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政治は結果責任

 英語に明るくない自分などは、「結果」の英訳と言えば result としか頭に浮かばない。しかし英語には結果を表す単語が他にも、outcome, effect, consequence などがあり、微妙にニュアンスが異なる。またくだけた表現だと、fruits も(良い)結果のという意味で用いられるようだ。政治や政策の「結果」に関しては、political outcome, political consequences が一般的なようである。


 菅政権が基本的に踏襲すると公言している前政権の首相・安倍は、政権交代当初から「政治は結果」「政治は結果責任」と言って、野党に陥落した民主党らの批判や指摘を交わしてきた。

 しかしこの男が政権奪還当初に掲げた、2年で物価上昇率2%という目標は、何回も達成期限の延期を繰り返した挙句、今もまだ達成されていない。また、女性活躍というスローガンと共に「2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%程度に上昇させる」という目標も掲げたが、この目標も今年・2020年になっても達成できず6月に、2030年までの可能な限り早い時期というあまりにもいい加減で曖昧な期限に延期した。そしてコロナ対応に関しても安倍は結果を出せないどころか、かなり迷走した。

「政治は結果」と豪語した安倍は、このように看板政策で結果を出せなかったにも関わらず、8/28に辞意を表明した際に

政治で最も重要なことは結果を出すことだ。7年8カ月、結果を出すために全身全霊を傾けてきたが、病気と治療を抱え、体力が万全でない苦痛の中、大切な政治判断を誤る、結果を出せないことがあってはならない

と述べた(安倍首相が辞任を正式表明「苦痛の中、政治判断を誤ることがあってはならない」 - SankeiBiz(サンケイビズ):自分を磨く経済情報サイト)。
 政治は結果が全てだと豪語していたくせに、最後には「結果を出すために全身全霊を傾けてきた」と、つまり結果を出す為に最大限の努力をしたと言ったのである。結果が全てと言っていたくせに、「最大限の努力はした」とは言い訳がましいとしか言いようがない。
 付け加えれば、自分は病に侵されているので「大切な政治判断を誤る、結果を出せないことがあるかも」と言っているのに総理大臣を辞めただけで、国会議員には居座っているというは一体どういうつもりだろう。総理大臣としては結果を出せないけど、国会議員としては出せる?いやいやどちらも同じ政治家だ。このような姿勢は無責任極まりない。

 「政治は結果」と豪語していた安倍の下で西村がコロナ対応担当の大臣に任命された。西村は7月、直後に実施予定だった旅行促進政策・GoToトラベルについて、立民・杉尾議員「東京由来の感染者が地方で増えてるんですよ。医療体制が極めて厳しい地方で起きたら、どうするんですか。観光庁が責任とるんですか、誰が責任とるんですか」と問いただされ、

政治がさまざまな事柄について結果の責任を負うというのは当然のことです

と述べている。

GoTo 西村大臣「政治が結果責任負う」|日テレNEWS24 

 数日前まで首相を始め政府関係者は、新型コロナウイルス感染が再々拡大しているにも関わらず、GoToナンチャラを止めるべきエビデンスはない、などとして継続の意向を強硬に示していたが、3連休が始まった初日の土曜日に突然方向を転換して見直すと言いだした。

経済重視→一転GoTo見直し…「専門家無視できない」 [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル

 どんなに感染状況が悪化していようが、これまで「GoToナンチャラに感染拡大との因果はない」という姿勢で、今もその姿勢は変えていないのに、なぜ見直す必要があるのか。全く筋が通っていない。政府お抱えの御用専門家である尾身も、7月にGoToナンチャラの正当化の為に、

尾身会長「旅行自体に問題はない」との見解|日テレNEWS24

旅行自体が感染を起こすことはないですから、もしそれが起きていれば日本中は感染者だらけ

と言っていた。だったら旅行促進政策を見直す必要なんてどこにもないはずだ。

 「政治が結果責任を負う」と豪語して始めたコロナ危機下での旅行促進政策だが、一体誰がどのように現状についての責任を果たすつもりなのだろうか。恐らく彼らは、週明けにでも「GoToトラベルが感染を再拡大させたというエビデンスはないが、感染が拡大している以上政策を見直さざるをえない」という論法で逃げるつもりだろう。だがしかし、そもそも政府は新型コロナウイルス感染拡大を抑え込む政策を行わなければならない立場であり、台湾や韓国、ニュージーランドなどのように、既にかなり感染を抑え込んでいる国があるのに、日本では再々拡大が起きている。しかもその勢いは過去最大である。

新型コロナウイルス感染症まとめ - Yahoo! JAPAN

 つまり、

 GoToナンチャラの妥当性以前に、感染の再々拡大を防げなかったという結果についての責任を、政府は負わなければならない。有権者やメディアは政府に問わねばならない

 

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