スキップしてメイン コンテンツに移動
 

朝令暮改 政治家が国を亡ぼす

 朝出した命令が夕暮れには変わっている、という話が元になっている四字熟語「朝令暮改」は、法令/命令等が頻繁に変更されて一定しないことを指す(朝令暮改 - Wikipedia)。そこから転じて、法令や命令に限らずコロコロと話が変わる、一定しないことなどを指す場合にも用いられる表現だ。


 朝令暮改どころか、同じ日の国会で相反する話を平気でするのが今の自民党政権だ。昨日・11/30の本会議で首相の菅が、

GoToトラベルが新型コロナウイルス感染拡大の主要因とする証拠はない

と主張する一方で、厚労大臣の田村は、配布当時も現在も市中で着用している人を全く見ない、政府が配布したアベノマスクと揶揄された布マスクについて、

国民の皆様より感謝や御礼の声もいただいており、一定の効果はあった
個々の対策がどの程度寄与するか数字を示すことは困難

と述べた。

一方で「データがないからその批判はあたらない」と主張し、一方で「データはないがその批判はあたらない」と主張する。こんなことを平気で言うのが今の自民党政権である。
 まず後者に関して、データもなくなぜ効果があったと言えるのか。全く理解できないし非論理的だ。また前者に関しても、都合の悪い調査結果が出るとまずいので、GoToと感染拡大に関する調査をまともにやっていない、だからデータがない状態であるとしか言えない。ハッキリ言って、言っていることは詐欺師と変わらない。しかも簡単にバレることを平気で言うかなり低レベルな詐欺師だ。
 こんなにも非論理的でデータを軽んじる詭弁屋達が、

GoTo停止 官邸「東京まだ逼迫してない」 札幌・大阪発自粛要請 - 毎日新聞

などと言っているのだが、そんな話を誰が信じるのか。SNSには医療関係者の不満と悲鳴が溢れているし、コロナ危機による経営の悪化を受けた賞与のカットなども報じられている。責任問題になることを恐れ自分達の不備を受け入れられず、現実を直視しない政府によって、日本は70年前の戦争で多くの犠牲者を出し、原子爆弾を投下されるまでに至り国中に焼け野原が広がった。このままでは同じ過ちを繰り返すことになるだろう。

 おかしな話は他にもある。11/29のNHK・日曜討論に出演した自民党の野田 聖子は、「国民の不安を取り除くために、国会では桜前夜祭を巡る安倍晋三前首相の虚偽答弁問題より、コロナ対策に時間を割いて欲しい」と主張した。

蓮舫氏「桜よりコロナ」の野田聖子氏に「最も大きな不安は総理大臣の嘘」と反論_芸能_デイリースポーツ online

 記事にもあるように、この野田の主張に対して立民・蓮舫氏は、

野田聖子さんが言う『国民の不安』を取り除くための国会ならば、最も大きな『不安』は時の総理大臣が国会で1年間も嘘をつき続けてきたことです
安倍総理、菅官房長官の虚偽答弁が許されるなら、立法府の議論は何を信頼すればいいのか

と反論したそうだが、まさにその通りとしか言いようがない。
 野田の話がかなり幼稚な詭弁である理由は他にもある。そもそも桜を見る会の問題について、嘘を重ねてはぐらかしにはぐらかし続けてきたのは前政権とそれを継承する現政権である。そしてそれをずっと擁護してきたのは自民党だ。昨年政府が嘘を吐かず自民党がそれを擁護しなければ桜を見る会の問題はとっくに終わっているはずだった。つまりこのコロナ危機下で桜を見る会の問題を未だに国会で議論しなくてはならないことの責任は、これまで嘘を吐きそれを擁護してきた政府と自民党にある。その自民党の政治家が何を言っているのか、という感しかない。
 また、通常国会の会期を延長要求に応じず、憲法規定に基づく臨時国会招集の要求も無視して開会を伸ばしに伸ばし拒み続けたのは一体誰か。間違いなく政府と自民党だ。それを無視して「桜よりもコロナを議論しろ」だ? 議論することがないから国会を開く必要はないと言っていたのはどこの誰だ。あなた達自民党ではないか。馬鹿も休み休みにして欲しい。
 更に言えば、自民党は野党側の臨時国会の延長要求に応じない姿勢も示している

