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福島はアンダーコントロール、の事故から10年目の現実

 私たちは福島を決して忘れません。私たちは、福島第一原子力発電所事故について、「安全意識」「技術力」「対話力」が不足し、事故への事前の備えが出来ていなかったととらえています。福島第一原子力発電所事故の責任を全うし、賠償、復興推進、廃炉を着実に進めてまいります。
 これは、東電ホールディングスWebサイト「福島への責任」というページの最初にある文言である。


 同ページで「事故への事前の備えが出来ていなかったととらえている」としている東京電力だが、福島第一原発3号機原子炉建屋内に設置した地震計2台が、両方とも故障していたのに半年以上放置しており、2/13に発生した震度6弱の地震データを記録できていなかった。

東電が地震計の故障を半年以上放置、福島第一原発3号機で 13日の地震記録できず:東京新聞 TOKYO Web 

 東京新聞の記事には、

東電は地震後の記者会見や公表資料で、地震計の故障に一切触れず、それ以前も公表していなかった。

とある。この地震計が不必要なものだったなら、故障の放置も、地震後の会見でそれに一切触れなかったことも問題はなさそうがだが、記事にある東電側のコメントを見る限り、地震計は必要な設備だったにも関わらず、修理もせず放置されていたようだ。

 東京電力は、2/13の地震直後から、地震による新たな異常は確認されていない、と発表をしてきた。原発周辺で放射線量を測定しているモニタリングポストの値にも変化はない、とも発表していた。

地震発生翌日の2/14には、1~6号機の使用済み核燃料プール近くで水たまりを確認し、地震で冷却水がプールからあふれたとみられるが、建屋外への流出はなかった、周辺の放射線量を測定値にも変化はなかった、という発表もあった。

 このような発表があっても、地震計故障が放置されていたことを勘案すれば、多くの人は「放射線量を測定する装置は本当に機能しているのか?」と不安になるのではないか。放射能は人間が五感で感じられるようなものではなく、一般人は東電や公的機関の発表を信じるより仕方がないのだが、こんなことがあれば、疑心暗鬼が生じるのも当然だろう。

 また東電は、地震発生直後からそれまで異常はないと言っていたのに、2/19に、福島第一原発1号機と3号機で格納容器内の水位が数十センチ低下したと発表した。

1、3号機格納容器の水位低下 福島第1原発、地震の影響か:時事ドットコム

 原子炉内の水位が下がれば再び最悪の事態が生じる恐れもあるが、東電が言うには、今のところは注水は継続しており、そのようなことになる恐れは低いようだが、東電が水位低下を最初に確認したのは2/15だったが、発表までになぜ4日以上もかかったのかという疑問がある。そこから生じるのは、東電はまだ何かを隠しているのでは?という疑念だ。

 当初の異常は確認されていないという発表にも「今のところは」という枕があったし、それを伝える記事には「東京電力では引き続き社員がパトロールをして、設備に影響がないか確認を急いでいます」という文言もあった。事故原発内部は放射能に汚染されている為、容易に確認ができないということもある。
 しかし原子炉内は社員がパトロールできるような場所ではない。安全確認作業はまだ終わっていないという印象を薄めたのは、果たして発表をした東電なのか、報道したNHKなのか、原発を推進したい政府や関係者なのかは分からないが、誰かのそんな意向が東電の発表や報道に反映された、という感じしかしない。それは東電の意向ではなかったのかもしれないが、東電は地震計故障を放置していたのだから、結局は同じ穴の狢なのだ。

 これは、2021年2/23時点での東京電力Webサイトのトップページのスクリーンショットだ。「おうち、まるごと、あんしん。」なんてよくも言えたものだ、という感しかない。これは家庭の水道やガス、電気設備の保守に力を入れていることをアピールしているのだが、自分達の管理する原発で起きた事故処理が杜撰な企業が、どの口で言っているのだろうか。


 少なくとも、東電は地震によって生じた、原子炉内の水位低下を把握し発表するのに、1週間もの時間を要している。2013年、前首相アベが「福島はアンダーコントロール」と言ってオリンピックを招致した。事故発生から10年目に、問題の把握にまだ1週間もの時間を要し、地震計の故障を半年以上放置し、地震が起きてもそれが公表されない状態の、一体何がアンダーコントロールなのだろうか。


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