スキップしてメイン コンテンツに移動
 

子どもの頃は行きたい飲食店のトップを争っていたのに…

 現在はグループ名としてのみ残っているが、当時は自分の住む地域ではファミリーレストランと言えば…的な存在だったすかいらーくと並んで(すかいらーく - Wikipedia)、マクドナルドは子どもの頃行きたかった飲食店で1,2を争う存在だった。しかし今では、少なくとも自分にとっては、牛丼店と並ぶ「とりあえずコンビニよりは…」な位置付けの飲食店になっている。

 クルマ移動が多い自分にとって、マクドナルドは専らドライブスルーで利用する店である。時間がある時はラーメン屋や牛丼屋などに寄って食事をするが、時間がなくて運転しながら食事をすることも多く、そうなると選択肢は限られ、コンビニでサンドイッチやおにぎりを買うか、マクドナルドのドライブスルーを利用するかぐらいしか選択肢がなくなるが、マクドナルドのドライブスルーはクルマを下りずに買い物ができるし、コンビニよりはまともな食事をしている気分にもなるし、移動ルート上にマクドナルドがあればコンビニよりも優先度が上がる。幹線道路沿いのマクドナルドには大抵ドライブスルーがあるものだし。

 少し前にTBS「世界くらべてみたら」で、いろんな国のマクドナルドを比べてみるという企画があった。ベジタリアンが多い国インドなどの例外もあるものの、多くの国で最も人気のあるメニューに挙がるのは軒並みビッグマックだった。ビッグマックが人気の理由はそのボリューム感だけでなく、所謂サウザンアイランド風ソース(サウザンドアイランドドレッシング - Wikipedia)も人気の理由なようで、国によってはチキンナゲットのソースにビッグマックソースとしてラインナップしていたり、ソースだけを売っている国もあるようだ(Amazon ビッグマックソース 355ml カナダ版 [並行輸入品] マクドナルド マヨネーズ 通販)。

 自分もビッグマックは好きで、運動部だった高校生の頃などは、ビッグマックセット+他のバーガ―を注目するのが定番だった。だが運転しながら食べる場合にはビッグマックは避ける。何故なら他のバーガーが紙でくるまれているのに対して、あの忌々しい箱のパッケージに入っており、ビッグマックは片手で食べにくく、強引に食べようとすると車内を汚すことになりかねないからだ。また運転中は、ドライブスルー利用後すぐに食べられるとも限らず、箱に入ったビッグマックは、クルマに揺られ箱の中で崩れていることもしばしばである。紙でピシッとくるまれた他のバーガーは、包みの中で崩れることはない。

 うろ覚えで勘違いかもしれないが、一時期ビッグマックも紙で包まれていた時期があったように思う。たしかビッグマックのサイド面をグルっと覆う厚紙が巻いてあり、その上から紙でくるむ包装だった時期があったと記憶がある。また、箱の場合も厚紙が巻いてある時期があったか、若しくは店舗によって違うか、のようにビッグマックの包装にはいくつかのバリエーションがある/あったように記憶している。

 昨日、こんなツイートが話題になっていた。

ビッグマックを注文する際に「ラッピングで」と言えば、紙で包んでもらえるよ、という内容で、恐らく自分と同じ様に箱入りビッグマックは食べにくくて仕方ないと思っている人が大勢いたからこのツイートが話題になったのだろう。添付された写真にはスズキのエンブレムがついた自動車のハンドルが写り込んでおり、恐らくドライブスルー利用、運転しながら食べる、自分と同じ様に感じていた人による投稿だろう。
 しかし現在このツイートをしたアカウントは閲覧者を限定してしまった為、元ツイートを引用することができなくなっている。しかし前述のリンクを見れば、そのツイートへのリプライは見られるし、「こんな裏技があったとは…」ビッグマックをラッピングで注文すると色んなメリットがあることが判明する - Togetter にも、このツイートへの反応がまとめられている。現役/元マクドナルドアルバイトと称するアカウントから、「そういうイレギュラーな注文をされると手間だからやめろ」という旨の反応が多く寄せられており、そんな反応にウンザリしたのか、それとも迷惑がかかるなら…と思ったのか、元ツイートのアカウントは閲覧者をフォロワー限定にしてしまったようだ。

