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必要なのは緊急事態宣言ではなく、実効性のある感染症の拡大防止策

 東京と近県の首長らが政府に緊急事態宣言を出すよう要請し、明日・1/7に緊急事態宣言が出されるそうだ。一方で和歌山県をはじめとした関西の首長らは緊急事態宣言は必要ないと言っている。果たして緊急事態宣言は必要なのだろうか。個人的には必要なのは緊急事態宣言ではなく、実効性のある感染症の拡大防止策だと考えている。


 と言うのも、緊急事態宣言を1/7に再び出すものの、学校に休校の要請は出さないし、コンサートやイベントの厳しい制限も行わず、劇場や映画館も対象としない方針だそうで、つまりほぼ飲食店の営業時間短縮だけが求められるそうで、そんなのは何が緊急事態宣言なのか、骨抜きにも程があるのではないか、という感しかないからだ。

 感染経路不明の感染者が増えているのに、なぜ学校を休校にする必要がないのか。学校に休校を求める必要はない?学校で集団感染と複数報じられているのに、一体どんな根拠でそう言っているのか。

例えば、分散登校が望ましいとか、オンライン授業を行って欲しいとか、そんな要請があるなら一斉休校は求めない、という話も分かるが、そんな報道は一切見かけない。つまり、文科省や政府は学校の感染症対策を現場に丸投げしているにも等しい。そんな無責任な話があるだろうか。

 しかも緊急事態宣言に関連して、飲食の場での感染リスクを減らす為にはテレワークも必要だとして、「出勤者を7割減らせ」とコロナ危機担当大臣の西村が言っている。

テレワークで出勤者7割削減を目指す考え 西村経済再生相 新型コロナウイルス NHKニュース

 飲食の場と言えば、学校では毎日給食や弁当を食べる。企業に出勤を7割減らせと言うのなら、学校にも登校する児童や生徒を7割減らせと要請するのが筋だろう。いや、子どもは大人よりもより厳格に対策すべきで、休校要請を出す、全面的なオンライン授業を促すのが当然ではないのか。
 文科省がそう言わないのは、この半年間ただただ指をくわえていただけで、オンライン授業が充分にできる環境を整えてこなかったからではないのか。出勤云々は民間に丸投げするが、学校では自分達の落ち度を認めることになるので、休校/オンライン授業を要請しないとしか思えない(文科相「一斉休校避けるべきだ」 中高大入試も実施要求:朝日新聞デジタル)。
 理由はどうあれ政府の言っていることが支離滅裂、もう滅茶苦茶なのは明らかで、こんな政府をのさばらせておいたら、収束するものも収束しないのは当然だ。

 昨今、半年ぐらい前に「検査を増やせばは医療崩壊を招く」とか、「コロナウイルスは大したことないのに騒ぎ過ぎ」などと言っていた人達が、そのような過去の自分の主張と矛盾する「医療体制拡充を怠ったことが悪い」のようなことを言い始めている。全然羨ましくないが、自分の過去の振舞いや言説との矛盾が気にならない人は幸せだろう。その時思った事をただただ口にしていればそれで気が済むのだろうから。
 しかし前述のように、今の政府は過去との矛盾ではなく、現時点の対応同士でも矛盾を孕んでいる。つまり、過去の自分の振舞いや言説との矛盾が気にならない人よりも更に性質が悪い。そのような政府を容認・黙認するということは、そのような人達と同じレベルだということになる。日本の有権者は果たしてそれでよいのか。付け加えると、そんな矛盾を積極的に指摘しないテレビや新聞も、政府と共犯か、そうでなくても同じ様なレベルの存在でしかない。

 

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