立民、臨時国会を年末まで延長要求「休むのはおかしい」 - 産経ニュース

 野田が言っているのはつまり、桜を見る会の問題を追求されるのは、自民党として都合が悪いので止めてくれ、以外の何ものでもない。首相らの虚偽答弁とコロナ対策の議論は、会期を増やせば共に充実できるのに、会期を最小限にとどめようとしつつ「コロナの議論を優先しろ」というのはあまりにも筋が悪すぎる。

 朝令暮改の例は他にもある。 維新の吉村も野田と同じ様なことを言っている。

吉村大阪府知事「桜よりもコロナでしょ」と苦言も…コロナ禍で住民投票を強行したのは誰? 東スポ

安倍前総理の桜(を見る会の前夜祭)の話とか(日本)学術会議の問題は国民の命にはかかわらないが、コロナは国民の命にかかわる問題ですから。メディアの皆さんが果たすべき役割は多いんじゃないか。野党も桜を取り上げた方が皆さんに取り上げられるけど

東スポの記事が指摘するように、コロナ危機そっちのけで、都構想と称する2015年に一度住民投票で否定された大阪市廃止政策の是非を問う住民投票を、この11月に再び行ったのは一体どこの誰か。
 「都構想よりもコロナでしょ」と言われたら吉村は一体何と答えるつもりだろう。詭弁屋であることはもう分かり切っているので、どうしようもない詭弁を強弁するだけなのは目に見えている。

 トップ画像は、M. MaggsによるPixabayからの画像A画像Bmohamed HassanによるPixabayからの画像 を組み合わせて加工した。

このブログの人気の投稿

話が違うじゃないか

 西麻布に Space Lab Yellow というナイトクラブがあった。 一昨日の投稿 でも触れたように、日本のダンスミュージックシーン、特にテクノやハウス界隈では、間違いなく最も重要なクラブの一つである。自分が初めて遊びに行ったクラブもこのイエローで、多分六本木/西麻布界隈に足を踏み入れたのもそれが初めてだったと思う。

マンガの中より酷い現実

 ヤングマガジンは、世界的にも人気が高く、2000年代以降確立したドリフト文化の形成に大きく寄与した頭文字Dや、湾岸ミッドナイト、シャコタンブギなど、自動車をテーマにしたマンガを多く輩出してきた。2017年からは、頭文字Dの続編とも言うべき作品・MFゴーストを連載している( MFゴースト - Wikipedia )。

読書と朗読を聞くことの違い

 「 本の内容を音声で聞かせてくれる「オーディオブック」は読書の代わりになり得るのか? 」という記事をGigazineが掲載した。Time(アメリカ版)の記事を翻訳・要約した記事で、ペンシルベニア・ブルームスバーグ大学のベス ロゴウスキさんの研究と、バージニア大学のダニエル ウィリンガムさんの研究に関する話である。記事の冒頭でも説明されているようにアメリカでは車移動が多く、運転中に本を読むことは出来ないので、書籍を朗読した音声・オーディオブックを利用する人が多くいる。これがこの話の前提になっているようだ。  記事ではそれらの研究を前提に、いくつかの側面からオーディオブックと読書の違いについて検証しているが、「 仕事や勉強のためではなく「単なる娯楽」としてオーディオブックを利用するのであれば、単に物語を楽しむだけであれば、 」という条件付きながら、「 オーディオブックと読書の間にはわずかな違いしかない 」としている。

あんたは市長になるよ

 うんざりすることがあまりにも多い時、面白い映画は気分転換のよいきっかけになる。先週はあまりにもがっかりさせられることばかりだったので、昨日は事前に食料を買い込んで家に籠って映画に浸ることにした。マンガを全巻一気読みするように バックトゥザフューチャー3作を続けて鑑賞 した。

敵より怖いバカな大将多くして船山を上る

 1912年に氷山に衝突して沈没したタイタニックはとても有名だ。これに因んだ映画だけでもかなり多くの本数が製作されている。ドキュメンタリー番組でもしばしば取り上げられる。中でも有名なのは、やはり1997年に公開された、ジェームズ キャメロン監督・レオナルド ディカプリオ主演の映画だろう。