「あきらめたら そこで試合終了ですよ…?」はバスケットボール漫画最大のヒット作、スラムダンクの中でも、1,2を争う名言だ。自分の世代より少し上の人に「やっぱりバスケットボール漫画と言えばスラムダンク」って言うと、「いやダッシュ勝平が…」という話が出てくるし、少し下の世代だと「黒子のバスケでしょ…」という話が出てくる。自分達の世代でも、スラムダンク以前からバスケットボールをやっていた奴に聞くと「Dear Boysもある」という話も出てくる。
個人的には、バスケットボールはごっつい選手が有利なスポーツだと思っているので、前段で挙げたバスケットボール漫画の中で、男くささのあるキャラクターデザインの最も多いスラムダンクが好きだ。主人公の桜木 花道の髪型・赤く染めた坊主頭と、リバウンド王を目指すという、当時の人気選手だったデニス ロッドマンを明らかに意識している設定も、自分がスラムダンク推しである理由だし、赤城先輩も「パトリック ユーイングだなぁ…」と思いながら読んでいた。
スラムダンクを読んでいて、トップ画像の場面に感動した人も結構多いのではないだろうか。「諦めが肝心」という慣用句も日本語にはあるが、間違いなく諦めたらいけないこともある。例えば、昨日の投稿でも書いた、#検察庁法改正案に抗議します なんてのもその1つで、これを諦めるのは、日本の法治・民主主義を否定することにも繋がる。
なぜ #検察庁法改正案に抗議します の件を諦めることは、日本の法治・民主主義を否定することにも繋がるのか。その経緯や懸念の解説は、
【サンデーモーニング】2020年5月10日放送 黒板解説「検察庁法改正案」解説:青木理 - YouTube
などが分かりやすい(どちらも内容は一緒。2つ目はYoutube動画が消えた時の為のアーカイブ)。また、「いったい検察庁法改正案の何に抗議しているのか|徐東輝(とんふぃ)|note」などが更に詳しく解説しているので、ここでは詳細については割愛する。
昨日、#検察庁法改正案に抗議します は1日中ツイッターの投稿数上位に位置していた。「東京新聞:#検察庁法改正案に抗議します 投稿470万件:社会(TOKYO Web)」によると、当該ハッシュタグによる投稿は、
10日午後10時時点で470万件を超えたらしい。しかも、#検察庁法改正法案に抗議します など、微妙に異なるタグによるツイートも結構あり、また昨日の10時以降も同ハッシュタグによる投稿は続いているので、検察庁法改正(というか改悪)に対する投稿の累計は、既に500万を超えているだろう。ちなみに、普段は数千から1-2万程度の投稿でツイッターのトレンドに表示されるので、如何にこのハッシュタグによる投稿が多いかが分かるだろう。
ツイッターのトレンドランキングに常にそのハッシュタグを表示させておくには、コンスタントに同ハッシュタグを用いたツイートを続ける必要がある、という話が昨日の午後あたりから呟かれていた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で物理的なデモがし難い今、Web上でシュプレヒコールをあげ続けるようなものだ。
昨夜風呂に入っていて、ふと1つの #検察庁法改正法案に抗議します に関する動画のネタを思いついた。それがこれだ。
週末が明け月曜になった。もう累計で500万ツイートは超えているだろうか。だが気を抜いてはいけない。物理的デモが難しい今気を抜かず、諦めず状況が動くまで抗議し続けることが大事。— Tulsa Birbhum (@74120_731241) May 10, 2020
安斎先生も言ってた。「諦めたらそこで試合終了」#検察庁法改正案に抗議します #検察庁法改正法案に抗議します pic.twitter.com/o994HpIq60
昨日の投稿に載せたムービーは、昨日の午前中全てを費やして、約6時間程制作に要したが、こちらはそこで使った素材を組み合わせたので、約1時間くらいでつくることが出来た。
ムービーのネタにもしたように、安倍も一応人間であり、おかしなことだけを言うようにプログラムされたアンドロイドではないので、100万弁に1回くらいは、まともなことを言うことがある。
このムービーで使用したのは、2019年党大会演説での発言だ。実際には、
初めから諦めては、何事も達成することはできませんと安倍が言っているのは憲法改正についてである。勿論現自民党が提示している草案や、彼らの憲法観、そして憲法を平気で無視して勝手に解釈を変える総理大臣が主導する憲法改正は諦めてもらわねば困る。というか、確実に諦めさせる必要がある。
だが、彼がなぜこんなことを言っているのか、という背景を考え、そこから学べることもある。彼は第1次政権での挫折の後も諦めずに政治家を続け、再び自民党総裁となり、2012年に民主党から政権を奪還した、という成功体験があるし、政権の座についてからも、日報隠蔽、森友加計問題、数々の大臣ら閣僚の失脚、桜を見る会の問題など、これまでなら間違いなく政権が吹き飛んでいたような事態を、諦めずに強引な主張を通すことで乗り越えてきた、という成功体験もある。だから安倍は、現状では実現性が薄いと思われている憲法改正についてもこんなことを言っているのだ。
一方で今の野党やアベの政治に不満を持つ人達はどうだろうか。前述のような、これまでなら間違いなく政権が吹き飛んでいた事案が何度もあったのに、ことごとく退陣に追い込めていない。つまり成功体験に乏しいのが実状である。あちら側には成功体験があり、こちら側は著しく成功体験に乏しく、これまで常にどこか諦めムードがあった、ことは否定できない。
韓国ではしばしば市民運動によって政権が退陣に追い込まれる。その背景には、1987年6月に、戦後それまで続いてきた軍事政権を打倒し、民主化を勝ち取ったという成功体験の影響が確実にある(民主化宣言 - Wikipedia)。「自分達が声を上げることは決して無駄ではない。諦めてはいけない、自分達こそが国の主権者である」という認識が、韓国国民には、間違いなく日本よりも根付いている。
F1やMotoGPなどレース界隈で、それまで10位前後をウロウロしていた選手が、1回表彰台に上った後急に表彰台の常連になる、ということがしばしばある。中には初優勝から突然連勝し始めるなんてこともあったりする。 そういう現象を一部の解説者や評論家が「勝ち方を覚えた」と表現したりする。
最初の表彰台に上がった頃にマシンが改良されたとか、メカニックが変わったとか、チーム体制に変化があったとか、成績向上の要因は他にあるのかもしれないが、1度表彰台に上ったことによって、自分のレース運びに自信が持てるようになったとか、他の選手と競った際に尻込みしなくなったとか、レースにより慣れた、自分に自信が持てるようになったなど、選手自体のメンタル面での成長も確実にあるんだろう、と自分は思う。
それは他のスポーツや仕事などでも同じで、1度の成功体験によって、それが些細なことであっても、大きく状況が好転する、ポジティブになるなんてのは結構ある話だ。
昨日の投稿の中で、
これ(掲載したリミックス曲/ムービー)を作るのに、いくつかの音のサンプルが必要で、それを探す為に、安倍の最近の演説を3本、およそ90分も聞き返す作業が最も苦痛だった。どれも口から出まかせ、ご都合主義丸出し、都合の悪い事には一切触れない演説を90分も集中して聞くのが。と書いた。安倍の話には為になる部分など殆どない。だが、彼が2019年党大会で述べた、
初めから諦めては、何事も達成することはできませんについてだけは、安倍の政治に不満がある側も学び、見習うべきだ。