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五輪大臣、ワクチン大臣てまだ必要なの?

 昨夜、第2次岸田内閣が正式に発足したそうだ。第2次と言っても、第1次の期間は1か月程しかなく、実質的にはこれが最初の岸田内閣と言っても過言ではないだろう。基本的に第2次岸田内閣は第1次岸田内閣のままで、その面子に変化はない。

 唯一変更があったのは外務大臣だ。岸田が9月末に自民党総裁となり、党幹事長に甘利 明を任命したが、甘利は10月末の衆院選で選挙区落選した。1955年の自民党結党以来、現職幹事長が選挙区で落選するのは初めてだったそうで、甘利は幹事長を辞任した。後任幹事長には外務大臣だった茂木 敏充が就き、その人事が決まった11/4から一時的に首相の岸田が外務大臣を兼任した。そして昨夜の第2次岸田内閣正式発足を機に、林 芳正が新たな外務大臣に任命された。


若手を積極登用、13人が初入閣 岸田文雄内閣の閣僚の横顔 - 産経ニュース

 これが現在の岸田内閣の大臣一覧だが、まず気になったのが、東京オリンピック・パラリンピックが終わったのに、なぜ五輪担当大臣がまだいるのか?ということだ。一応、日本は今も、2030年の冬季五輪の札幌での開催を目指していることになっている。しかし、オリンピックは基本的には都市開催が前提であり、東京オリンピックも招致段階では大臣職は設置されておらず、招致決定後に文科大臣が調整役を担当することになり、2015年に、当初の建設予算が倍以上にも膨らんだ新国立劇場建設案への批判が高まったことを機に、専任の担当大臣に変更されたのが現在の五輪大臣である。


 紹介したテレビ朝日の動画の1本目の見出しにもあるように、五輪大臣の設置は「令和三年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法(成立当初は平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法)」による。

 この法律によれば、内閣に東京オリンピック・パラリンピック競技大会推進本部を2022年3/31まで設置するとあるので、現在の五輪大臣はそれまでの限定的な任命かもしれない。しかし、そもそも五輪大臣は、開催前/開催中も何をやっていたのかが不明瞭であり、開催後など更に本当に必要なのか?もよく分からない。ならば文科大臣か官房長官などが兼任しても問題ないのではないか、という疑問が思い浮かぶ。

 だから岸田内閣では五輪大臣はワクチン大臣が兼任しているじゃないか、という指摘もあるだろうが、そのワクチン大臣も果たして必要なポストなのか。そもそも厚生労働大臣という、国の健康衛生全般に関わる常設の大臣職があって、新型ウイルス感染拡大に伴い新型ウイルス対策担当大臣というのも設置されている。そしてその後ワクチン接種を推進専門の担当大臣も設置された。
 ワクチン接種がまだまだ進んでいない状況下ならまだしも、日本におけるワクチン接種が完了した人の割合は既に約75%に達している状況なのに、ワクチン接種に特化した大臣は果たして必要なのか。その役割は新型ウイルス対策担当大臣が担える範囲なのではないか。

世界のワクチン接種状況|NHK


 そんなことから考えると、選挙の際に元○○大臣と宣伝できるように、不必要なポストを残しているのではないか、という懸念を強く感じる。また、肩書だけでなく、大臣になる者には金銭的なうま味もある。今日のトップ画像にも示したように、大臣はおよそ3000万もの年間報酬を手にする。大臣が国会議員だった場合、受け取るのは議員報酬との差額だけで二重払いはないが、それでも普通の国会議員のおよそ倍の年間報酬を手に入れることになる。

 つまり、大臣を雇うのは決して安くない。金額に見合った仕事をしてくれるのならよいが、必要なのかもよく分からない大臣を新設したり、必要がなくなっても廃止しないのは、はっきり言って税金のムダだ。しかも、日本の大臣の報酬は世界的にも高額だ。物価を考えても、必要以上に高額だと言わざるを得ない。


 必要性があるかも分からない大臣を廃止せず、他国の大臣報酬、物価や庶民の年収から考えても高額な報酬を受け取る大臣たちが「成長なくして分配なし」なんて言っていて、有権者がその人達を支持してしまうという、とてつもなく意味不明な状況なのが今の日本だ。


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