先週末に引き続き、ツイッター上では検察庁法改正に反対する抗議行動が起きている。ツイッターで #検察 と入力しても、最も多い投稿数のハッシュタグではなく、そのハッシュタグへのアンチタグや、投稿数の少ないハッシュタグが予測変換上位に表示されることによる、幾つかのハッシュタグへの投稿の分散が見られ、見かけ上は先週末の #検察庁法改正案に抗議します ほど1つのハッシュタグでの投稿数は多くない。だが確実に抗議する旨の投稿は多く、今週も抗議の声は上がっている。
今週末主に用いられているハッシュタグは、この投稿のタイトルにもした #週明けの強行採決に反対します だ。個人的には、現在の改正案の内容では、週明けだけではなく未来永劫反対なので、このハッシュタグには少し違和感もあるが、結局「反対」であることに変わりはないし、現在多数派であるこのハッシュタグに乗ってツイートした方が合理的だろう。
政府や与党からは、
- 1人が100万の声をでっちあげられる世界
- 600万かどうかは定かでない
- ネット意見へのコメントを控える
東京新聞:法解釈では無理だった!? 黒川氏人事で検察庁法改正案一変 批判浴び「事後正当化」:政治(TOKYO Web)
で指摘されているようなことに、全く合理的に反論出来ていないような内容の、批判とも呼べないような、見当違いや、恣意的に論点をずらした見解が示されることも少なくない。そもそも、応援団だけでなく、この法案の責任者である法務大臣や、内閣委での審議に出席した行革大臣、そして首相や官房長官ら政府関係者も全く妥当性のある説明が出来ない状態だ。しかも説明できないことについて、「運用開始までに説明するので問題ない」のようなことまで言っている。今は法案の合理性を説明できないが、運用開始までに説明するのでとりあえず成立させよう、だなんて、法治の何たるかを理解していないのが現在の日本政府だと言わざるを得ない。
これまで政治にあまり興味を持ってこなかったが、今回初めて政治的主張をした人達も多いようだが、そんな人達は、妥当性の低い見解でも断定的に示されると、ひるんでしまうことも決して少なくないだろう。そのようなことを勘案してこの画像を作ってツイートした。
この画像の元ネタは、戦中にドイツ空軍の空爆に晒された英国で、政府が国民に向けて「落ち着いて冷静に、普段の生活を続けよう」と呼びかけたポスターだ。Keep Calm and Carry On - Wikipedia によると、限られた数しか用いられなかったため、大戦当時はほとんど知られることがなかったそうだが、2000年に再発見され、これをもじったイメージや広告などがこれまでに複数作られている。また、小物や衣類装飾のモチーフとしても用いられるようになっている。
王冠は恐らく、英王室/イギリス(UNITED KINGDOM)を意味しているのだろうが、そのモチーフは今回の呼びかけに相応しいとは言えない。なのでここにどんな画像を置くかを検討し、当初は抗議/反抗の象徴として、アナキズムのシンボルのどれかを用いることも考えたが、
日本ではそれ程認知されているとは思えず、もっとわかりやすいものを作ることにした。
今回のムーブメントは検察庁法改正反対なのだが、新型コロナウイルスへの杜撰な対応、そして桜を見る会の問題や、森友加計学園問題などそれ以前からの複数/多数の問題も勘案すれば、最早安倍自民党政権への反対/抗議運動の様相も強い、という思いから、次のイメージを作った。
この画像の真ん中にある「STOP改悪」というコピーには、ハッシュタグは 検察庁法改正案に抗議/反対 だが、実際には「改正」ではなく「改悪」であり、改悪を止める、止めたい、止めなくてはならない、という思いを込めている。
どんなに抗議を腐す動きがあっても、自分が違和感・不信感を政治に対して感じているなら、声を上げ続けるべきだ。