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脳の大きさと知性

 一般的に脳が大きい動物程賢いと言われているが、体の大きなクジラは人間の2倍から6倍程度の脳を持っている。この体重が重ければその分脳も大きくなる傾向と知性の関係性を補正した指標として、1973年に考案されたのが脳化指数・EQだ(脳化指数 - Wikipedia)。
 但し、EQが同程度の場合に必ずしも同程度の知能を持つとは限らないそうだ。また、同じ人間でも頭のいい人もいれば悪い人もいるし、個体差も相応にある。


 考えが足りない人をノータリンと揶揄することがしばしばある。これは脳みそが足りない、脳足りん、が由来である(脳足りんとは - コトバンク)。同じ様な表現にピーマンがある。ピーマンは中身が詰まっていないことに因んで、能無しならぬ、脳なしを意味する表現だ。マンガなどでは、頭を振ると小さい脳がその中で、ほおずきのようにカラカラと鳴るような表現が用いられることもある。


 この人達の頭には本当に脳が詰まっているのか?と思うような話があまりにも多過ぎる。例えば、政府が飲食店等に時短営業を要請し、国民に大人数での会食を避けるようにと言っている中で、感染症対策を担う厚生労働省職員23人が、銀座で深夜まで送別会を開いていたことが、数日前に発覚したが、その送別会を開いていた部署の職員が、新型コロナウイルスに感染したと報じられた。感染した6人のうち3人が送別会に参加していた。

厚労省職員23人による会食問題、参加職員3人がコロナ感染判明|TBS NEWS

 送別会は3/24に開かれていて、3人は4/3頃から発熱があり、検査を受けて感染が判明したそうだが、厚労省は「送別会の開催時期と症状の発症に開きがあり、会場で感染した可能性は低い」としてる。新型コロナウイルスの潜伏期間はおよそ14日とされている。送別会で感染した恐れが低いとは全くの詭弁で、送別会で感染していなくとも、当時既に感染していた恐れも否定できない。つまり、送別会の出席者等に感染させた恐れもある。
 そんな主張をする厚労省もどうかしているし、それを批判も指摘もせず、ただただ報じるTBSもどうかしている。官僚もメディアも脳みそが足りていないのではないか。


 聖火リレーに関して、国内のみならず国外からも、新型ウイルス対策が不十分な状態での強行に批判が出ている状況で、政府は東京オリンピック・パラリンピックに出場する日本代表選手を対象に、新型コロナウイルスワクチンの優先的に接種する方向で検討を始めた、と報じられている。

政府、五輪、パラ選手への優先接種検討 | 共同通信

 五輪強行の為に、選手に優先的にワクチンを摂取させるなんて本当にどうかしている。優先されるべきはまず、高齢者や、持病などがあり、感染した際に深刻化が懸念されるような人達と、感染の危険に晒される医療関係者でなければならない。なぜ身体的に健康であるスポーツ選手を優先するという話になるのか、全く理解し難い。
 また、日本人選手だけ優先しても意味がない。オリンピックは選手だけで開催できるものではない。記者など報道関係者、運営スタッフはどうなるのか。全く考え足らずとしか言いようがない、というか、新型ウイルス感染対策よりもオリンピック最優先な姿勢は、最早狂気に満ちているとさえ言える。


 首相の菅は、復興五輪という看板を掲げる東京オリンピックを強行しようというタイミングで、福島事故原発周辺に貯めてある放射性物質に汚染された水を海洋放出する意向を示した。

菅首相 福島原発の処理水海洋放出「近日中に判断」|TBS NEWS

 TBSの見出しは「近日中に判断」だが、他のメディアは、放出を決定する意向であることを見出しで示している。

 毎日新聞は、「汚染処理水処分、憤る東北の漁業者 「安全というなら東京湾に」 | 毎日新聞」という記事も掲載している。見出し通りの、東北の漁業関係者が軒並み反対であるという内容で、「売れ残ったホヤの廃棄処分をせざるを得なかったこともある。そんなに安全というなら、東京湾に運んで放出すればいい」という、三陸沿岸でヒラメやタラなどから放射性セシウムが検出されたことがある宮城県の漁師の話も載っている。
 海に撒いても安全だと言うのなら、東京湾ではなく東京の中心で散水にでも使えばよいのだ。復興五輪と称しているのだから、汚染水は海に撒いても安全であると証明する為には、オリンピック会場周辺や政治の中枢がある永田町周辺、そして日本の象徴たる天皇の住む皇居で、暑さ対策の打ち水にでも使えばいい。まずは皇居の壕に放出してもいいだろう。そういうことができないのに、安全だと言われても全く説得力がない。最早被災地や被災者をバカにしているとすら言えるのではないか。

 また、つい数日前に、

福島第一原発 構内に中身不明のコンテナが4000基|TBS NEWS

とも報じられたばかりである。数か月前に事故原発で地震計が故障したまま放置されていたことが分かり、先月は東電の別の原発でテロ対策設備の故障放置も発覚した。これで東電や政府の言い分を信用しろと言われても無理な注文だ。そんなタイミングで海洋放出だなんて、気が触れいているのか?というレベルだ。


 オリンピックに関連してはそれだけじゃない。JRに車いすを理由に乗車拒否されたと訴えた者に対して(JRで車いすは乗車拒否されました : コラムニスト伊是名夏子ブログ)、SNSなどで「クレーマー」「頭がおかしい」とか「健常者を差別している」など、全く脳みそが足りていないことを言う者が多数いる。日本は「おもてなしの国」だと言ってオリンピックを招致したが、これがおもてなしの国の現実だ。またオリンピックと共にパラリンピックを開催する予定の国の現実である。


 トップ画像は、Gordon JohnsonによるPixabayからの画像 と、b0redによるPixabayからの画像 を加工して使用した。

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