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メディアと有権者が甘やかすから…


 今度だけは大目に見よう、と一度甘くすると、大概一度だけでは済まなくなり、その後も大目にみることが常態化してしまいがちだ。例えば、健康の為に間食や深夜の食事を控えていても、一度だけという名目でその禁を解くとそれが常態化してしまいがちだ。また、禁酒や禁煙にも似た側面があり、付き合いだから一杯だけ・一本だけと大目にみると、一杯だけ・一本だけが常態化して禁酒や禁煙が形骸化してしまう場合が多い。

安倍首相、持続化給付金めぐり「無駄があってはならない」|TBS NEWS


によると、安倍首相は6/14、ニコニコ動画の特別番組「安倍総理が新型コロナ対応についてみんなの質問に答える生放送」に出演し、コロナ対策などについて視聴者からの質問に答えたそうだ。
 その中で、現在国会で追求されている、持続化給付金支給事業の委託経緯が不透明であることについて、
それぞれの分野においてですね、得意な企業がいますので、それぞれ得意なところにですね、再委託をしていただいているのだろうという説明を受けています
と述べている。そもそも、行政府の長、つまり責任者である者が「という説明を受けています」という、責任逃れを前提としているとしか思えない表現を用いていること自体に不信感を覚えずにはいられない。報告をする者の任命者は自身であり、まともな報告がされないならそれも自らの責任なのに、将来発言の不備を指摘された際に「私は受けた報告に基づいて述べただけ」と言い逃れる為の布石を打っているとしか思えない。
 そして、「得意な企業がいるのでそれぞれ得意なところに再委託している」ということは、今の政府には、得意な企業を選定する能力がない、どの企業が最も適切な委託先かを選定することを放棄する、という宣言のようにも見える。
 それはつまり責任能力、政権運営能力の欠如の告白でしかないので、さっさと総辞職して貰いたい。

 百歩譲って国の事業の委託、委託先からの再委託・再々委託(その先、確認できるだけでも8次受けまであるそうだ)が妥当だったとする。だが安倍は、昨日国会で、当初申請後2週間で給付されるとしていた持続化給付金が、1ヶ月以上経ってやっと入金されるケース、1ヶ月以上経ってもまだ入金されないケースがおよそ5000件以上もあることについて、「委託先に問題があるのではないか」と問われ、
現場がぼーっとしていて何もやっていないのでは全くないんですよ。
申請する方も人間ですから、(申請された)書類の中に様々な課題や、課題と言うか問題があったのは事実なんですよ。
と答弁した。つまり、給付業務を委託された事業者ではなく申請する側、つまり国民の問題である、というのである。果たしてそれは実態に即した真実と言えるだろうか。次のTBS NEWS23の報道で例示されている、給付申請者の話を見る限りそうとは思えないし、似たような話は自分の周辺でも多く耳にする。申請する際に不備が生じるような構造を作った委託された事業者、そのような程度の運営能力しかない事業者へ委託した政府の問題から目を逸らし、つまり、安倍は自身の責任を、国民へ擦り付けたとしか言いようがない。

“コロナ給付金”で最終攻防|TBS NEWS


 このような強引な責任逃れが常態化し過ぎている。メディアと有権者が甘やかすからこうなっているんだと強く感じる。


 このTBS NEWS23の映像だけでも、その責任逃れの強引さは明白で、反論するにしても、「安倍首相は頑張っている」のような最早信仰としか言いようがない話か、重箱の隅を楊枝でほじくるような揶揄しか出来ないだろう。だが、「安倍は全く頑張っていない(責任逃れと利権追求だけは頑張っている)か」を更に明白にする為に、重箱の隅を楊枝でほじくるような下らない揶揄、論点ずらしをさせない為に、この数日間にTBS NEWS23
が報じた映像を引用して掲載しておく。
 現在個人的には、TBSを含むテレビ局報道の全てに強い不信感を持っているが、TBSのNWES23と報道特集だけには今も一目置いている。

渦中の法人がオフィス公開|TBS NEWS(6/9)


 持続化給付金事業を委託されたが、業務をほぼ電通に再委託しているサービスデザイン推進協議会が、野党などに実態のない幽霊法人では?と追及され、オフィス内部を公開した様子、サービスデザイン推進協議会の元代表理事の、給付金事業受託を「事後的に聞かされた」「私は報酬も受けていない飾り」という発言、この元理事の退職後、サービスデザイン推進協議会の代表理事に電通グループの役員らが就任したことなど。

給付金事業“丸投げ”法人のナゾ|TBS NEWS(6/10)


 前日にオフィスを公開したサービスデザイン推進協議会へ翌日再び訪問したところ、もぬけの殻だったこと、経産大臣や経産省が、事業の再委託・再々…委託を把握できていないこと、つまり全く管理がなされていないこと、事業の再々委託を受けた中に、過去に、元中小企業庁長官/現首相補佐官の長谷川 榮一氏が顧問を務めていた企業があることなど。

コロナ給付金“丸投げ”法人の新たなナゾ|TBS NEWS(6/11)


 持続化給付金支給業務をサービスデザイン推進協議会へ委託した責任者の中小企業庁長官・前田 泰宏氏が、視察先のテキサスで毎年パーティを開いており、そこへサービスデザイン推進協議会で給付金事業執行責任者を務める、元電通の平川氏が参加していたこと、持続化給付金の給付が滞っている中、賭け麻雀で辞職した黒川検事長へ5900万もの退職金が振り込まれること、その妥当性を問われ「法務省や検察庁が決めること」とした安倍の責任逃れ発言、政府と与党が国会会期を延長せずに6/17に閉会させる目論見であることを指摘され、「国会の延長は国会が決めること」と言う安倍、衆参いずれかの1/4の議員による要求があれば、内閣が国会を召集しなくてはならないという規定が憲法にあること、安倍内閣は憲法に反し、その要求に応じていないケースが過去に複数あることなど。

終盤国会「前田ハウス」で攻防|TBS NEWS(6/12)


 持続化給付金支給業務をサービスデザイン推進協議会へ委託した責任者の中小企業庁長官・前田 泰宏氏が、視察先のテキサスで毎年開いており、サービスデザイン推進協議会で給付金事業執行責任者を務める、元電通の平川氏も参加していたパーティ「前田ハウス」の詳細、内閣官房へ電通から4名が出向していることなど。


 トップ画像は、Photo by Heather Ford on Unsplash を加工して使用した。

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