世界のあちらこちらで、再び新型コロナウイルスの感染が拡大している。ワクチン接種が世界的に先行した地域では、一定期間が経ってその効果が低減したのか、従来株が再び広がっていたようだし、南アフリカで新たな変異株が確認され、それがあちらこちらの国で確認され始めてもいる。
日本では今のところ、夏のオリンピック開催時の感染爆発が収まってから小康状態を保っていることになっているが、日本の検査数は他国に比べて異様に少ない状況は変わっておらず、現状がどうかは誰にも分からない。ワクチン接種が進んで感染しても無症状な人が多いだけかもしれないし、これまでにも何度も後から「感染者が実はこれだけいました、コロナウイルスによる死者がいました」とやったように、行政が感染者数を矮小化しているだけかもしれない。既に日本国内でも新たな変異株は確認されているが、それは氷山の一角かもしれない。
オミクロン株、国内初確認 ナミビアから成田に到着の男性が感染 | 毎日新聞
世界的な感染の再拡大に対応する為に、岸田政権は、全世界を対象に11/30から外国人の新規入国を禁止した。前菅政権や前々安倍政権の新型ウイルス対応があまりにも後手後手だったこともあって、この岸田政権の対応について、対応が早いと一定の評価をする向きもある。
南アなど10カ国、再入国拒否 政府、在留資格持つ外国人:東京新聞 TOKYO Web
確かに前菅政権/前々安倍政権に比べたら、初動は早いかもしれない。しかし、外国人の新規入国を禁止するのは妥当な対応か。自分には全くそうは思えない。何故なら、新型ウイルスは外国人の新規入国者だけでなく、日本人帰国者が感染している場合も考えられる。また今回の措置も、日本の空港などを経ずに米軍基地から直接出入する米軍関係者を、日本の行政はコントロールできない。それはこれまでと変わらない。つまり、外国人の新規入国を禁止するだけでは粒よりも目の粗いザルで米を研ぐようなもので、対応として全く不十分だ。
初動が早いだけで岸田政権が評価出来てしまう程これまでが最低だった、とも言えるかもしれないが、岸田政権のやっていることも焼け石に水だ。今必要なのは、外国人に限った入国禁止ではない。感度に疑問が残る抗原検査ではなく、まずは世界的な検疫のスタンダードであるPCR検査を徹底すること、そして一切の例外なく入国時の一定期間隔離を公的な負担で行うことなど、全般的に検疫体制を強化することだ。外国人の新規入国だけを禁止しただけでは全く評価などできない。評価などすれば、今後も杜撰な対応が続くだけだ。
今日のトップ画像は、一部で岸田政権を評価する声もあるが、実際は前菅政権、前々安倍政権と大して変わらない団栗の背比べ状態である、ということを風刺したものだ。低レベルな比較には大した意味はない。テストの点が0点でも5点でも10点でも、20点以下ならどれも赤点・落第点に変わりはない。