所謂結婚適齢期を過ぎた為、この頃は招待状が届くことも殆どなくなった結婚式。自分は結婚式に必要性を感じない性質で、そもそも結婚式にはなるべく招待されたくないので好都合だ。お金を使うならもっと他のことに使った方が、本人らにとっても自分にとっても有意義だと感じてしまう。
「自分にとって」は別として、本人たち、特に多くの新婦は結婚式をしたくて開いているだろうから、そんな話は余計なお世話なのだろう。クルマが趣味の自分が、純正品でも充分に機能を果たすのに、見た目に拘って自分好みのホイールとタイヤに交換することや、基本的に日常使い上のメリットは少なく、寧ろ気を遣う場面が増えるだけの車高を低くする行為も、興味のない人にとっては「もっと有意義なことに金を使ったほうがいいのに」だろう。
基本的には2次会というやつにも殆ど参加しない。自分にとっては、仕事上の関係の人達と食事をした後に無理矢理連れていかれるカラオケのようなものだ。しかしそれでも、世話になった先輩やかなり近しい友人など、顔を出さないわけにもいかない場合もある。前述のように自分はクルマが趣味で運転するのも好きなので、結婚式などにも基本的にクルマで行く。酒は嫌いではないのだがクルマで行きたい気持ちが上回る。2次会に出席したくない理由には、酒も飲めないのに割高な参加費を払わないといけないから、ということもある。
但し結婚式や2次会で酒が飲めないのは「クルマで行きたい」という自分の都合なので、「俺は呑まないから会費を割引きしろ」なんて勝手なことは言えない。クルマで行くと大抵数人を送って帰ることになる。運転は寧ろ好きなので送っていくことは全く嫌ではないのだが、酒も飲めないのに割高な料金を払うことを考えると、「送って貰う人達は自分の参加費の何割かを払ってくれねぇかな?」なんて思ったりもする。勿論いい大人なのでそんなことを口にはしない。でもそんな気分になることもある。
友人ら計7人でキャンプに行った時のことだ。行きがけにスーパーマーケットに寄って2泊分の食料と酒を購入した。会計後に割り勘しようと話していると、ある1人が「私はお酒飲めないのに同じ額を払わないといけないの?」と言いだした。自分は「なんて自分本位な人だろう」と思った。他の5人も同じことを思っている様だったし、後で聞いたら数人はそう思っていた。そんなにキッチリ支払いを分けたいなら、買い物する前に言うべきだ。そうしたら「お前の分は計算に入れないから自分で好きなだけ買ってね」と出来た。
というか、「そんなことを言うなら自分が出したクルマには減価償却や維持費がある。その分を日割りで計算してお前も負担してね」と言いたくなる。レンタカー代を調べてその割り勘分を払って貰ってもいい。そもそも食べる量・飲む量だって7人が7人全く同じではないし、テントなどのキャンプ道具を持ってきてくれた人、自分のようにクルマを出す人など、細かいことを言いだしたらキリがない。1人だけ桁外れに酒を飲む人がいる、などなら話は別だろうが、基本的には酒を飲めなくても、ダイエット中であまり食べなくても、会費だと思って支払うのが大人の付き合いではないのだろうか。納得が出来ないなら参加しない方がいい。
居酒屋での飲み会や内輪のキャンプ・BBQなどなら、途中参加で殆ど飲食しなかった人について、幹事が割り勘上考慮をする場合もあるだろうが、結婚式の2次会等は、たとえ食べなくても飲まなくても会費を支払うのが一般的だ。何故なら、食べない・飲まないから払わないという人を許せば収拾がつかなくなるからだ。基本的にパーティーの会費とは飲食代を含むエントリーフィーである。場所代・参加料のようなものだろう。
首相主催の「桜を見る会」と共に公職選挙法違反の疑いが生じている、前日に開かれた支持者らを集めた会合に関して、一流とされるホテルでのパーティーなのに会費が5000円と異様に安く、安倍事務所名義で支持者らへ招待に関する資料が配られており、「安倍事務所が主催した会合ならば有権者の買収に当たる恐れがあると指摘され」、首相らは「料金はホテルが設定した」「後援会が主催」などとしているのだが、当初「参加者の大半がホテルに宿泊することを勘案した料金設定」と首相が発言したのに、2015年は参加者の大半が別のホテルに宿泊していたことが発覚したりしている(東京新聞:夕食会場と宿泊先は別 15年桜を見る会ツアー文書:政治(TOKYO Web))。
また、「安倍氏の事務所が主催でないなら、参加した安倍氏や昭恵夫人が会費を支払った分の領収書がある筈」という指摘もあった。それについて菅官房長官は、11/21の記者会見で
首相も夫人も食事をしていないとし、首相夫妻が会費を支払っていないことを正当化した(「首相も夫人も食事せず」菅氏、会費払わぬ正当性を強調:朝日新聞デジタル)。
飲食しなければ会費を支払わなくてよいパーティーなど聞いたことがない。飲食代が別に設定されたパーティーならまだしも、そうでないなら尚更だ。「私は単なる付きそいなので決して見ませんから」と言っても、「だったら無料でどうぞ」と入れてくれる映画館などないのと同じで、飲食の有無に関係なく払う参加費だ。しかも、朝日新聞の記事に掲載されている2017年の写真には、グラスを持っている安倍氏と明らかにグラスを口にしている昭恵夫人が写っている。菅氏はなぜこんな小学生以下の嘘をつくのだろうか。
菅氏の嘘はその前日にもあった。「“総理夫人枠”巡る菅氏答弁が直後に…対応チグハグ テレ朝news」などが報じているように、「桜を見る会」に昭恵夫人による招待枠があるのかと衆院内閣委員会で問われ、
ありませんと断言した直後に、同じ話について、内閣官房の審議官が
夫人からのご推薦もあったと認めた。次の当該記事に掲載された動画にもあるように、安倍首相も招待者選定への関与を否定していたにも関わらず、その発言を一転させ、関与を認める事態に陥っている。
個人的には、本来各界の功労者をねぎらう/各国の外交官らをもてなすという趣旨の「桜を見る会」が実質的に、首相をはじめ政府与党の支持者接待の場と化していたことには、もう殆ど間違いはなく、前夜のパーティーも含めて考えれば議員辞職相当、すなわち内閣総辞職ものだと思う。
しかし、そんなこと以前に、首相や官房長官が平然と嘘をつく、しかも1度や2度ではなくそれが常態化していること自体が大問題だ。この件以前から現政権の嘘つき体質を強く懸念していたが、この件でその実像が更にくっきりと浮かびあがっているのに、それでもまだ世論調査で現政権の支持が下がらず、若しくは下がっても僅かで、支持理由のトップが「他よりマシ」やそれに準ずる理由になるなら、日本の社会は崩壊するべくして崩壊するとしか思えない。
「嘘をつき」が「他よりマシ」なのだとしたら、日本人は概ね「嘘つき以下」しかいないということにもなる。「政治家の中で、という話だからそれは拡大解釈だ」という反論もありそうだが、有権者ならば誰でも立候補することは可能で、つまり誰もが政治家になれる。だから、あからさまに嘘をつく政治家に政権を任せるのが他よりマシということは、政治家に限らず日本人には嘘つき以下しかいない、と思っていなければ言えないことではないだろうか。
今の政権が「他よりマシ」などと主張することこそが、日本・日本人への最大級の侮辱のように思えてならない。
トップ画像は、engin akyurtによるPixabayからの画像 を加工して使用した。