悪ふざけ、インチキ、不正行為、こどもだまし、詐欺…などを指す英語の表現に Monkey business がある。自分にとってまず頭に浮かんでくるのは、The Black Eyed Peas の2005年のアルバムだ。同アルバムの1曲目は Pump it で、映画「パルプフィクション」のオープニングテーマとしても知られる、Dick Dale の Misirlou をバックトラックに使っていたのがとても印象的だった。
The Black Eyed Peas - Pump It (Official Music Video) - YouTube
Dick Dale & The Del Tones "Misirlou" 1963 - YouTube
IOC会長のバッハは7/14に首相の菅と面会した際に、「我々が日本国内にリスクを持ち込むことは絶対にない」と断言した。しかし、既にオリンピック関係者から60人以上の感染者が出ている。バッハの話はモンキービジネス、インチキ以外のなにものでもない。
東京新聞の記事にはこのように書かれている。
今月に入り、五輪関係者の感染は約60人に上る。海外メディアから「選手村は安全なのか」と尋ねられ、マクロスキー博士は「イエス」と断言。「これまでのところは想定内。検査の目的は陽性者を見つけ、陽性者を隔離することだ」と強調した。
マクロスキーとは、IOCに新型コロナ対策で助言する立場の人だそうだ。感染者が数十人出ることが想定内という発言は驚きである。バッハの、リスクは絶対に持ち込まれない、という発言と明らかに矛盾する。発覚した感染者らの感染源は恐らく日本国内だろうから、持ち込まれてはいないのではないか、と主張する人もいそうだが、外からウイルスが持ち込まれなかったとしても、感染が広がることはリスクに違いない。つまり感染が国内で起きたのだとしても、リスクは間違いなく持ち込まれている。それをIOCの御用学者が「想定内」なんて言っている。つまりモンキービジネスである。インチキ、詐欺、こどもだましの類だ。
インチキなのはIOCだけではない。官房長官の加藤は7/19の会見で、選手村に滞在している選手から新型コロナウイルスの陽性者が出たことに関して
濃厚接触者を速やかに特定するなど、クラスター(感染者集団)発生防止に万全を期すことになっている
と発言した。
率直に言って、感染者を出さないのが万全の対策である。感染者が出ているのだから対策は万全ではない。しかも政府も組織委も、安心安全、と連呼していたのだ。感染者が数十人単位で出る運動会の一体どこが安全安心なのか。インチキとしか言いようがない。こどもだましとしか言いようがない。
こちらはオリンピック関連の話ではないが、柏市が夜間も開く新型ワクチン接種センターを開設したそうだ。
<新型コロナ>ワクチン 柏市、夜間接種センター開設 働く世代が受けやすく:東京新聞 TOKYO Web
見出しにもあるように、日中仕事をしている働く世代が接種を受けやすくするため、という意図で開設されたそうだ。これは一見まともな対応にも見えるが、個人的にはこれもこどもだまし、付け焼き刃の類にしか見えない。
この夜間接種センター開設の為、市夜間急病診療所を9/19まで休診にするそうだ。他にも夜間救急センターはあるんだろうが、しわ寄せが行くことが想定される。そもそも、労働者が適切に休めない環境こそが問題なのに、それを解消しようとはせず、夜間に接種できるようにする、というのは、不適切な労働環境の追認ではないのか。勿論、労働環境改善は一朝一夕で結果がでるようなものではないだろうが、ワクチン接種の為の休暇を促すのが筋だろう。ワクチン接種後体調不良を起こす例も少なからず報告されており、夜間接種センター開設というのは決して手放しで褒められるような対応ではない。苦肉の策としては認められても、前向きとは全く言えない。
それが苦肉の策だと言うのなら、行政はコロナ危機が落ち着いたら積極的な労働環境改善に努めるだろうが、日本のこれまでを勘案すれば、そんなことはほとんど期待できない。だから夜間接種センター開設に不適切な労働環境の追認を感じるし、モンキービジネス、こどもだまし、付け焼き刃と言わざるを得ない。
トップ画像には、猿 アプリケーション トレーニング - Pixabayの無料写真 を使用した。