この週末NHKに不信を感じる出来事が2つあった。最初に確認しておきたいのは、詳細に事態を検証したわけではなく、もしかしたら自分の思い違いが大きいのかもしれないという気持ちもどこかにある。しかしそれでも、自分が何を感じたのかについて書き残しておきたいと思い、NHKに対する不信感をこの投稿のテーマにすることにした。
2つの不信感の1つはNHKの報道に対する不信感で、もう一つはNHKが沖縄を軽視していのではないかという疑いだ。後者については「NHKが」というよりもNHKを含む本土全般にある感覚なのかもしれない、という強い懸念を覚えるような事だ。前者に関してはここ数年薄々感じていたことではあるが、それが「薄々」ではなくなるような要素を含むはなしである。
まずは後者についてだが、本題に入る前に少し別の話をしようと思う。自分は今年の大河ドラマ・西郷どんを欠かさず見ている。昨日9/30(日)は台風24号の上陸に伴う災害情報番組を優先することになり、20:00からのNHK総合での放送が中止された。番組公式ツイッターでもそれを告知するツイートをしていたのだが、一部の視聴者からリプライがあまりにも酷かった(少なくとも自分が確認した9/30 23:00頃は酷かった)。寄せられていたのは放送中止に対する不満ばかりで、「楽しみにしている視聴者のことをもっと考えろ」系のリプライで溢れていた。自分も番組を楽しみにしている1人なので、それらのリプライをした人達の気持ちが全く分からないわけではない。しかし、まず、大きな被害が予想される災害に関する情報伝達が優先されることに、苦言を呈するのはハッキリ言って大人げない。また、放送中止がツイートされた18:30頃は既に台風による被害が出ており、停電している地域が幾つかあった。不満ツイートの中には「スポーツ中継延長時のようにサブチャンネルで放送しろ」という旨のものがいくつかあったが、台風によって停電している地域にも同番組を楽しみにしている視聴者がいる事が想像できないだろうか? 停電している地域が一定数ある中で放送を強行すれば、当該回を見逃すことになる視聴者が確実に一定数出る。民放等ならそんなことまで考慮しないかもしれないが、NHKは受信料によって運営されている公共放送で、大河ドラマは局の看板番組だ。受信料を払っているのに楽しみにしていた番組が見られない人が、一定数出ることを避ける為の放送中止という、ある種苦渋の決断でもあったと考えられないものだろうか。この手のクレームは本当に自分本位な主張が多いということを再確認させられた。
なぜこの台風24号と西郷どんの話をしたのかと言えば、自分がNHKの沖縄軽視を感じたのが、9/29(土)13:05からの先週の再放送を見ていた時だったからだ。 9/29の午前には、沖縄は台風24号の暴風域に入っており、既に停電や倒木等大きな影響・被害が出ていた。西郷どん再放送の時間帯もまだ沖縄は暴風域内だったにも関わらず、災害情報を伝えるL字の帯は一切表示されていなかったし、1日中NHK総合を見ていたわけではないが、自分が知る限り9/29には災害情報を伝えるL字帯は表示されていなかった。自分が台風24号に関するNHK総合のL字帯を初めて見たのは9/30の朝7:30頃だ。この頃台風は鹿児島に接近し、その後四国か近畿への上陸が予想されていた。自分には、台風が沖縄を直撃しても災害対応放送をしないのに、本土への影響が出始めたら対応し始めたように見えた。
もしかしたら沖縄直撃時、沖縄での放送にはL字帯が付いていたのかもしれない。災害情報は現地に対する対応が最も重要だろうから、もしそうなのであればそれでも良いのかもしれないが、ならば九州接近時に関東でそれを警戒するL字帯はまだ要らないという事になるだろう。今後関東に接近する台風への予防措置を促す為に当該地域接近前からL字帯を付けるのなら、沖縄が暴風域に入った時点で既に本土上陸が予想されていたのだから、その時点から予防措置を促してもよかったはずだ。また、九州の台風情報を別の地域でも表示するのは、その地域に親戚や知人がいるなど被害を気にする人がいるからでもあるだろう。沖縄のことを同様に心配する人もいるだろうから、沖縄直撃時点で全国的にL字帯を付けるべきだったように自分は思う。
再確認しておくが、たまたま自分が見たタイミングだけL字帯がなかったのなら、思い過ごしかもしれない。だが、9/30はほぼ1日中、というか10/1の朝も尚L字帯がずっと継続していたことを勘案すれば、思い過ごしとは考えにくい。ただ、実際にNHKに沖縄軽視の風潮があるのかは流石にこの件だけでは結論付けられず、あくまでも個人的な受け止めであることを強調しておきたい。
もう1つの、NHKの報道に対する不信感を感じたのは、大阪日日新聞の「相沢記者が語る「森友事件の本質」と「移籍の思い」」を読んだからだ。NHKを先月退職した相沢 冬樹記者が、
「近畿財務局が国有地売却前に森友学園側から、支払える上限額を聞き出し、その金額以下で売った」というニュースを放送しましたが、放送後、私の上司に報道局幹部から、なぜこのニュースを報じたのかという怒りの電話がかかってきたということ等を語っている。恐らくNHK側にも言い分・反論はあるのだろうが、もし相沢さんの話が事実に即しているのならば、NHKの報道の価値は著しく下がる。少なくとも自分にとっては。
例えば、自分が楽しみにしている大河ドラマ・西郷どんのような面白い番組を放送していていも、すべての視聴者から半ば強制的に視聴料を徴収して運営している公共放送の報道姿勢が、記事で指摘されているような不適切なものであるのならば、自分は一切受信料を支払いたくない。局の存在意義自体が著しく失われてしまうと考えるからだ。娯楽番組だけしか魅力がないなら、受信料の支払いを強制される程の価値を見出せない。
この週末は、沖縄を本土と別扱いするかのような対応や、報道に対する適切とは到底言えない姿勢があるかもしれないという懸念を目の当たりにしたことで、これまで薄々感じていたNHKに対する不信感がより一層増した週末だった。