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カナダ嗜好大麻解禁への反応について 2


 昨日の投稿「カナダ嗜好大麻解禁への反応について」の中で、
  •  大麻解禁に賛成か反対かを表明することは個人の自由だろうが、それに関して事実とは異なる話を公に撒き散らす事は決して自由の範疇には入らない。
  •  日本では確実に大麻の危険性が過剰に煽られ過ぎている。しかも国によって。
という、カナダの嗜好大麻解禁に対する日本国内での反応や、日本の大麻政策そのもの、更には所謂「親方日の丸」「国の見解は概ね正しい」等の認識の広がりに対する受け止め・懸念を書いた。また、昨日の投稿ではハフポストが10/18に掲載した記事「カナダで大麻解禁、先進国初 ⇒ 外務省は邦人に注意喚起「手を出さないで」」を取り上げ、外務省・在バンクーバー領事館が示した「日本国外であっても日本の大麻取締法によって処罰の対象になる恐れがあるので、大麻(大麻を含んだ食品・飲料についても同様)に手を出さないように」という見解についての異論も書いた。同様の内容を当該記事のコメント欄に投稿したところ、前述の受け止め・懸念を再確認、というか、証明するようなリプライが寄せられた。


 当該記事の自分のコメントについて、まず以下のリプライがあった。


大麻取締法24条の8に国外犯規定がある(刑法第2条/保護主義)ということだけで、いいかげんでもなんでもないですよ。

国外犯は、刑法その他でそれと指定された罪(殺人等)のみに適用されて、刑事手続は国内でのみ行われます。アメリカでの殺人の疑いで日本人容疑者が日本で逮捕・訴追された(刑法第3条/属人主義)、ロス疑惑は有名ですね。

賭博の罪は国外犯規定がない(属地主義)ので、おっしゃるようなことはありません。

刑法の国外犯規定自体は多くの国にありますよ。日本で殺人を犯して本国に逃亡したブラジル人を、憲法で国民の外国引き渡しを禁じてるブラジルで、国外犯として裁いた事例(代理処罰)などもあります。

 掻い摘んで要約すれば、
  • 大麻取締法には国外犯の規定がある
  • 賭博罪には国外犯の規定はない
  • だからあなた(筆者)の主張は正しいとは言えない
というのが彼の主張だ。これに対して自分は、

大麻取締法24条の8には、

第24条、第24条の2、第24条の4、第24条の6及び前条の罪は、刑法第2条の例に従う

とあり、在バンクーバー領事館が示した「日本では大麻取締法で、大麻の所持や購入を含む譲渡が違法とされ、処罰対象となっている。」という話を勘案すれば、第24条の2、

大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、5年以下の懲役に処する。

という部分の国外犯について主に指摘しているのでしょうが、現地で合法である大麻の所持が「みだりに」に該当すると言えるのかといえば、「みだりに」とは「むやみやたらに」という意味なので、現地で合法的に購入・所持することが「みだりに譲り受け、所持し」に当たるとは考え難いし、また第24条の4で触れられている「犯罪を前提にした所持」でもないし、それらの話を根拠にして在バンクーバー領事館・外務省が示した見解に妥当性があるとは、自分には思えません。

また、刑法第2条で示されているような、そしてあなたが例に挙げたような、殺人等の重大性の高い犯罪と、密輸目的ではない使用目的の大麻所持が同列に語れるような重大性のある犯罪行為であるかどうかにも疑問があります。要するに、大麻が非合法な地域で大麻を購入・所持すれば、刑法第2条を適用することにも合理性はあるかもしれませんが、前段のような観点からも、大麻の購入・所持・使用が合法である国外地域での合法的な購入・所持・使用について、刑法第2条で定められている国外犯を適用する必然性があるとは思えません。

と反論した。掻い摘んで要約すると、
  • 合法地域での大麻の合法的な購入所持は、合法なのだから大麻取締法が規定する「みだりに」に該当するとは言えない
  • 非合法地域での規範逸脱や、合法地域であっても密輸を目的にした購入所持に対しての国外犯規定適用なら合理性もあるだろうが、密輸目的ではない合法地域での購入所持は他者に深刻な被害を与える恐れは低く、刑法第2条で挙げられているような殺人等の重大な事案とは同列に語るべきではない
  • だから外務省・バンクーバー領事館の見解が正しいとは思えない
 というのが私の主張だ。
 この私の反論に対して、彼から合理性のある反論はなく、私が示したのは「解釈論・観念論であり、話にならない」かのような反応だった。そもそも外務省が示した見解も、彼が持ち出した大麻取締法24条の8の国外犯規定に関する解釈の話であって、彼が示したのもそれに準ずる解釈論であるのに、私に対してだけ「解釈論・観念論であり、話にならない」とするのは大きな矛盾がある。それを指摘して以降彼からの反論はない。

 また彼は、自分のフェイスブックのタイムラインに以下の様な投稿をしている。



バンクーバー領事館が在留邦人向けにカナダで解禁されたマリワナに手ェ出すなよ? と念押ししたら、国外犯規定をご存じない方がワラワラ湧いて、いろいろ難癖つけてるのが笑える。

