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批判や異論を、クーデター・テロに変えるエフェクター

 BOSS DS-1と言えば、日本が世界に誇るコンパクトエフェクターの1つである。BOSSはギター/ベース用エフェクターのブランドとして、今では世界的に有名な存在だが、その原点は1977年に発売されたOD-1 オーバードライブだった。DS-1 ディストーションは1978年に発売された。後継機がリリースされた今もラインナップに残り続けるベストセラーだ。


 ディストーションは日本語にすると「歪み」である。BOSSの公式サイトでも DS-1 に「伝統の歪みサウンド」というコピーを用いている。

DS-1を通すことで音がどの様に変化するのかは、この動画がとても分かりやすい。TONEとDISTのつまみの調整による変化も分かりやすく説明している。

【GAKKIソムリエ試奏動画】BOSS DS-1 Distortion - YouTube


 「認知の歪み」という概念がある。これは医学/心理学用語であり、誇張的で非合理的な思考パターンのことを指すそうだ。デビッド バーンズは著書の中で、10のパターンを上げている。その中には拡大(過小)解釈も含まれている。

というツイートが今朝タイムラインに回ってきたのだが、これは明らかに、「日本にしか四季がない」ではなく「日本には四季がある」としか言っていないのに、後者を前者の意味として拡大解釈している、と言える。医学/心理学的に、厳密に「認知の歪み」の例になるのかは定かでないが、言葉の解釈が歪められている、と表現することは間違いなくできそうだ。

 ギターサウンドをエフェクターを使って歪ませることは、作品の出来の良し悪しは別として、特段大きな問題を起こす事はない。しかし、人間というエフェクターを通すことで、程度の差はケースによって異なれど、言葉の意味や解釈が歪められると、間違いなく問題が生じる


政府、“暮令朝改”の迷走 専門家の「駄目出し」、3道県を宣言追加|【西日本新聞ニュース】

 これは西日本新聞が5/15に掲載した記事で、5/14に経済再生担当相の西村が、感染が拡大する3道県に対して、まん延防止等重点措置を追加適用しようとしたが、政府が擁する専門家会議である分科会のメンバーから、より強い緊急事態宣言の適用が必要と指摘され、急遽対応を切り替えた、ということに関する記事で、首相や大臣ら政府幹部の現状把握/見通しの甘さの深刻さ加減を強く懸念する内容である。

 この記事の中にこんな表現がある。

基本的対処方針の書き換えや、自治体との再調整に追われたコロナ担当部署の職員からは「専門家のクーデターだ」との恨み節も漏れた

内閣の職員なのだろうか、急遽事前の方針からの転換を求められた政府の担当部署職員が、政府幹部方針に反する分科会の指摘を「クーデター」だと言っている、という話だ。

 個人的には、昨年7月に「旅行はウイルスを広げない」という、とんでもないことを言って、狂気の旅行促進政策を擁護した間違いを、謝罪どころか認めもしていない尾身とかいう爺さんを、未だそのトップに擁している分科会も全く信用していないものの、そして緊急事態宣言も結局宣言するだけで、何の効果も上げられていないので、まん延防止措置だろうが緊急事態宣言だろうが大差はないと感じてもいるが、それでも「より強い措置/対応」が必要な深刻な状況であることは間違いではない。
 つまり、急な方針転換が起きた原因は、分科会にあるのではなく、分科会を、政府方針の説得力をあげる為の、単にお墨付きを出させる追認機関として扱い、事前に相談もせずに方針を決め、追認させようとした政府幹部側にあるにもかかわらず、その方針転換の原因を、政府幹部ではなく分科会に求め、挙句「クーデター」とまで言っているのである。ここは一体どんな独裁国家なのか

 合理的な根拠もなく、批判や異論をクーデターとするのは、明らかに認知の歪みだ。

 つまり、上に従わずに異論を呈する者は反逆者である、のような感覚が、政府の職員の一部、または全体にある、ということだ。それは、批判や異論を唱える者をテロリスト扱いしているミャンマーの軍事政権と殆ど変わらない考え方であり、非常に危険である。ミャンマーでは批判や異論を唱える者がもうかなり多く殺されている。日本でも、2019参院選のころから、警察が政府や与党に批判的な態度を示す者を排除する、という事案が複数起きているし、昨年は現首相の菅が、政府に批判的な学者らを日本学術会議会員へ任命することを拒否した。つまり日本とて、ミャンマーや数年前の香港は決して他人事ではない。


イスラエル「自衛権」で正当化 ガザのメディア支局ビル破壊:時事ドットコム

 この記事の見出しは「イスラエルが自衛権を根拠としてガザへの攻撃を正当化している」としているが、正当化しているのはイスラエル当局だけではないのだ。記事本文にはこうある。

バイデン氏は12日のネタニヤフ氏との電話会談で、イスラエルの自衛権への「揺るぎない支持」を表明。その後、現行の空爆作戦について「過剰ではない」と発言した

つまり、米国大統領もイスラエルのガザ攻撃を正当化している。記事にもあるように、イスラエルは米AP通信や中東の衛星テレビ局アルジャジーラの支局が入るビルをも破壊しているのに。ちなみに米国は「テロとの戦い」と主張するイスラエルの立場を尊重する姿勢を取ってきた。一体テロを起こしているのはどちらだろうか。確かにハマスなども暴力活動を行っているものの、パレスチナ市民から見れば、イスラエル軍、それを支える米国こそがテロリストだろう。

 そもそも、パレスチナにイスラエル建国を認め、更にイスラエルによる支配を進めてきたのは、主に米英だ。歴史的に見れば、侵略者は明らかにイスラエルと米英である。それらによる侵略行為の「テロとの戦い」という名目による正当化もまた、間違いなく認知の歪みだ。


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