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インターミッション・途中休憩


 インターミッション/Intermissionとは、上映時間の長い映画の途中に制作者が設ける「途中休憩」のことだ。1974年公開の「ゴッドファーザー2」も3時間20分の上映時間で、2時間を超えたあたりにインターミッションがある。
 自分がインターミッションの存在を知ったのは、映画ではなく漫画でだった。通常漫画は1つの巻の中も数話に区切られているし、トイレ休憩が必要なわけでもないし、インターミッションを設定する必要はない。読んだ漫画の中でインターミッションが取り上げられていたので知った、というわけでもない。自分が初めてインターミッションを知ったのは、機動警察パトレイバーの3巻に収録されている話の、「閑話休題」と書いて「いんたーみっしょん」と読ませるタイトルだった。


 パトレイバーは数話単位でストーリーが展開されるマンガだ。「ドラえもん」や「こちら葛飾区公園前派出所」のような1話読み切りタイプではない。但し、ストーリーが数話単位で展開されるマンガにも、○○編と○○編の間に挟まれるサブストーリーやギャグ回など、1話読み切りの回が結構ある。前後編に分かれているものの、このパトレイバーの「閑話休題」もその類で、長めのストーリーの合間の一時休憩のような回という意味で「いんたーみっしょん」というタイトルを採用しているのだろう。

 このマンガを初めて読んだ時は、「Intermission」のことも知らなかったし、「閑話休題」という表現もその読み方も知らなかった。自分がまず調べたのは「閑話休題」の方で、辞書には、本筋から脱線していた話を止め、話題を本題に戻すこと、のような説明と、「かんわきゅうだい」とも書いてはあったが、そう書いて「それはさておき」とも読むことなどが書かれていた。閑話は「無駄噺/雑談」で、休題が「それまでの話題について話すのを止めること」である。
パトレイバー3巻の「閑話休題」は、パトレイバーの本筋的な話とは言い難いサブストーリー的な回なので、無駄噺を止めて話を本題に戻す、というより寧ろ、無駄噺を敢えてしている回なのにちぐはぐだな…と思いつつ、取り敢えずもう一方のIntermissionについても調べることにした。閑話休題のルビとして「いんたーみっしょん」とあるのだから、Intermissionも「閑話休題」と同じ様な意味なんだろうと思ったのだが、辞書で調べると、冒頭でも説明したように、休憩/幕間/合間などと書かれていた。
マンガでは、例えば「友」と書いて「ライバル」と読ますなど、しばしば飛躍的な意訳が行われる為、当時はそれ程強い違和感を抱かなかったのだが、果たしてどんな意図で「閑話休題」に「いんたーみっしょん」とルビがふられたのかはよく分からないままだった。だが、Intermissionの「休憩」というニュアンスや、閑話休題の「閑話」に「無駄噺」という意味があることから、○○編と○○編の間に挟まれるサブストーリーのようなニュアンスが込められているんだろう、という風に何となく想像していた。

 この投稿を書くにあたって閑話休題で検索すると、「22.時折間違えて使われる「閑話休題」 - 間違えやすい日本語表現(澤田慎梧) - カクヨム」という記事がヒットした。そこには、
(閑話休題は)「無駄話はやめて話題を変えます」という意味ですね。
 ところが時折、この閑話休題という言葉を「一旦、話を本筋から脇道へ逸らす」という正反対の意味で使っている方を見かける事があります。
 ちょっと作品名は思い出せませんが、以前に読んでいた少年漫画で、いわゆる「番外編」のタイトルが『閑話休題』となっていて、疑問符が浮かんだ覚えも……。「本筋から逸れてるのになんで閑話休題?」と思ってしまいました。
とある。この文章を書いた人が指摘しているのは十中八九パトレイバーのことだろう。筆者がパトレイバーの件を念頭に「正反対の意味で使っている方を見かける事がある」と言っているのか、それ以外にも例があって、代表例としてそれを挙げたのかは定かではないが、パトレイバーの作者や担当編集者が「閑話休題」の意味を誤認していた、という風に考えると、「閑話休題」と書いて「いんたーみっしょん」とされたことにも合点がいく


 なぜ「Intermission」について書いたのか。昨日は伊藤 詩織さんの件に関する判決が言い渡されており、今日の投稿ではそれについて書こうかと思ったのだが、このところ毎日重い話を、しかも結構な分量で書いており、その件について書くのは大変だから今日は「休憩」にしようという風に思い、思い出したのがIntermissionだったのだ。
 伊藤さんの件については、近日中に改めて書いてもよいとも思ったが、既に多くの記事が書かれ、SNS上でも多くの見解が示されているし、それらと大きく異なる視点や主張も持ち合わせていないので、昨日から今日にかけて自分が投稿したツイートを、時系列順に並べることにする。












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