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米軍基地は日本の裏口

 現在世界的に流行している新型コロナウイルス・オミクロン株。その流行が始まったのは昨年・2021年11月だった。まず南アフリカで流行が発生、その後各地に飛び火したようだった。日本はそれを理由に外国人の入国禁止を発表した。だが、外国人だけが感染するわけではないので、外国人のみ入国禁止とするのは非合理的だ、とWHOから指摘を受けた。

 日本の水際対策では、世界的なスタンダードであるPCR検査ではなく、主に抗原検査が用いられていて、その対応は不十分だという指摘もあるのに、なぜか現政府は頑なに方針を改めない。恐らく、感染拡大当初にPCR検査に対して否定的な見解を示したことが影響しているんだろう。その間違いを認められないから、未だに抗原検査主体の検疫をしているんだろう。抗原検査には利権が絡んでいるのではないか、なんて話もある。
 とにかく、何にせよ日本の検疫はいい加減だ。島国なんだから検疫が適切ならば市中感染の大半はそれで防げるはずだ。それを実践しているのが台湾やニュージーランドだ。他にも台湾やニュージーランドと日本の対応には違いがある。台湾やニュージーランドは数件の市中感染が確認されただけで政府が予防措置の動くが、日本は相変わらずで、昨年・2021年12月の時点で既に新規感染者は増加傾向だったのに、政府は予防を何もしなかった。そしてその結果が、先週以降の、新規感染者が日ごとに倍になる状況である。最早、昨夏のような感染爆発が再び起き始めている、と言っても過言ではないのではないか。


 それ以外にも日本の新型コロナウイルス対応には大きな問題がある。不十分ながらも、一応日本も入国時の検疫をやってはいる。やってはいるものの、そこには盛大な抜け穴が存在している。それは、普段から日本の入国審査をスルーしている米軍だ。前大統領のトランプが来日した際、成田/羽田経由ではなく、大統領機は横田基地に着陸した。在日米軍は日本の入国審査も検疫も受けることなく在日米軍基地から出入りしている。そして、在日米軍は日本に入国する部隊の検疫・PCR検査をやっていなかった。

在日米軍の多くが出入国時にPCR検査せず 検疫免除の特権:東京新聞 TOKYO Web

 コンピューターセキュリティー用語にバックドアがある。バックドアとは、利用者用の正規入口とは別に、プログラマーなどが秘かに仕込む裏口・抜け道のことだ。場合によっては故意に仕込まれないこともあるが、そのような欠陥の場合はセキュリティーホールと呼ぶことが多い。バックドアが仕込まれる理由が不正の為とは限らないだろうが、IDやパスワードがなくてもログインができる為、それが第三者に見つかると大抵不正に利用されてしまう。

 在日米軍基地は、日本の入国審査・検疫におけるバックドアだ。アメリカでは、昨年8月以降、新規感染者数が概ね毎日10万人以上いる状況なのに、米軍が検疫なしで日本へ入国しているのだから、普段の入国審査はともかく、新型コロナウイルス対策に関しては明らかにバックドアとしか言いようがない。

アメリカ 新規感染者 推移 - Google 検索

 そして、日本各地の米軍基地で集団感染が、大都市以外では基地のある自治体で特に新規感染拡大が発生しているのだから、もうそれは疑いようのない事実だ。

 こんな状況で、米軍を度外視している現在の自民政権による検疫の杜撰さ、いや、感染拡大に対する予防をしない新型コロナウイルス対応全般の杜撰さ、そして米軍の無謀なふるまいと、それに対して強い態度を示さない自民政権のいい加減さ、そんなことに疑問を持たないなら、新型コロナウイルスが収束したとしても、他の社会問題、政治問題に関して同じ様なことが繰り返されることになるだろう。いや、もう既にそうなっていて、そんないい加減なことを繰り返してきたのが2012年以降の自民政権であり、その結果が今の杜撰な新型コロナウイルス対応と言うべきだろうか。


 この投稿を公開する直前にこんな記事も目に付いた。在日米軍は、米軍施設内における新型コロナウイルスの感染拡大を受け、感染予防措置の態勢を強化すると発表したそうだ。日本に到着した際の検査の実施、またワクチンの接種状況にかかわらず基地外でのマスク着用を今更義務付けるそうだ。検査なしでの入国が発覚してから既に2週間が経過している。マスク着用なんてそもそも論過ぎて言葉がない。

感染予防措置を強化 マスク着用義務化―在日米軍:時事ドットコム



 トップ画像には、イラストストック「時短だ」 – 時短に役立つ素材サイト の素材を使用した。

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