錯視とは目の錯覚のことで、動いていないのに動いているように見えたり、同じ色なのに違う色に見えたり、同じ大きさなのに違う大きさに見えるなど、錯視には様々な種類がある。日常生活の中にも錯視は存在するが、それを分かりやすくしたのが幾何学模様などで表現した錯視で、それらは作品のように扱われることもある。
錯視に関連した表現や作品には、静止画でなく動画/アニメーションを用いたものもあり、その中でも有名なのがシルエット錯視だ。このシルエット錯視はスピニングダンサーとも呼ばれ、回転している女性のシルエットが時計回りに回転しているようにも見えるし、反時計回りに回転しているようにも見える、というものである。
シルエット錯視 - Wikipedia
このシルエット錯視と似た、錯視を用いた映像が、昨日自分のタイムラインに流れてきた。
じっと見てると列車が進路を変える
— Spica (@Kelangdbn) November 13, 2021
方向を示す視覚的な手がかりがないことに起因する錯視。どちらに動いていると思い込んてもつじつまが合ってしまう。 pic.twitter.com/a8SjWUfApV
これは、駅を通過する列車の動きをループさせて、永遠に通過し終わらないように加工したGIFアニメーションで、自分には、画面の手前側を注視していると列車が手前から奥へ、画面奥側を注視すると奥から手前に列車が進行しているように見える。
この進行方向が分からない錯視を見て、日本人には、自民や維新などがどこに向って進んでいるか、どんな社会を目指しているのか分からない、という錯覚に陥ってしまっている、そんな人が少なくないのではないか、という仮説が頭に浮かんだ。
それはこんなツイートが数日前に話題になっていたからだ。
「竹中平蔵が嫌いなのに自民党に投票したなんてありえない」が盛んに言われてるので言っときますが、「竹中平蔵が嫌いなのに維新に投票するのも同じくらいありえない」ですからね。
— shinoda soshu (@ssoshu) November 11, 2021
これは、岸田 文雄は自民党総裁選で「小泉改革以降の新自由主義的政策を転換する」と言っていたのに、岸田政権の成長戦略の一環であるデジタル田園都市構想の会議に参加する者の中に、小泉政権以降の新自由主義的政策の推進に主体的に関与してきた竹中 平蔵の名があったことによる。
岸田が新自由主義的政策を転換と言ったから自民党に投票したのに、竹中が登用されるなんて… と言っている人は自分の周りにはゼロだし、その種のツイ―トも数件しか確認していないので、本当にそんなことを言っている人が大勢いるのか、は自分にはよく分からない。だが、もしそんな人が大勢いるんだとしたら、その人達は危険な錯覚に陥っているか、もしくは政治家や政党を精査もせずに、いや政治家や政党に限らず誰かれ構わずに安易に信用してしまう人達としか言えない。言い換えれば、詐欺師に騙されやすい人と言えるかもしれない。
高速道路などを逆走する高齢ドライバーがしばしば話題になるが、彼らは、自分以外全てのクルマが自分に向って走ってきても、正しく走行しているのは自分だ、と思い込んでしまうことで逆走を続け、最悪重大な事故を起こすのだろう。自分が間違った方向に進んでいる、逆走していると認知できれば、少なくとも停車するのではないか。
つまり、厳しいようだが、岸田が新自由主義的政策を転換と言ったから自民党に投票したのに、竹中が登用されるなんて… と言っている人は、逆走する高齢ドライバーと同程度の認識力しかない、ということである。
トップ画像には、レンプレート 刺激 効果 - Pixabayの無料写真 を使用した。