日本の万国博覧会と言えば、1970年の大阪万博のことが語られることが多いが、自分の世代にとっては、1985年に茨城県で開催された、つくば科学万博の方が印象深い。当時はバブルに向っていた時期で、地方博覧会ブームもあった。
自分の出身県である神奈川でも、1989年にみなとみらい地区で横浜博が開催された。みなとみらいの観覧車・コスモクロック21は、大阪の太陽の塔と同様にその名残である。横浜博の前年・1988年にも、夏休みに北海道へ行った際に、青函トンネルの開通を記念して開かれた青函博に連れていってもらった記憶がある。
2005年にも愛知県で愛知万博/愛・地球博が開催されていたが、当時は既にもう万博のような商業的過ぎる催しに興味が沸かず、行ってもいないし、どんな博覧会だったのかすらよく知らない。
- 日本万国博覧会 - Wikipedia
- 国際科学技術博覧会 - Wikipedia
- 博覧会#地方博覧会ブーム - Wikipedia
- 横浜博覧会 - Wikipedia
- 青函トンネル開通記念博覧会 - Wikipedia
- 2005年日本国際博覧会 - Wikipedia
2025年に再び大阪で万博が開催されるらしい。果たして今、そんなことに予算を割く余裕はあるのか、という気がしてならない。
今日のトップ画像は、浦沢 直樹のマンガ・20世紀少年の中に登場する、太陽の塔改めともだちの塔と、「ばんぱくばんざい ばんぱくばんざい そして せかいだいとうりょうが たんじょうするだろう」という一節の一部を用いて作った合成画像だ。太陽の塔は、2009年に同マンガを原作とした実写版の映画のプロモーションで、本当にともだちの塔に架装されたことがある。
「太陽の塔」が総費用8000万円で改造されて20世紀少年に出てくる「ともだちの塔」になっていたので近寄ってきました - GIGAZINE
20世紀少年は、謎の人物・ともだち が現れ、1970年頃の少年が空想した世界・地球滅亡をもくろむ悪の組織や、東京を破壊する巨大ロボット、滅亡に向かっていく未来の世界などが、21世紀に現実となるという設定で、当時の少年だった主人公たちがそれに立ち向かう内容だ。1960年生まれの作者・浦沢 直樹が、自分が少年だった頃の記憶を強く反映されている。
日本では、1964年に東京オリンピックが開催され、それから6年後の1970年に大阪万博が開催されている。時は高度経済成長期であり、1980年代オリンピックはなかったが、博覧会ブームとバブル景気の関係と共通性を感じる。
「一体この人たちは何を言っているんだろうか」というのは、コンパクト五輪と言って招致活動への協力を煽り、1964年のオリンピックで使った国立競技場をそのまま使うという話だったのに、いざ招致が決まると、いつの間にか新しく建て替えるなどと言い出し、一時は当初の3倍にも開催費が膨らむ見通しだと言われ、実際にも当初予算の倍以上がかかった欺瞞だらけの2020東京五輪の中枢にいた人達にも思ったし、東京五輪の欺瞞が明白になった後も似たような招致活動が続けられ、実際に招致してしまった大阪万博の関係者にも同様の印象を持っている。
1964年の東京オリンピックから8年後の1972年、日本は札幌で冬季オリンピックも開催したが、2020東京オリンピックの欺瞞、新型コロナウイルスの感染拡大の懸念を無視して強行したことへの反省もせぬまま、2030年の冬季オリンピックを札幌に招致しようとしている。
更に、今朝はこんな記事も目に付いた。
日本飛行士、20年代後半月面に 首相が表明、2カ国目目指す:東京新聞 TOKYO Web
首相の岸田が2020年代後半に日本人飛行士の月面着陸を目指すことを改めて表明した、という内容である。「一体この人たちは何を言っているんだろうか」と思わずにはいられなかった。
アメリカの宇宙船・アポロ11号が月面着陸を果たしたのは1969年のことで、翌年・1970年に大阪万博にはアポロ11号が持ち帰った月の石が展示され、人気を博したそうで、そのエピソードは20世紀少年にも出てくる。
朝日新聞は12/27に、日本円の価値が約50年前の水準まで下がっている、という内容の記事を掲載した。今から50年前とは1970年頃だ。
日本円の力、半世紀前の水準まで弱体化 急激な円安で暮らしに影響も:朝日新聞デジタル
この状況は、円安は輸出に有利だとして自民政権が行った所謂アベノミクスの結果だ。円安になると、輸出には有利かもしれないが、当然輸入には不利である。海外製品が軒並み相対的に高くなる。食料自給率が低く輸入に頼る日本では食料品も当然高くなる。また、日本の賃金は2000年と比べてよくて同じ、厳密にはマイナスの傾向である。賃金が増えないのに物価が高くなれば、特に食料にかかる金が増えたら、当然生活は苦しくなる。
自民党の人たちは、なんでそんなに1960年代に回帰したいのか。1960年代、1980年代の手法を繰り返せば、再び高度経済成長やバブル経済が蘇るとでも思っているんだろうか。もしそうなんだとしたら、それは最早宗教的でしかない。