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内閣・党人事に関する首相会見について


 昨日・10/2、自民党総裁選で再選したことを受けた、新たな内閣・自民党要職の人事が正式に発表された。安部氏は総裁選中から「新人事は適材適所で行う」ことを強調していたが、何よりもまず、森友学園問題に関する公文書改ざんという前代未聞の事件について責任の所在を明確にせず、しかもそんな事態が起こった理由は分からないという、無責任極まりない初見を表明したり、財務官僚によるセクハラ被害を訴えた記者に対してあからさまなセカンドレイプ発言をしたり、全くの事実誤認に基づいてメディア批判を繰り広げる、要するに財務大臣兼副首相なる人物自らがフェイクニュースを撒き散らすという行為をおこなった人物・麻生氏を留任・続投させた時点で、
 彼の言う適材適所は詭弁である
と言わざるを得ない。 これだけを以て既に評価に値しない人事なのだが、発表に伴って行われた会見もかなり酷かった。


 首相の会見に関しては、毎度産経新聞が丁寧に文字おこしをしているので、内容は今回のそれ「安倍首相会見詳報」を参照することにする。その会見について気になった点にツッコミを1つずつ入れてきたい。
 来年10月から幼児教育の無償化、再来年4月からは真に必要な子供たちの高等教育の無償化を実践する。安倍内閣は未来を担う子供たち、子育て世代に大胆に投資してまいります。【安倍首相会見詳報(2)】
昨年の衆院選で掲げた「すべてのこどもを対象に」という文言が消えているのが気になる。全ての子どもを対象にしたとは言い難い政策を進めているから、しれっとその表現を使うことを止めたのだろうか。
 地方創生の担当大臣は片山さつきさんです。旧大蔵省出身で、政調会長代理も務めた政策通であるだけでなく、フットワークも軽く、超人的なガッツの持ち主でもあります。今回女性の入閣は1人だけですが、2人分も3人分もある持ち前の存在感で、女性活躍の旗を高く掲げてもらいたいと思います。
 今回は、それぞれの政策分野一筋で経験を積んできた、いわばその道のプロにもたくさん入閣いただきました。
【安倍首相会見詳報(2)】
その道のプロとは一体何を指しているのか。フットワークも軽く、超人的なガッツの持ち主だから適材適所だと言うのなら、大概の人選は適材適所ということになる。また女性入閣は1人だが2人/3人分働いてもらうと言っているようにも聞こえ、家事を負担しない男性が多い中、家事と仕事という1人分以上の負担が女性に求められる現状を容認するような姿勢を感じてしまう。彼の考える女性活躍とは一体どのような事なのだろうか。
 この内閣は、それぞれのポジションで腕を磨いてきた実務型の人材を結集しました。いわば、明日の時代を切り開くための「全員野球内閣」であります。しっかりとした政権の土台の上に、12人の初入閣の皆さんにはこれまで培ってきた経験や知見を思う存分発揮していただきたい。ともに平成のその先の時代に向かって希望にあふれ、誇りある日本を築き上げていきたいと考えています。【安倍首相会見詳報(2)】
明日の時代を切り開くための「全員野球内閣」とのことだが、政権が「将来を切り開く」為に政策を進めるのはどの内閣でも同じこと。改めて強調するような事ではない。改めて強調する必要があるのは、それまでこれが出来ていなかった場合だけではないのか。例えばこう述べたのが完全な新政権の首相で、前政権を批判する意味が込められているのなら理解も出来るが、新内閣は同じ首相による継続内閣だ。 「全員野球」云々も同様だし、その道のプロを選ぶのも当然の事でしかない。要するに、政権の方針として堂々と掲げられる看板が何もないことの裏返しで、これらのごく当然の話を強調しているように見える。
 首相は女性が活躍する社会「ウィメノミクス」を非常に大事な政策として挙げているが、今回の内閣改造で女性閣僚は1人しかいない。その理由を。今の時代を考えると、ちょっと少ないと思わないか、という記者質問を受けて、

 確かに各国と比べて内閣における閣僚の女性の比率は少ないということについては認めざるを得ないわけでありますが、まさに日本は女性活躍の社会を、ま、スタートしたばかりでありまして、ま、これから、どんどんですね入閣する人材は育ってくると、こう思います
 今回、片山さつきさんにですね、入閣をしていただき、ま、1人ということになったのですが、2人分、3人分、発信力を持ってですね、仕事をしていただけると、こう期待しております
【安倍首相会見詳報(4)】
「日本は女性活躍社会をスタートしたばかり」とのことだが、自分がそのスローガンを掲げて何年目か理解しているのだろうか。自分が首相を務めている間に状況を改善することは出来ないと宣言しているようにすら聞こえる。1人の女性に2/3人分の仕事を期待するという話については前述の通りだし、待遇に見合わない責任や仕事を負わせるブラック企業的な発想も感じられる。彼の考える女性活躍・働き方改革とは単なるスローガン、絵に描いた餅でしかないのだろう。

 他にもツッコめるところは複数ある。例えば【安倍首相会見詳報(5完)】で文字おこしされている、拉致担当問題の人選、なぜこれまでの厚労大臣による兼任から菅官房長官の兼任に変わったのか、という趣旨の質問に対して、相変わらず明確に答えようとせず、更に聞かれてもいない厚労大臣の職務に話を逸らして長々と語っていることが分かる。
 これまでに感じていたことの再確認でしかないが、安倍氏が如何に虚しく具体性に欠ける言葉を会見・答弁で並べ立てるかが如実に現れた会見だった。個人的には、質問に立つ記者らがなぜ厳しい追及を行わないのか不思議でならない。今回の会見も、記者らを含めて単なる茶番劇を演じているようにしか見えなかった

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