外務省や役人を罵っても、自己流で法律の文面を解釈しても、違法は違法だからね。調子に乗って逮捕・書類送検とかされてから言えっての。てか、鬱憤晴らししてないで、マリワナ吸いたいって正直に言えばいいのに。

大麻取締法第二十四条の八 第二十四条、第二十四条の二、第二十四条の四、第二十四条の六及び前条の罪は、刑法第二条の例に従う。
刑法第二条  この法律は、日本国外において次に掲げる罪を犯したすべての者に適用する。

 そしたらカナダ人(外国人)にも適用されるなら日本はカナダ人相手にも注意しないのは怠慢! という輩も湧いてた(笑。刑法第二条は保護主義的国外犯の規定で、法益は国(国家・国民・社会)なんだから、カナダ軍人にマリワナでラリって自衛艦にミサイルブチ込むなよ? くらいしか言うことないんじゃね?

まあ実際のところ、捜査権の及ばない外国での犯行となると、それなりに重大な事件でもないと立件できない/しないだろうけど。

「本年6月21日に成立しました『カナダにおける大麻に関する法律』が10月17日より施行されることに伴いまして、邦人の皆様に対し以下の注意点について改めてお知らせいたします。
1.カナダでは、本年10月17日から、大麻(マリファナ)の所持・使用が合法化されます。
2.一方、日本では大麻取締法において、大麻の所持・譲受(購入を含む)等については違法とされ、処罰の対象となっています。
3.この規定は日本国内のみならず、海外において行われた場合であっても適用されることがあります。
4.在留邦人や日本人旅行客におかれましては、これら日本の法律を遵守の上、日本国外であっても大麻(大麻を含んだ食品・飲料についても同様)に手を出さないように十分注意願います」

彼は私以外のコメントにも、私のコメントに対するリプライと同じような内容のリプライをしているのだが、結局のところ彼が、私や私と似た傾向のコメントを、「マリファナ吸いたいだけの難癖・笑える(愚かな)コメント」という前提に立ってリプライをしていたことがよく分かる。また、彼に国の法解釈が絶対的に正しいという前提があることも、この投稿からよく分かる。
 彼は最終的に私のコメントに対して、


もちろんそう思われることは自由ですが、私は現実問題として国の諸機関が法律がそう解釈し、運用しているということを申し上げてます。(皮肉に取らないでいただきたいですが)言葉遊びをしているつもりはありません。

私が法律を運用しているわけでもなく、反論をいただいても残念ながら応えられません。なにかご不満があれば、弁護士なりにご相談ください。国への申し入れなり、訴訟なりの道があると思います。

とリプライしているが、法律家でなく反論に応じられないのならば、そもそも法律論などを迂闊に持ち出してリプライをするべきではない。大麻解禁に否定的な人が全て彼のような姿勢であるとは言わないが、昨日の投稿でも示したように、ツイッター等SNSへの投稿を見ていると、冒頭にも書いたように、大麻についての適切な見識もなく、国の「ダメ、ゼッタイ。」政策に煽られて、カナダの大麻解禁に反対しない主張を見下しているだけの者が一定数いるのだろうという事を再確認した、というか、懸念ではなく事実であることの裏付けが、完全にとは勿論言えないが、彼の主張によって更に進んだように思う。

 しかもこの話にはまだ続きがある。これまでに書いたやり取りが自分の元コメントからスレッド化されており閲覧可能な状態にも関わらず、


それ屁理屈ですよ。刑法で賭博と大麻取締法では扱いが違っていて、属地主義に沿った属人主義の立法という手法はほぼ世界共通です。あなたが法を理解してないだけでは。

という別の人からのリプライがあった。彼女は私の主張を「屁理屈・法を理解していないだけ」と批判しているが、彼女が、私が法を理解していないとする根拠は
  •  刑法で賭博と大麻取締法では扱いが違っている
  •  属地主義に沿った属人主義の立法という手法はほぼ世界共通
という事だけだ。一見もっともらしいことを言っているようにも見えるが、それらについては、これまでの別の人とのやり取りの中で既に説明済みで、その私の見解について具体的な不具合の指摘なしに「屁理屈・法を理解していないだけ」と言われても、それこそ彼女こそが、自分や国が示した見解・解釈が ”絶対的に” 正しいという漠然とした前提だけを根拠に屁理屈を披露しているようにしか思えない。

 これら2人のリプライに共通しているのは、
自分と異なる意見でも「最低限尊重する」姿勢に著しく欠けているという点だ低限これがなければ、まともなコミュニケーションは成り立たない。これでは、単にマウンティングがしたいだけの人が、国という強い権力の示した見解を笠に着て、言いたい事を無責任に言い放っているだけとしか言いようがない。
 前述のように大麻解禁に否定的な人が全てこのタイプだとは思いたくないが、同じタイプの適切とは到底思えない反論が2人から寄せられたことはとても残念で、大麻解禁に否定的な人には、適切な認識や議論の姿勢に欠ける者が一定数いるという懸念を、個人的に強める結果になった。

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