昨夜の地震は久しぶりにヤバいと感じるレベルだった。震源がかなり近い場所だったこともあって、いきなり大きな揺れがきたし、しかもそれなりに長くその強い揺れが続いた。震度を確認してみたら、自分が体感したのは震度5弱で、東日本大震災の時に自分が体験した揺れと同じだった。
東京と埼玉で震度5強 千葉が震源、M6.1 23区は東日本大震災以来 交通に影響、女性けが:東京新聞 TOKYO Web
かなり大きな地震だったので、地震発生後、1都3県の鉄道はほぼ全て運転を見合わせとなり、高速道路も通行止めの措置が取られていた。発電所が止まってしまった東日本大震災や北海道胆振東部地震のようなことにはならず、数時間後には徐々に交通機関は運転を再開し始めたが、それでも帰宅困難になる人が出て、SNSでは家に着いたのは明け方だったという投稿も多く見られた。
自然は当然そんなことは気にしてくれないが、大きな地震が日没後に発生すると、暗いだけで不安が増すし、交通機関や道路、建物、そして部屋の中、どこに関しても、暗いよりも明るい方が異変を察知しやすいし、地震は日中にして欲しい。だが、多くの人が外出している平日日中に大きな地震が起きて交通機関が麻痺すると、帰宅困難者が多く発生してしまうという側面もある。今回の地震は発生したのが22:41で、帰宅に労を要したという人は比較的少なかったんだろうが、それでも36万人が影響を受けたと報道各社が報じている。
但し、この36万人という数字は、JR東日本の発表による数字なので、私鉄利用者が含まれているかは定かでなく、実際にはもっと多くが影響を受けているかもしれない。
また、この36万人という数字には、地震が発生した10/7夜に影響を受けた人だけでなく、10/8の通勤通学等で影響を受けた人も含まれいてる。このブログを書いている時点で、JRの首都圏の路線は、その多くがまだ平常運転をしていない。
日暮里・舎人ライナー 復旧に数日の想定も 都が代替輸送を調整 | NHKニュース
これまでに何度か、東日本大震災の発生は金曜日で、大規模な交通機関麻痺が生じて帰宅困難者が多く発生したこと、発電所も被災し稼働できず週末/週明けも鉄道は全く不完全だったこと、石油関連施設も被災し、東日本・首都圏でガソリンの売り切れが続出したこと、そんな不完全な交通状況の中、週明けの月曜日に無理矢理通勤通学した人達の一部が、電力不足で夕方に運転を見合わせた路線が生じた為、再び帰宅困難になったことを書いてきた。
そんなことがあっても日本人は、台風の影響や大雪を気象庁などが指摘しても、無理矢理通勤通学することを止めなかった。その度に交通機関で混乱が起きた。しかし、2010年代に入って頻繁に大雨や台風の被害が生じるようになり、2010年代中盤頃から鉄道各社が大雪や大雨などの予報が出ると事前に計画的に運休する措置を始め、それでやっと不安定な交通状況に突撃する人は減ってきた。
しかし、昨夜地震が起きた影響で交通機関に乱れが生じることは誰の目にも明らかなのに、またもやその状況に盲目的に突撃する人が大勢いた。日本人はやはり自分の頭で考えた上で行動する傾向が低い、ということを今朝再び再確認させられた。
JR東日本、湘南新宿ライン除き運転再開(午前8時半現在) 一部に大幅な遅れ:東京新聞 TOKYO Web
ターミナル駅、未明まで帰宅困難者 朝も通勤・通学大混乱:朝日新聞デジタル
今日、公共交通で通勤通学する/させることの愚かさ。今日は金曜で週末目前、今日だけ通勤通学を控えれば、週末の間にも交通機関はほぼ平常化するのに、それができない。しかも今は新型ウイルス感染拡大を防ぐ為に、密集するなとも言われているのに平気で混雑を作る。地震だけでなく新型ウイルスに関しても、少し状況が改善したら、喉元過ぎれば熱さを忘れる、それが日本人なのだろう。原発再稼働を推進する政権がもう何年も容認され続けていることも、それを物語っている。
今日のトップ画像では、ロダンの考える人を、上下/明暗反転させた画像と、考える日本人という文字を鏡映しにしたものを用いた。勿論タイトルの「考えない日本人」を風刺している。この8年間の自民政権で、一体どれだけの人の生活が改善したか。貧富の格差が広がり、女性活躍と言いつつ実際には殆ど状況は変わらず、確実に世界的な潮流になっている同性婚や選択的別姓も制度化しないという不寛容さ、そして極め付きは、全くいい加減な新型ウイルス対策と、最早常態化している嘘・隠蔽・改竄、そして汚職だ。しかしそれでも、党のトップ/首相が変わっただけで支持率が回復し、また党別の支持率でも未だに自民党がトップである。
自分の頭で考えずにただただ妄信的に前例踏襲を続ける、そんな日本人が多いことが今の悲惨な社会の元凶だ。それでは前進・進歩・改善などあり得ない。考えずに前例踏襲しようとする傾向は、間違いなく日本凋落の大きな要因だ。
昨日の地震、というかそれから一夜明けた後の人々の行動を見て、次の衆院選でもまた考えずに投票する、若しくは考えずに投票すらしない人が多数派を占め、悲惨な社会が今以上に更に悲惨になっていくのではないか?と危惧する。