DOMMUNEの昨夜の配信は 「渋谷 × ビフォアダーク〜アフターダーク」 ソーシャルディスタンシングの先にあるナイトカルチャーのコミュニティについて考える、という番組だった。SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA 2021 の関連プログラムの1つで、渋谷/東京を代表するナイトクラブの関係者などによる座談会だった。
SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA 2021 「渋谷 × ビフォアダーク〜アフターダーク」 - DOMMUNE
- SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA | 国内最大級のソーシャルデザインをテーマにした東京・渋谷の都市フェス|社会をつくるすべての人のココロとアタマを刺激する9日間| 2021年。社会は、緩やかにシフトするのか、劇的に変化するのか。その変化は、どこからやってくるのか。『未来』という可能性の波に、のるか、のまれるか。
- ソーシャルイノベーションウィーク渋谷【公式】さん (@siw_shibuya) / Twitter
番組の冒頭で、今は亡き日本のダンスミュージックシーンにおける最重要ナイトクラブの1つ、Space Lab Yellow の黄色い看板の話が出たので、10/7の投稿のトップ画像として作った画像をハッシュタグ #DOMMUNE でツイートしたら、DOMMUNEのボス・宇川 直宏がそれをリツイートしてくれた。
凄すぎる!!!!!! 行きたすぎる!!!!!!!! 黄箱で踊りたすぎる!!!!!!!!! #DOMMUNE「渋谷×ビフォアダーク〜アフターダーク」ナイトカルチャーのコミュニティについて考える▶︎https://t.co/skxYJ59tIZ @74120_731241 https://t.co/xZrYHx4kmb pic.twitter.com/R9P3XeDFK7
— UKAWA NAOHIRO™ (@DOMMUNE) November 13, 2021
ハッシュタグ #DOMMUNE のツイートを彼がリツイートするのは決して珍しいことではなく、というかあまりにも日常的なことなのだけど、珍しくコメントをつけて引用リツイートしてくれたからか、思いのほか反応があった。
Yellowのこの看板の写真は、ざっとWeb検索しても見当たらず、だから自分で合成画像を作ったのだが、この画像を懐かしく思う人が結構いたことからも、やはりYellowは偉大でファンの多いクラブだったと再確認させられた。
番組の本題の方はといえば、タイトル通り、ここ数年のナイトクラブ業界関連の動きを前提に、新型ウイルス危機以降のナイトクラブ/ダンスミュージックシーンについて、関係者が意見交換する内容だった。
番組の配信告知があったのは2日前だったが、告知を見て
DOMMUNE
の番組紹介ページを読んでみたら、そこに「現場で日々奮闘している店舗事業者が風営法改正以降から現在の変化と今後のプラン」という文言があったので、それを前提に
風営法/特定遊興飲食店営業の現時点での問題は、行政/警察の「遊興」の定義が曖昧で具体的でないこと。つまり行政/警察のさじ加減で都合のよい解釈を一方的に提示し、いつでも弾圧できること。
— Tulsa Birbhum / タルサ ビルハム (@74120_731241) November 12, 2021
自民政権/小池都政がそういうことをやりかねないのは、コロナ危機初頭のふるまいからも明らか。#DOMMUNE https://t.co/SrgGXULLC3
と自分の認識をツイートしていた。
登壇していたナイトクラブ関係者の半分くらいには、そんな認識は殆どないように見えて少し驚いた。ただ、登壇者には大箱の関係者と小箱の運営者がいたのだが、大手デベロッパーと組んで箱をやっているような人達にはそのような危機感というか、警戒感のようなものはあまり感じられなかったが、2015年に風営法が改正された後も、老舗の小箱・青山
蜂が摘発された件などがあり、大箱関係者と小箱運営者の間には温度差があるようにも見えた。
- 本当にもう大丈夫? 改正されても謎が残る「風俗営業法」|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
- クラブ「青山蜂」摘発に波紋 水曜日のカンパネラ、コムアイも思い吐露
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 - Wikipedia
また、ソーシャルディスタンシングの先にあるナイトカルチャーのコミュニティについて考える、という番組タイトル、そして現在の状況も加味すれば、新型ウイルス危機に関連した話が出てくることは明白だったので、配信開始直後に
今週に入ってから、東京や大阪は感染者数は下げ止まり、寧ろ微増で、再び増加に転じる、つまり第6波の兆候が見られる、と一部で指摘され始めている。
— Tulsa Birbhum / タルサ ビルハム (@74120_731241) November 13, 2021
楽観的見通しに偏らず、その辺のことも念頭に入れた話が聞きたい。#DOMMUNE
ともツイートした。番組の序盤で、これは生配信番組ではなく、11月初頭・ハロウィーンが終わった直後くらいに事前収録した番組だと分かり、ならば直近のそんな状況が加味された話は出てこないかもしれない、とも感じられた。
しかし、どのクラブ関係者も、現状の新規感染者が少ない状況を背景に、12月からは本格的な営業を予定しており、New
Year
Partyは1年ぶりに盛大にやりたいという認識を示していたものの、番組の進行を担当していた、VISIONやContactを運営するグローバル・ハーツ
の取締役・人見
太志が、その時点で既に第6波について言及し、楽観的になるのはまだ早い、という姿勢であったのがとても印象的だった。
勿論、12月から本格的な営業、New Year
Partyは1年ぶりに盛大にやろう、と示唆した他の関係者を強く批判/否定する気にはなれない。約2年弱、クラブはずっと耐えてきたんだから、今の状況だったら、この年末年始はがっつり稼ぎたい、盛大にやりたい、と考えるのは当然だろう。本来は、感染状況を悪化させずに文化を守るため、つまり感染状況が悪化してもクラブなどのエンターテインメント業界への悪影響を最小限にとどめるには、積極的で広範に、そして安価に何度でもPCR検査を気軽に受けられる状況を作り、数日以内の検査で陰性だったことを条件に集客を認める、のような政治的対応が必要なのだろうが、なぜか日本政府はこれまでも、そして今も検査に異様な程消極的だ。世界的に見て日本の検査数は、統計用サンプルとしての信憑性が疑われる程に少ない。
そのような政治を、10/31に投開票が行われた衆院選で変えることも出来たはずなのに、日本の有権者は、杜撰で消極的、関係者への利益誘導ばかり重視し、有権者にとって実益の少ない新型ウイルス対応をやってきた政治・政党を再び選んでしまった。
これまで
DOMMUNEでは、新型ウイルス危機初期から、政府や都政などがナイトクラブやライブハウスを槍玉にあげてきたこと、休業要請という名目で実質的には休業を強制するのに、それに対する支援が全く不十分であることなどに抗議する番組を何度かやっていた。昨夜の配信でも、そのようなこと、そんな政治をやってきた政党などへの批判、そんな政党や政治家たちが再び政権を担う与党に選ばれてしまったことなどへの危機感なども話題になるかと思ったのだが、昨夜はそんな話が話題にのぼることはなかった。
有権者だけでなくナイトクラブ関係者にすらも、喉元過ぎれば何とやら、な空気があるのかもしれない、と思えた。
昨夜のDOMMUNEでの配信のアーカイブは公開されていないが、同じものが別のYoutubeチャンネルで公開されている。
トップ画像には、コンサート 紙吹雪 祝賀会 - Pixabayの無料写真 を使用した。