相手が自分にとって都合の悪いことを言おうとする場面で、「わーわーわーわー!聞こえなーい!」と無意味なことを叫んでかき消そうとしたり、耳を塞いで相手の声を聞こえないようにする表現は、マンガなどでしばしば目にする。ドラマ・おっさんずラブでも、吉田 鋼太郎演じる黒澤 武蔵がそれをやる場面があった(「おっさんずラブ」第3の男・眞島秀和の介入で荒れる相関図。捨てられた子犬のような林遣都に来た限界 - エキサイトニュース(3/9))。
政府のコロナ対策分科会会長の尾身は、3/15の参院予算委で、首都圏で感染者数が減らない現状について、
見えない感染源があるのではないかというのが我々の判断
そのことを放置したままにただ延長、また解除をしても本質的な解決にならない。重要なことはしっかりとした現状の把握だ
と述べた。
首都圏下げ止まり「見えない感染源があるのでは」尾身氏 [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル
相手が自分にとって都合の悪いことを言おうとする場面で、「わーわーわーわー!聞こえなーい!」と無意味なことを叫んでかき消そうとしたり、耳を塞いで相手の声を聞こえないようにするのと同様に、
自ら目を覆っているのだから、見えないのは当然だ
としか思えない。
なんのことを言っているのかと言えば、日本における1日の新規感染者数が、昨年末にこれまでで最大のおよそ8000人に達して、今年・2021年の1月に東京都や神奈川県は、保健所の負担軽減を名目に濃厚接触者調査の範囲を縮小した。
「積極的疫学調査」を縮小 高齢者らの対応優先―東京都:時事ドットコム
神奈川県、濃厚接触者調査の範囲縮小 「保健所の負担軽減」 | カナロコ by 神奈川新聞
神奈川新聞の記事には、
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、神奈川県は9日から、市中感染に対する濃厚接触者の調査範囲を縮小し、原則として同居家族らに限定する。濃厚接触者を調べる保健所の業務負担を減らすほか、市中感染がまん延したための措置。
とある。市中感染が蔓延したから検査を減らす、とは全く支離滅裂だ。感染が蔓延しているなら、検査を増やして積極的に感染者を見つけ隔離治療するのが定石だろう。つまり保健所の負担軽減を名目に全く逆のことをしている。保健所の負担軽減の為に検査を減らすなど、定石が実行できないようなリソース不足に陥っていることを認めているのだから、間違いなく医療崩壊の類だ。
検査を絞ったのだから感染源が見えなくなるのは当然で、だから「尾身は今更何を言っているのか、当然の結果ではないか」という感しかない。
に1月以降、日本における検査数は実際減っている。
検査実施件数 | 東京都 新型コロナウイルス感染症対策サイト
国内の発生状況など|厚生労働省
検査数を絞っておいて、今更「見えない感染源」云々と言っているのも滑稽だが、そもそも検査数を絞ったのは、保健所の負担軽減よりも、新規感染者数を表面上少なく見せる為だったのではないだろうか。
尾身には既に、政府の旅行促進政策擁護の為に「旅行は感染を広げない」と言いつつ、その後感染者数が増えたら「旅行促進政策を中止すべき」と言い始めた前科がある。今回もそれと同じ様なことをやっているようにしか見えない。
そんな者が政府のコロナ対策分科会の会長の座にずっと居座っているのだから、日本における新型コロナウイルス感染拡大が収まらないのも当然の結果だ。