 安い時給で働くマクドナルドのアルバイトが「手間がかかるから止めてくれ」という反応を示すことに何も違和感はない。しかし、このような「食べにくいからどうにかしてよ」という反応に対して、手間だから止めろという反応しかないなら改善はないだろう。勿論そのような改善の責任はアルバイトが負うべきではなく、手間が増えるならその分の対価を企業が従業員へ還元すべきだし、もしくは手間がかからない調理/包装方法を企業側が開発すべきだろう。
 このようなアルバイトの反応を見て思うのは、マクドナルドが如何に労働力を安く買い叩いているか、ということだ。充分な給与を貰っていたらアルバイトでも、そのような手間も請け負わなければならない、と思うだろう。「手間がかかることを言うな」と現役/元従業員の多くが言うということは、マクドナルドはそのようなそれなりのレベルの店である、ということでもある。そんなところに、マクドナルドは子どもの頃は行きたい飲食店のトップを争っていたのに、大人になったらコンビニよりはマシなレベルの位置付けになった理由がありそうだ。

 マクドナルドに限らず、店のレベルを保ちたいなら、従業員の意識を高めたいなら、相応の賃金を払う必要がある。相応の賃金も払わずに高い意識を持って働け、なんてのはやりがい搾取以外のなにものでもない。それは現在深刻な医療界隈でも同じだ。政治家が看護師の賃金が高い云々などと言っていた地域で、今医療従事者が足りないという事態になるのは必然としか言いようがない。


このブログの人気の投稿

マンガの中より酷い現実

 ヤングマガジンは、世界的にも人気が高く、2000年代以降確立したドリフト文化の形成に大きく寄与した頭文字Dや、湾岸ミッドナイト、シャコタンブギなど、自動車をテーマにしたマンガを多く輩出してきた。2017年からは、頭文字Dの続編とも言うべき作品・MFゴーストを連載している( MFゴースト - Wikipedia )。

同じ規格品で構成されたシステムはどこかに致命的な欠陥を持つことになる

 攻殻機動隊、特に押井 守監督の映画2本が好きで、これまでにも何度かこのブログでは台詞などを引用したり紹介したりしている( 攻殻機動隊 - 独見と偏談 )。今日触れるのはトップ画像の通り、「 戦闘単位としてどんなに優秀でも同じ規格品で構成されたシステムはどこかに致命的な欠陥を持つことになるわ。組織も人も特殊化の果てにあるものは緩やかな死 」という台詞だ。

フランス人権宣言から230年、未だに続く搾取

 これは「 Karikatur Das Verhältnis Arbeiter Unternehmer 」、1896年ドイツの、 資本家が労働者を搾取する様子を描いた風刺画 である。労働者から搾り取った金を貯める容器には、Sammel becken des Kapitalismus / 資本主義の収集用盆 と書かれている。1700年代後半に英国で産業革命が起こり、それ以降労働者は低賃金/長時間労働を強いられることになる。1890年代は8時間労働制を求める動きが欧米で活発だった頃だ。因みに日本で初めて8時間労働制が導入されたのは1919年のことである( 八時間労働制 - Wikipedia )。

話が違うじゃないか

 西麻布に Space Lab Yellow というナイトクラブがあった。 一昨日の投稿 でも触れたように、日本のダンスミュージックシーン、特にテクノやハウス界隈では、間違いなく最も重要なクラブの一つである。自分が初めて遊びに行ったクラブもこのイエローで、多分六本木/西麻布界隈に足を踏み入れたのもそれが初めてだったと思う。

馬鹿に鋏は持たせるな

 日本語には「馬鹿と鋏は使いよう」という慣用表現がある。 その意味は、  切れない鋏でも、使い方によっては切れるように、愚かな者でも、仕事の与え方によっては役に立つ( コトバンク/大辞林 ) で、言い換えれば、能力のある人は、一見利用価値がないと切り捨てた方が良さそうなものや人でも上手く使いこなす、のようなニュアンスだ。「馬鹿と鋏は使いよう」ほど流通している表現ではないが、似たような慣用表現に「 馬鹿に鋏は持たせるな 」がある。これは「気違いに刃物」( コトバンク/大辞林 :非常に危険なことのたとえ)と同義なのだが、昨今「気違い」は差別表現に当たると指摘されることが多く、それを避ける為に「馬鹿と鋏は使いよう」をもじって使われ始めたのではないか?、と個人的に想像している。あくまで個人的な推測であって、その発祥等の詳細は分からない。