今年もまた3/11がやってきた。3/11が9/1日以上に大きな意味を持つようになって以来、今年で10回目である。厳密にテレビの番組数や放送時間、新聞記事の数を調べたわけではないが、時の経過と共に、3/11とその前後に、地震や原発事故を振り返る報道の量は減っているように感じるが、今年は10年というある種の区切りだからか、直前の2/13に再び、福島県沖を震源としたM7.3の地震が発生したからか、関連報道の減少傾向に歯止めがかかっているようにも思う。
2/13の地震では、関東でも東日本大震災を強く連想する程の大きな揺れを感じたものの、運よく大きな津波は起きなかった。もしまたあの時と同じ規模の津波が発生していたら…と思うとゾッとする。2/13の地震では陸上でも、東日本大震災や、2016年の熊本地震、2018年の北海道胆振東部地震などのような大規模な被害は起きなかった。しかし全く何も起きなかったわけではなく、地滑りが一部で発生した。
福島・二本松の「エビスサーキット」で大規模な土砂崩れ - YouTube
エビスサーキットはドリフトの聖地と呼ばれている。D1グランプリシリーズの初年度から、毎年開催され続けている唯一の会場だからだ。DRIFT21というゲームでは同サーキットが再現されているし、他のゲームでもMODと呼ばれる公式/非公式の追加データで同サーキットが再現されていることも多い。現地に行くと常に海外から来たドリフト愛好家の姿があるが、金銭的・時間的な制約で来日することが出来ない人達、現地を走る車を用意したり借りたりすることが出来ない世界中の人達が、ゲームやシミュレーターで憧れのエビスサーキットを走っている。
2/13の地震によってエビスサーキットで地滑りが発生した。D1GPとならぶ日本のドリフト選手権であるフォーミュラードリフトジャパンが毎年開催され、昨年はD1GPでも使用された西コースで、流出した土砂がコースを分断してしまう程の深刻な被害が発生した。エビスサーキットでは現在、復旧の為に寄付を募っている。
現在ドリフト競技は世界中で行われるポピュラーなモータースポーツの1つに発展しているが、その歴史はまだ20年と他のモータースポーツに比べてまだまだ浅い。ドリフト競技の始まりは、エビスサーキットがドリフトの聖地と呼ばれるようになった所以でもある、2000年に始まったD1GPシリーズであり、つまり、ドリフト競技は日本発祥のモータースポーツなのだ(全日本プロドリフト選手権 - Wikipedia)。
D1GPは2004年に初めてアメリカ・アーウィンデールスピードウェイでもシリーズ戦を開催した。D1GP北米開催を行った際のアメリカ側の関係者らは、北米で自らのシリーズを行うことも企画し、同じく2004年に開催が始まったのが、今やD1GPと同じかそれ以上のネームバリューを持つドリフト競技シリーズとなったフォーミュラードリフトだ(フォーミュラ・ドリフト - Wikipedia)。フォーミュラードリフトは日本国外初の本格的なドリフト選手権だった。
D1GPとフォーミュラードリフトが、現在の世界各国でドリフト競技が開催される状況を作ったことは明白である。エビスサーキットは、毎年D1GPが開催されている唯一のサーキットというだけでなく、D1GP初年度(当時は全日本プロドリフト選手権として開催)の最初のイベント開催地でもある。つまりエビスサーキットはドリフト競技発祥の地である。昨今の政治家などが好む表現で言えば「レガシー」である。
そんなエビスサーキットが地震によって深刻な被害を受けて復旧の為に寄付を募っているのに、国や自治体などが公的な支援を即座に決めた、というような話は一切聞こえてこない。「クールジャパン」が聞いて呆れる。
元D1ドライバーであり、エビスサーキットが隣接する東北サファリパークの経営者でもある熊久保 重信さんは、冗談交じりにではあるが、一部では後に福島県知事に立候補するのでは?とも噂される経営手腕の持ち主でもあり、既に水面下で公的な支援を取り付けようと動いているかもしれない。しかし日本では、一事が万事対応が遅く、特に現自民党政権下では、なんらかの被害を受けた者への支援は常に後手後手、要請を受けるまで重い腰を上げないことばかりだ。それは地震や台風などの自然災害に限らず、昨年から続くコロナ危機に関しても同様である。
和歌山や鳥取、大阪府寝屋川市など、一部自治体では積極的なコロナ対応がなされているようだが、本来それは国内一律で行われるべきだ。つまり今の政府にはリーダーシップに欠けていることは明白で、厳しく言えば、自民政権は困っている人を見てみぬふりし続ける人達の集まりである。そんな人達にいつまで将来を左右する政治を任せるのか。
今月に入ってからのいくつかの支持率調査では、先月の調査から支持率が上昇したという結果がでているようだが(内閣支持率が9ポイント増の48%、緊急事態再延長78%が評価-報道 - Bloomberg)、コロナ危機対応の駄目さ加減だけでなく、総務省を中心とした癒着が問題となり、政府側は全く説得力のない対応、場合によっては虚偽答弁すら行われているのに、なぜ支持率が上がるのか理解に苦しむ。この期に及んでまだ現政権を支持するという人達には最早怒りすら覚える。