらしい。いくつかの報道機関の米ロ首脳会談や記者会見についての記事を読む限り、トランプ氏は疑惑がかけられており、自国の情報機関が強い懸念を示している国のトップの主張を鵜呑みにしているように思える。しかもそれを肯定するかのように、「明るい未来を築くためには過去にばかりこだわってはならない。世界の二大核保有国として、米ロは仲良くしなければならない」とツイートしている。彼にとって実に都合のよい考え方で、よく考えない人にとっては耳障りのよい主張だ。

 個人的にはトランプ氏のこのロシア疑惑に対する態度・姿勢は、安倍首相の森友加計問題に対する姿勢とそっくりに見える。現時点ではトランプ氏に関しても、安倍首相に関してもそれぞれの問題について疑惑の段階でしかなく、明確に関与していると断定することは出来ないだろう。しかし、彼らがそれぞれの疑惑を積極的に払しょくしようとしているようには全く見えない。もし、彼らがそれぞれの疑惑について積極的に払しょくしようとしているならば、どちらの問題もとっくに収束しているのではないだろうか。二人とも関与していないの一点張りを続けるだけ、疑惑が掛けられた関係者の発言を信じるという態度を示すだけだ。ロシア疑惑で言えば、プーチン氏は疑惑を掛けられた国のトップ、安倍首相が信用するとしていた佐川氏や柳瀬氏らは当事者だ。しかも森友加計問題に関しては、佐川氏や柳瀬氏はほぼ虚偽発言が確定的で、彼らは発言を裏付けられる文書は破棄したと言っていたが、発言の内容を覆す文書がどんどん出てきている。彼らを信用すると言っていた首相を果たして信用できるのか。

 今回のトランプ氏の主張を受けて、アメリカでは共和党の有力者からも苦言が呈されているのは、日本の状況との大きな違いだ。日本では与党の有力者・党幹部に、首相の姿勢を強く批判する者はほとんどいない。そのような点では、日本の状況はアメリカと比べても決して成熟しているとは言えない様にも思う。

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