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報ステ・News23での、自民総裁候補2人の討論を見て思う


 昨夜はテレビ朝日・報道ステーション、TBS・News23と、民放夜のニュース2番組で、自民党総裁選を戦う安倍氏と石破氏の討論が放送された。これまでにも、この総裁選に関する2人の討論企画はいくつかあったが、最盛期に比べればネットに押され気味とは言え、それでもまだまだ相応の影響力を持つ民放局の企画だったことや、放送された時間帯、そして総裁選期間中最後の討論企画だったことを考えると注目度はかなり高かったのだろう。現に放送直後から関連ワードがツイッターのトレンドに幾つも入っていたし、この投稿を書いている放送翌日の昼頃になってもまだ、自分のタイムラインには関連するツイートが多く表示されている。

 両番組を含めて最もツイッター上で多く注目が集まっていたのは、News23の中で番組MCの星 浩さんが、加計学園問題・加計氏と安倍氏がしばしば会食・ゴルフを共にしていたことを念頭に「金融庁の人間が大学時代の友人であっても、メガバンクの人間とゴルフや会食はしてはいけない」と述べたのに対して、安倍氏が「ゴルフに偏見をもっている、テニスや将棋だったらいいのか」などとはぐらかした点だ。見ていた殆どの人が分かるだろうが、星さんはゴルフという競技だから不適切などとは全く言っていないのに、何故か急に安倍氏は「ゴルフもオリンピック種目にもなるスポーツ」などと主張した。あたかも星さんがゴルフを揶揄したかのような返答をし始める彼の姿には、自分も唖然とさせられた。読解力がないのか所謂単なる逆ギレか、どちらにせよ現首相ともあろう者の主張とは思いたくなかった。

 あまり話題にはなっていないが、報道ステーションでも同種のやり取りがあった。報道ステーションの討論の冒頭では、海上自衛隊が南シナ海で潜水艦戦闘を想定した訓練を行ったことを同日発表した(読売新聞の記事)事について、番組MCの富川 悠太さんが安倍氏にいくつか問いかけた。他のメディアでも取り沙汰されている「中国へのけん制」かと問うと、安倍氏は「南シナ海での訓練は何年も前からやっている」とし、明確には否定しなかったが中国へのけん制という認識はないということを強く滲ませた。ここで富川さんは食い下がり「例年やっていたとしても潜水艦訓練発表は異例では?」と聞き直した。すると安倍氏は「訓練をしていることは他国も知っている」という旨の返答をした。聞かれているのは「訓練の公表が異例かどうか」なのに、安倍氏は「訓練の実施を他国が知っているかどうか」にすり替えている。もし他国が知っているのだとしたら、例年訓練を発表しても良さそうだが、そんなことをこれまでしていないし、他国が訓練を知っていたとしても、敢えて公表する/しないとはまた別の話だ。要するに彼は答えをはぐらかしたということだ。

 安倍氏の言動には他にも疑問点が幾つかある。自分が感じたのは、News23で討論開始前に「1つの発言は1分以内で。1分を超えるとランプが光る」というルールを提示されたのにも関わらず、1つ目の発言からそれを無視し、ランプが光り始めてからも新しい話題を主張し始めるという、完全にルールを蔑ろにする姿勢を安倍氏は見せた。勿論石破氏もランプが光る前に発言が終わることはなかったが、ランプが光り始めれば最短で話をまとめていた。2つ目の発言以降も安倍氏の姿勢は変わらず、1分を過ぎようが自分の言いたい事を長々としゃべり続ける姿勢に変わりはなかった。これまでにも彼がルールや、自身の過去の発言までも都合よく解釈を変えることをしばしば目にしてきたが、News23での彼の態度を目の当たりにして、安倍氏にとってルールなんてその程度のものなんだということを再確認させられた。率直にこのような人には憲法云々を語る資格はないと感じた。
 彼が都合の良い解釈を示す姿勢は他でも見られた。News23の中で「佐川さんの国税庁長官任命は適材適所だったか、多くの国民は疑問も持っている」と指摘されると、安倍氏は「選んだ時点では適材適所だったと判断したのでそう答えている」という旨の返答をしている。大事なのは選んだ時点での判断ではない。結果として適材適所だったのかということの方が確実に重要であり、この場面ではそれについて問われている。安部氏がこう答えるということは、場合によっては「私は結果を省みない」と言っているようにも聞こえる。こんな人が現在行政の人事権を握る内閣の長に相応しいかと言えるだろうか。自分には全くそうは思えない。

 自分は石破氏の憲法観には全く賛同出来ないし、彼が必要性を訴えている緊急事態条項については明確に反対であり、彼が語る経済・地方創生等諸所の政策についても具体性があるとは思えず、石破氏を積極的に押したいとは思えない。しかし、これからの政策について耳障りのよい目標を述べるだけで、具体的な政策を示していないのは安倍氏も同様だし、昨夜放送された2番組の討論、それだけでなくこれまでに行われた討論・演説を見る限り、都合の良いこれまでの数字だけを並べてアピ―ルし、都合の悪い数字には触れない安倍氏の姿勢を、そしてナチュラルに素っ頓狂な発言を討論に挟んでくる人であることを勘案すれば、今後政権を任せたいとは思えない。
 あんな様子では他国の首脳陣と一体どんな会話をしているのかとても心配だ。彼がプーチン氏やトランプ氏との親密さをアピールするにも関わらず、彼らから脅しのような要求をされているのを見ると、この投稿で指摘したような素っ頓狂なやり取りをしているので
馬鹿にされているのかもしれない、要するに、いいようにカモられているのかもしれないと懸念してしまう。

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