スキップしてメイン コンテンツに移動
 

全国の感染者数増を、都の感染者数増を強調することでカモフラージュしている?


 カモフラージュとは、フランス語の Camouflage に由来する表現で、周囲の状況に溶け込むことで発見されないようにする為の手法である。単に「隠す」のではなく、周囲に溶け込み/溶け込ませて目立たないようにする、というのがカモフラージュを理解する上でのポイントだろう。

 最近はダウンロード販売があるので、誰にも会わずにポルノを手に入れることが簡単に出来るが、ネットが本格的に普及する以前は、コンビニ・本屋などに買いに行くか、レンタルビデオ店で借りるかしかなかった。当時、自分はアダルトビデオだけを借りるのが恥ずかしくて、借りる時は必ず、映画2本+アダルトビデオ1本の計3本という借り方をしていた。アダルトビデオを借りることはどうやっても店員に知られるのだが、アダルトビデオはついでに借りたんだよ、という体裁を作っておきたかった。
 これもアダルトビデオを映画に溶け込ませようという、カモフラージュの一種だろう。


 新型コロナウイルスの新規感染者が再び増えている状況で、政府がGoToトラベルなるキャンペーンを強引に始めようとしている。あちらこちらで異論が起き、それを受けて政府はまず東京を除外、そして若者や高齢者の団体を除外するなど、既に混乱が生じている。

GoToキャンセル殺到 業者悲鳴「なぜ東京だけ」「致命的」 秋以降も影響 - 毎日新聞


 この件については 7/16の投稿などで、どれだけ馬鹿げたことなのかを書いたので、その部分については割愛する。この投稿では、メディアの報道が政府のこの方針に忖度しているのではないか?という疑念について書く。

 新型コロナウイルス感染症まとめ - Yahoo! JAPAN によると、昨日・7/18の全国的な新規感染者は663人だ。前日比で67人、7月に入ってから間違いなく増加傾向にあり、最早これまで最も新規感染者が多かった4月を超えそうな勢い、というか既に超えていると考えることも出来そうだ。感染者数が最も多いのは東京都だが、7/18の東京都の新規感染者数は290人で、間違いなく東京だけでなく、大都市圏を中心に全国的に感染が増えている。


 しかし、メディアの多くは大都市圏、特に東京での感染者数増にばかり注目した記事を掲載している。主要な新聞、在京キー局のサイトで「感染者」で、7/18の記事と、投稿を書いている7/19昼頃までの記事を検索したのが、次の結果である。

読売新聞

朝日新聞

毎日新聞

NHK

日本テレビ

TBS

テレビ朝日

フジテレビ

テレビ東京


 全国の感染者数増に関する記事を掲載しないメディアがあることに驚く。全国の感染者数に記事内では触れているケースもあるが、大体は都の感染者数増の記事にひっそりと添えてある。つまり都の感染者数増の方を強調している記事だ。また、日本テレビのように、全国の感染者数に関する記事を掲載していても、明らかに都の感染者数増の方を全体として強調しているメディアもある。

 メディア報道に強い不信感を抱いている所為もあるだろうが、このような傾向を目の当たりにすると、政府が都を除外してGoToキャンペーンを強行しようとしていることに、メディア側忖度し、若しくは首相らと会食をするような間柄のメディア関係者が関与して、全国的な感染者数増については積極的に触れず、都の感染者数増を強調することで、政府の意向の妥当性を補完しようとしているのではないか?と感じてしまう。


 トップ画像は、File:JGSDF Type73 Kogata Truck (camouflage) 20100110.JPG - Wikimedia Commons を加工して使用した。

このブログの人気の投稿

話が違うじゃないか

 西麻布に Space Lab Yellow というナイトクラブがあった。 一昨日の投稿 でも触れたように、日本のダンスミュージックシーン、特にテクノやハウス界隈では、間違いなく最も重要なクラブの一つである。自分が初めて遊びに行ったクラブもこのイエローで、多分六本木/西麻布界隈に足を踏み入れたのもそれが初めてだったと思う。

マンガの中より酷い現実

 ヤングマガジンは、世界的にも人気が高く、2000年代以降確立したドリフト文化の形成に大きく寄与した頭文字Dや、湾岸ミッドナイト、シャコタンブギなど、自動車をテーマにしたマンガを多く輩出してきた。2017年からは、頭文字Dの続編とも言うべき作品・MFゴーストを連載している( MFゴースト - Wikipedia )。

インターミッション・途中休憩

  インターミッション/Intermission とは、上映時間の長い映画の途中に制作者が設ける「途中休憩」のことだ。1974年公開の「ゴッドファーザー2」も3時間20分の上映時間で、2時間を超えたあたりにインターミッションがある。  自分がインターミッションの存在を知ったのは、映画ではなく漫画でだった。通常漫画は1つの巻の中も数話に区切られているし、トイレ休憩が必要なわけでもないし、インターミッションを設定する必要はない。読んだ漫画の中でインターミッションが取り上げられていたので知った、というわけでもない。自分が初めてインターミッションを知ったのは、機動警察パトレイバーの3巻に収録されている話の、「閑話休題」と書いて「いんたーみっしょん」と読ませるタイトルだった。

馬鹿に鋏は持たせるな

 日本語には「馬鹿と鋏は使いよう」という慣用表現がある。 その意味は、  切れない鋏でも、使い方によっては切れるように、愚かな者でも、仕事の与え方によっては役に立つ( コトバンク/大辞林 ) で、言い換えれば、能力のある人は、一見利用価値がないと切り捨てた方が良さそうなものや人でも上手く使いこなす、のようなニュアンスだ。「馬鹿と鋏は使いよう」ほど流通している表現ではないが、似たような慣用表現に「 馬鹿に鋏は持たせるな 」がある。これは「気違いに刃物」( コトバンク/大辞林 :非常に危険なことのたとえ)と同義なのだが、昨今「気違い」は差別表現に当たると指摘されることが多く、それを避ける為に「馬鹿と鋏は使いよう」をもじって使われ始めたのではないか?、と個人的に想像している。あくまで個人的な推測であって、その発祥等の詳細は分からない。

フランス人権宣言から230年、未だに続く搾取

 これは「 Karikatur Das Verhältnis Arbeiter Unternehmer 」、1896年ドイツの、 資本家が労働者を搾取する様子を描いた風刺画 である。労働者から搾り取った金を貯める容器には、Sammel becken des Kapitalismus / 資本主義の収集用盆 と書かれている。1700年代後半に英国で産業革命が起こり、それ以降労働者は低賃金/長時間労働を強いられることになる。1890年代は8時間労働制を求める動きが欧米で活発だった頃だ。因みに日本で初めて8時間労働制が導入されたのは1919年のことである( 八時間労働制 - Wikipedia )。